活動報告 調査・提言

【論点整理】難病・希少疾患プロジェクト ディスカッション・ペーパー「難病・希少疾患 2025 ー難病法から10年、共に創る未来に向けてー」(2025年3月28日)

【論点整理】難病・希少疾患プロジェクト ディスカッション・ペーパー「難病・希少疾患 2025 ー難病法から10年、共に創る未来に向けてー」(2025年3月28日)

日本医療政策機構(HGPI)難病・希少疾患プロジェクトではこの度、論点整理「難病・希少疾患 2025ー難病法から10年、共に創る未来に向けてー」を公表しました。

なお、詳細につきましては下記PDFをご覧ください。

■エグゼクティブ・サマリー

本ディスカッション・ペーパーは、「社会環境」「医療」「家族・ケアラー支援」「社会参加」「イノベーション」の5つの視点から構成される。いずれも難病・希少疾患政策においては重要な視点であり、2024年度に開催したシンポジウムや行ったヒアリングでも多くの意見が挙がったテーマである。そして5つの視点に共通し、中心となるものが「多様な患者・当事者の視点」である。難病・希少疾患と共に生きる患者・当事者のそれぞれが、様々なバックグラウンドがあり、それぞれの生活環境の中で日々を送っている。そういった状況を念頭に置きながら、今後の政策のあり方を考えたい。

視点1:共生を実現する社会環境の醸成

  • 理解から具体的制度へ:患者・当事者の「生の声」を政策に反映させる必要性
  • 次世代に向けた難病・希少疾患啓発活動の必要性
  • 多様な背景を持つ難病・希少疾患患者・当事者への理解の必要性

視点2:患者・当事者の不安を解消できる医療システムの実現

  • 「診断ラグ」の短縮に向けて、薬局・地域・学校・職場といった多様なアクセスポイント拡充の必要性
  • 早期診断・治療の実現に向けた技術革新と医療機関連携の促進の必要性
  • 個別性や長期療養に対応できるライフコースアプローチに基づく制度設計の必要性

視点3 :家族・ケアラーの尊厳が守られる施策の整備

  • 家族・ケアラーの状況を明らかにし、負担軽減と社会参加・自己実現を支援する必要性

視点4:社会参加(教育・就労)機会の確保と充実

  • 難病・希少疾患と共に生きる子どもの多様な学びの環境を保証し、柔軟なシステムを構築する必要性
  • 患者・当事者の経済的自立を支える就労環境の多様な選択肢を整備する必要性
  • 治療と仕事の両立を図りながら中長期的なキャリア構築を実現できる就労環境の必要性

視点5:患者・当事者がイノベーションを享受できる政策環境の実現

  • 社会を支える公的医療保険制度の堅持と負担のあり方の見直しの必要性
  • 患者・当事者が求める新たな診断・治療技術の実現と実装を促進する体制整備の必要性
  • 患者・当事者も「担い手」として共に医学・医療の進歩や政策の進化に参画する必要性

 

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