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【開催報告】HGPIサロン2025:日本の社会保障の未来を見据えて 第4回「認知症の人の多様な社会参加の促進と共生社会の実現」(2025年11月11日)

【開催報告】HGPIサロン2025:日本の社会保障の未来を見据えて 第4回「認知症の人の多様な社会参加の促進と共生社会の実現」(2025年11月11日)

日本医療政策機構(HGPI)は、非営利・独立・超党派の民間シンクタンクとして、医療・社会保障の課題に取り組んできました。当機構は多様なステークホルダーの集合知を活かして、社会に新たな選択肢を提示することで市民主体の医療政策の実現を目指しています。

現在、日本の社会保障制度は急速な高齢化と生産年齢人口の減少という構造的な課題に直面しています。後期高齢者の増加に伴う医療介護サービスの需要拡大により、社会保障給付費は2040年までに190兆円に達すると予測され、これに生産年齢人口の減少による労働力不足が重なり、現役世代の負担増大と制度の持続可能性の危機をもたらしています。一方で、政府や民間の有識者の中では、これらの課題を克服するための前向きな取り組みが進展しています。医療・介護分野では技術革新が加速しており、新たなサービスやシステムイノベーションが生まれつつあります。また、共生社会の実現を目指した政策や活動が全国各地で展開されるなど、希望ある動きが広がっています。こうした取り組みは、日本の医療介護産業を成長産業としてさらなる発展に導くとともに、地域社会の活性化にも寄与する可能性を秘めています。

過去には社会保障制度改革国民会議が2012年に設置され、長期的な視点で社会保障制度の持続可能性や成長の方向性を議論しました。この議論は、「自助・共助・公助」の最適なバランスを探りつつ、社会保障制度の充実と効率化を追求する中で、日本の社会保障政策の土台を築きました。現在は、その流れを受け継ぎ、全世代型社会保障構築会議が開催され、さらに前進する議論が行われています。さらに、厚生労働省は2024年に「近未来健康活躍社会戦略」を公表し、持続可能な社会保障制度の構築に向けた具体的なビジョンを示しています。この戦略では、「医療・介護産業の成長促進」「国民への還元を目指したイノベーション活用」「健康活躍社会の実現」を主要目標として掲げています。

このような変化の兆しを背景に、当機構では「HGPIサロン2025」のテーマを「日本の社会保障の未来を見据えて」として、未来に向けた議論の場を2025年を通じて提供いたします。本サロンは、チャタムハウスルールの下、参加者同士が自由かつ率直に対話を行い、政策形成のための洞察やアイデアを生み出すプラットフォームとして機能します。ICTの活用による医療・介護の効率化や予防医療の強化、女性や高齢者の活躍促進など、具体的な課題に焦点を当て、理事や参加者とともに建設的な議論を進めてまいります。

HGPIサロンは、医療・社会保障における課題を共有しながら、未来を見据えた解決策を共に探求する場です。本企画は、運営費を賄うための会場費や運営費に限定して使用されておりますが、個人賛助会員の皆様には無料でご参加いただけます。ぜひこの機会にご参加いただき、私たちとともに日本の社会保障の明るい未来を描いていただければ幸いです。

第4回となる今回は、当機構理事の堀田聰子およびアソシエイトの森口奈菜が、参加者の皆さまとともに議論を行いました。堀田からは、日本における認知症関連の社会政策の変遷や、社会全体の認知症への捉え方の変化、ご自身の研究内容、そして「共生」という概念についてのプレゼンテーションがありました。また、認知症の診断における在り方や心理的配慮、雇用や自己表現など、本人の社会参加を促進するための取り組みと現場での課題についても取り上げられ、本人の自律を尊重しつつリスクを防ぐための方策について、会場全体で活発な議論が交わされました。


【開催概要】

  • 第4回登壇者

ゲスト:堀田 聰子(日本医療政策機構 理事)
モデレーター:森口 奈菜
(日本医療政策機構 アソシエイト)

  • 日時:2025年11月11日(火)18:30-20:00(受付開始 18:15)
  • 形式:対面のみ
  • 会場:Global Business Hub Tokyo(〒100-0004 東京都千代田区大手町1-9-2大手町フィナンシャルシティ グランキューブ3階 GBHT)
  • ルール:チャタムハウスルール
  • 言語:日本語のみ

  • 参加費:
    個人賛助会員:無料

    一般:4,000円
    学生(学部生のみ):3,000円
    ※会場では軽食を提供させていただき、参加費は軽食・会場運営費に当てられました。

 

【プログラム】

18:30-18:35 趣旨・ルール説明
佐藤 ひかる(日本医療政策機構 アソシエイト)
18:35-18:40 開会あいさつ
黒川 清(日本医療政策機構 終身名誉チェアマン)
18:35-19:30 対談セッション テーマ認知症の人の多様な社会参加の促進と共生社会の実現
ゲスト:堀田 聰子(日本医療政策機構 理事)
モデレーター:森口 奈菜(日本医療政策機構 アソシエイト)
   
19:30-19:55 参加者との対話
 
   
19:55-20:00 クロージング

 

■プロフィール

堀田 聰子(日本医療政策機構 理事))

京都大学法学部卒業後、東京大学社会科学研究所特任准教授、ユトレヒト大学訪問教授等を経て慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科教授(医学部・ウェルビーイングリサーチセンター兼担、認知症未来共創ハブ代表)。博士(国際公共政策)。compassionate community、dementia friendly community等を手がかりに、より人間的で持続可能なケアと地域づくりに向けた移行の支援及び加速に取組み、社会保障審議会・介護給付費分科会及び福祉部会、政策評価審議会、地域包括ケア研究会、地域共生社会研究会等において委員を務める。日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー2015リーダー部門入賞。

森口 奈菜(日本医療政策機構 アソシエイト)

順天堂大学大学院医学研究科修士課程修了(公衆衛生学)。大学院在籍中、日本医療政策機構グローバルヘルス・エデュケーション・プログラム(G-HEP: Global Health Education Program)に参加。人々が自身の健康を資源として、より良く生きることができる社会の実現を目指し、2023年より日本医療政策機構に参画。女性の健康、認知症、慢性腎臓病などの事業を担当。


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