日本医療政策機構(HGPI: Health and Global Policy Institute)は、非営利、独立、超党派の中立的なシンクタンクであり、日本でそのような組織は珍しい存在であると自負しています。
我々、事務局メンバーのひとりひとりが、なにか特定分野の専門家というよりは、政策提言を実施する分野の、産官学民のマルチステークホルダーに集まってもらう。そして、そこでのディスカッションや対話を通じて、意見を集約し、政策につなげていこうと、活動をしています。
フラットに産官学民が立場を超えて議論を重ね、社会の集合知を紡ぎ出していくことが、日本でも世界でも重要な時代を迎えています。公共的でありながらも個人や家族の課題にもなる、健康・医療政策の分野では、このようなフラットな議論の場が、特に大事だと考えています。そして、そのような集合知を作り出す場は、まだ我が国では少ないのではないか、とも感じています。
また、特定の業界の声や、一部の意見ではなく、マルチステークホルダーが中立的に議論をする場から出た政策提言であるからこそ、政策立案関係者へのインパクトが担保され、これまでも政策変革に成果を出せてきていると考えます。
このような背景や意味合いのもと、以下のような事務局方針で、近年の活動を実施しています―――「エビデンスに基づく市民主体の医療政策を実現すべく、中立的なシンクタンクとして、市民や当事者を含む幅広い国内外のマルチステークホルダーによる議論を喚起し、提言や発信をグローバルに進めていく」。
では、集合知を作っていくうえでの、あるべき意見集約プロセスはなにか。エビデンスに基づく政策立案という際の、特に、ひとの生き方や幸せ、生老病死に深くかかわる健康・医療政策において、エビデンスはそもそもどう定義されるべきなのか。政策立案プロセスや、政策の検証のあり方も含めて、既存の価値や方法論を注意深く再定義していく―――そのような真摯な姿勢を常に持ち、活動をしていきたいと思います。それがあってこそ、多様なアジェンダで、マルチステークホルダーの皆さんに気持ちよく参集いただけるものと思います。
引き続き、事務局メンバーは、熟慮を重ねながらも、社会に必要な政策の選択肢を提示すべく、よりよい人類社会のために活動してまいりたいと思います。どうぞご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。
代表理事・事務局長 乗竹 亮治