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【調査報告】「2025年 日本の医療に関する世論調査」(2025年3月17日)

【調査報告】「2025年 日本の医療に関する世論調査」(2025年3月17日)

日本医療政策機構では、2024年12月に全国の20歳以上の男女1,000名を対象に世論調査を実施しました。当機構では、国民が求める医療や医療政策の課題について、2006年から継続的に世論調査を行っています。本調査はすべて当機構が独自に課題を選定して実施しており、これまでに医療の満足度やグローバルヘルス、生成AIの医療分野での活用など、国内外の重要な医療政策課題に関する調査を行ってきました。

今回の調査では、これまで同様に医療の満足度について尋ねるとともに、医師の働き方改革や医薬品に関する選定療養制度の適用開始といった動向を踏まえ、医療機関や医薬品へのアクセスに関しても尋ねています。また、2024年12月からは保険証の新規発行が停止され、本格的にマイナンバーカードの保険証利用がスタートしました。これにより、医療情報の一元化やデジタルトランスフォーメーション(DX)の進展が期待されています。こうした状況を踏まえ、医療情報の利活用に関する国民の意識に関しても尋ねました。

【調査項目概要】

  • 現在の日本の医療及び医療制度に対する満足度(2006年より実施)
  • 医療機関・医薬品へのアクセスの現状認識、満足度、課題感
  • 公的医療サービスの在り方に対する態度
  • 医療情報の利活用に対する期待・課題感

 

【主な調査結果】

医療の満足度については概ね横ばい~微増

  • 7割近くが日本の医療・医療制度全体に満足している
  • 2023年調査で、新型コロナウイルス蔓延前からの比較で減少が認められた「医療機関へのアクセス」の満足度はほぼ横ばい

6割が必要時に受診可能と回答も、3割弱が費用負担による受診控えの経験がある

  • 必要時(夜間・救急を除く)の受診可能性については、受診できるが6割受診困難の主な理由は、「待ち時間が長い」「予約が取りにくい」
  • 3割弱が費用負担による受診控えの経験があると回答
  • OTC医薬品の価格感については、高いと感じる人は5割。一方で、医療用医薬品については高いと感じる人は4割弱にとどまった

医療情報の2次利用には6割が前向きであると回答したものの、個人情報の保護やセキュリティ面に関しては慎重な対応や明確な使用条件を求める声も多い

  • マイナンバーカードの保険証利用については、5割弱が「すでに利用している」と回答
  • 医療情報の研究利用等を含む2次利用は6割が「積極的に協力したい」もしくは「目的によっては協力してもよい」と回答。その条件として、「個人が特定されない適切な加工」、「データ使用目的の明確化」、「十分なセキュリティ対策」が求められている
  • 診療情報(カルテ情報や検査結果など)の研究活用については6割が協力に肯定的で、「新しい治療法や治療薬の開発」に最も期待がよせられた

現在の公的医療サービスの水準維持のためには、経済的負担増加は「やむを得ない」との回答が最多

  • 公的医療サービスの提供における経済的負担と給付の将来像については、4割が「現在の水準維持のために経済的負担増加はやむを得ない」と回答
  • 望ましい負担増の方法としては「窓口負担」が最多

 

【調査概要】

調査期間:2024年12月26日から2025年1月7日
形式:オンライン調査
合計配信数:11,517名
調査回答者数:1,384名(回収率12.01%)
回収数:1,000名(有効回答者数が1,000名に到達した時点で終了)
対象:20歳以上の日本人男女
サンプリング:年齢階級、性別、居住地により調整

 

詳しくは、当ページのPDFファイル をご覧ください

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