【調査報告】「2019年 日本の医療に関する世論調査」(2019年9月17日)
日付:2019年12月16日
英語版の報告書を公表いたしました。(2019年12月16日)
詳しくは、本ページの末尾のPDFファイルをご覧ください。
日本医療政策機構では、国民が求める医療や医療政策課題等に関する国民の意識・意見を把握するため、2006年から世論調査を実施しております。2019年は、全国の20歳以上の男女2,000名を対象に、当初から継続的に調査を行ってきた日本の医療および医療制度に対する満足度に加え、医療政策への国民の参画、国民皆保険制度の持続可能性、昨今話題となっている高額医薬品、薬剤耐性、ワクチンについて調査を行いました。
■ 調査結果のポイント
医療および医療制度に対する満足度
・日本の医療および医療制度について62%が満足。項目別では医療の安全性に対する満足度が最も高い
医療政策への国民の参画
・医療政策策定プロセスにおいて、約8割が自分の声を医療政策に反映させたいと回答
国民皆保険制度の持続可能性・高額医薬品
・約8割が高額医薬品の保険適用に肯定的な回答
薬剤耐性
・半数以上が抗菌薬/抗生物質が風邪やインフルエンザに効果がないということを知らない
ワクチン
・約7割が「HPVワクチンは、HPVへの感染やがんになる一歩手前の状態になることを予防する効果がある」ことを知らない
■ 調査結果から浮かび上がる日本の医療政策「今後の論点」
・医療の安全性や技術の質に対する国民の満足度は高く、医療現場における医療提供者たちは国民に評価されていると言えるだろう。一方で、各疾病対策の推進などにおける当事者参画が一部で進んでいるにも関わらず、医療制度の策定過程における透明性や、策定過程における透明性への満足度は依然として低い。自分の声を医療政策に反映させたいとする回答も約8割にのぼる。政策策定にかかる検討会などの関連会合において、公益委員や患者委員を含めることのみならず、国民の声の医療政策への反映の仕方や設計そのものについて、今後は再定義や議論が必要になりうる。
・高額な医薬品を公的医療保険の対象にすることに肯定的な国民の声が明らかになった。では、財源が限られる中、何を対象外とすることについては理解が得られるのか。医療費全体の2割に過ぎない薬価部分のみならず、医療システム全体のなかで、どのような効率化であれば国民は賛同するのか、今後の調査で明らかにしていきたい。
・ワクチンや薬剤耐性(AMR)の領域で、科学的エビデンスに基づく知識が国民に浸透していないことが明らかになった。情報の受け手側のリテラシーに関わらず、すべての人が健康的な生活を享受できるようエビデンスに基づいた情報の普及手段の検討、さらにはエビデンスに基づく政策の策定が引き続き重要である。
詳細は、本ページ末尾のPDFファイルをご覧ください。
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