【お知らせ】第2回「黒川清賞」受賞者を発表
日付:2026年7月21日
タグ: グローバルヘルス, グローバルヘルス人材, 医療政策サミット
日本医療政策機構は、2026年7月21日に東京で開催されるフラグシップイベント「医療政策サミット2026」において、第2回「黒川清賞」受賞者を発表いたしました。本賞は、アジア太平洋地域における保健医療政策分野の革新を促進することを目的に設立され、未来を担う若手リーダーや団体の顕著な業績を顕彰するものです。
【設立背景】
黒川清賞は、2024年に設立20周年を迎えた日本医療政策機構の新たな取り組みとして誕生しました。2004年の設立以来、当機構は「市民主体の医療政策を実現する」というミッションのもと、独立したシンクタンクとして活動を続けてきました。その立ち上げに深く関わり、代表理事として組織を導いてきたのが黒川です。黒川は、幅広いステークホルダーを結集し、グローバルな視点から医療政策の選択肢を提供する活動を推進してきました。特に、「独立性」「中立性」「実現可能性」という原則に基づくアプローチは、国内外で高く評価されています。この賞は、黒川の理念と活動を象徴するものとして、次世代のリーダーを支援する新たなプラットフォームとなります。
【理念】
黒川清賞は、医療政策の変革を推進する力となる若手リーダーを支援し、アジア太平洋地域から世界へとその影響を広げることを目的としています。本賞は、以下のような特徴を持つ候補者や団体を顕彰します:
-
- 革新性:既存の枠組みにとらわれず、新たなアプローチや解決策を提案した個人や団体
- インパクト:地域社会や国際的な規模で、具体的かつ測定可能な影響を与えた取り組み
- 将来性:持続可能な変化を生み出すビジョンを持つ若手リーダーや団体
本賞の選考過程は、当機構の理念「市民主体の医療政策の実現」に基づき、国籍や分野を問わず、多様な候補者から慎重に選定されました。選考では革新性、地域および国際的な影響力、次世代リーダーとしての模範性が重視されました。
【第2回受賞者】フィオナ・クペ(国家首都圏保健局 コンサルタント小児科医・小児保健部門長)
フィオナ・クペ氏は、パプアニューギニア独立国マヌス州の出身です。現在は首都ポートモレスビーの国家首都圏保健局において、コンサルタント小児科医および小児保健部門長を務めています。パプアニューギニアおよびアジア太平洋地域における保健システムの強化と小児保健サービスの質の向上に尽力する、新進気鋭のリーダーおよびワクチン推進の旗手として知られています。

【受賞にあたってのコメント】
日本医療政策機構(HGPI)の皆様、ご来賓の皆様、関係者の皆様
この度、第2回黒川清賞を受賞できましたことは、私にとって大変光栄なことでございます。
日本医療政策機構の皆様には、この栄誉を賜りましたこと、そして市民中心の医療政策への揺るぎないコミットメントに、心より御礼申し上げます。貴機構が掲げる「独立性、中立性、実現可能性」という指針は、複雑な課題に直面し、実践的でエビデンスに基づいた解決策を必要とするアジア太平洋地域の医療システムにおいて、私たちの多くが拠りどころとしている姿勢でもあります。
この賞は、エビデンスこそが政策の根幹をなさなければならないこと、そして政策は最終的に人々に資するものでなければならないことを、私たちに示してくださった指導者、黒川清先生のお名前を冠しております。その理念のもとで表彰いただけますことは、身の引き締まる思いであると同時に、大きな責任を伴うものと受け止めております。
私はこの賞を、日頃ともに活動する幸運に恵まれている地域社会の皆様、臨床医、政策立案者、そして若きリーダーたちを代表して拝受いたします。データを行動に、政策を子どもたち・家族・そして逼迫した医療システムのより良い成果へと転換しているのは、まさに彼らです。ここで評価いただいた成果は、私一人のものではなく、皆で成し遂げたものです。
日本医療政策機構が主催する「医療政策サミット」は、率直かつ、分野横断的であり、互いを尊重し合う対話という、私たちが必要とする対話のあり方を長年にわたり体現してこられました。前進のためには、市民社会、学術界、政府、そして患者の声が共に手を携えることが不可欠です。今後も、太平洋地域、そして世界規模でこうした架け橋をさらに強めていくことに、一層の決意を持って取り組んでまいります。
次世代のリーダーの皆さんへ。皆さんの発想力、勇気、そして粘り強さこそが、これからの医療政策の未来を形づくっていきます。
日本医療政策機構の選考委員会の皆様に御礼申し上げます。感謝の念と責任感、そして新たな決意を胸に、この賞を謹んで拝受いたします。
そしてこの賞は、私一人のためのものではなく、パプアニューギニアの村々、島々、診療所で働くすべての小児医療従事者に捧げるものです。
誠にありがとうございます。
フィオナ・クペ
パプアニューギニア
【今後の展望】
本賞は、広範な分野から推薦された候補者を対象に、国内外の専門家からなる選考委員会による厳正な評価を経て受賞者を決定しました。選考では革新性と社会的インパクト、候補者の持つ将来性が特に重視されました。黒川清賞を通じて、当機構はアジア太平洋地域における革新的な取り組みを世界に発信し、持続可能な医療政策の実現に向けて新たな議論を促進してまいります。
■フィオナ・クペ(Fiona Kupe):
パプアニューギニア独立国マヌス州出身。パプアニューギニア大学にて小児保健学修士号(Master of Child Health)取得。
現在、首都ポートモレスビーの国家首都圏保健局(National Capital District Provincial Health Authority)にて、コンサルタント小児科医および小児保健部門長を務める。パプアニューギニアおよびアジア太平洋地域における保健システムの強化と小児保健サービスの質の向上に尽力する、新進気鋭のリーダーおよびワクチン推進の旗手として知られる。
人口の約8割を占める農村部・遠隔地域の住民への保健サービス提供を目指し、定期的かつ持続的な保健アウトリーチ事業の再構築に注力。過去10年にわたり50%未満で停滞する予防接種率の改善を最終目標に掲げ、その実現に向けてあらゆるレベルでの国内投資の拡大を強く提唱している。
現在、ポリオ根絶国家認証委員会委員長、麻疹・風疹排除国家検証委員会委員長、国家予防接種技術諮問グループ(NITAG)委員、国家小児保健諮問委員会委員、リプロダクティブ・母子・新生児・小児・思春期保健委員会委員などを兼任。政策・実践・人材育成を通じて、パプアニューギニアのすべての子どもが取り残されない社会の実現に取り組む。
第3回(2026年度)公募を開始しました
皆さまからのご応募を心よりお待ちしております。
調査・提言ランキング
- 【政策提言】ワンヘルス時代を支える獣医学分野の疫学教育の在り方(2026年6月19日)
- 【政策提言】「研究開発への患者・市民参画(PPI)の実効性ある推進に向けて―疾患横断・省庁横断の体制整備に期待する―」(2026年6月30日)
- 【政策提言】共同声明「地球と人の健康を同時に守る~気候危機を健康・経済・成長の『機会』に変える日本型プラネタリーヘルス戦略~」(2026年6月24日)
- 【政策提言】薬剤耐性(AMR)対策の更なる推進に向けて(2026年7月15日)
- 【調査報告】2025年 日本の医療に関する世論調査(2025年3月17日)
- 【調査報告】CKD 診療における診療科間連携の実態と課題把握のためのヒアリング調査(2026年6月30日)
- 【調査報告】医療機関の省エネ・温室効果ガス排出削減事例集― 施設更新(新築・建て替え)に伴う実践事例 ―(2026年3月16日)
- 【政策提言】認知症プロジェクト「認知症の人をケアする家族等を取り巻く認知症施策のこれから」(2026年4月27日)
- 【開催報告・論点整理】AI診断支援プロジェクト 専門家会合「AIによる診断支援時代を見据えた産官学民のそれぞれの役割」(2026年5月25日)
- 【調査報告】「働く女性の健康増進に関する調査2018(最終報告)」



