【募集開始】プラネタリーヘルスアカデミー第2期(2026年9月開講)
日付:2026年7月22日
タグ: プラネタリーヘルス
この度、日本医療政策機構とプラネタリーヘルスアライアンス日本ハブの共催による「プラネタリーヘルスアカデミー第2期」の開催が決定し、受講生の募集を開始しました。
■募集締切:2026年8月31日(月)23:59
■プログラム期間:2026年9月25日(金)〜12月16日(水)
人類の活動はこれまでになく急速に地球の自然システムに影響を及ぼしており、その結果として私たちの健康にも深刻な変化が生じています。これらの課題に対処するために、「プラネタリーヘルス」という概念が注目を集めています。プラネタリーヘルスは、環境変化が人間の健康に与える影響を理解し、持続可能な未来を築くための学際的なアプローチです。特に、気候変動、生物多様性の喪失、大気・水・土壌汚染、食料・水資源の不足など、地球規模で進行する環境の変化は、公衆衛生の基盤を脅かし、将来世代に多大な影響を及ぼすことが懸念されています。
プラネタリーヘルスの根底にある考え方は、日本にとって決して新しいものではありません。この言葉が生まれるはるか以前から、人と自然を切り離されたものとしてではなく、本質的に結びついたものとして捉える感覚が、人々の暮らしのなかに息づいてきました。農業と生物多様性が互いを支え合う手入れされた景観である里山や、地域社会と海洋生態系がともに豊かであり続けるよう管理されてきた沿岸の海である里海といった営みは、その表れといえます。人の健やかさと自然界の健全性との間に明確な線を引かないこうした感性は、今日のプラネタリーヘルスが目指すものと深く通じ合っています。
近年の国際的な動向は、その重要性を一層明確にしています。2025年7月、国際司法裁判所(ICJ: International Court of Justice)は、気候の保護が国際法上の義務であり、気候変動の悪影響が生命や健康を含む人権の享受を損ないうることを認めました。また、国際的な気候政策においても、健康は第28回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP28)での宣言以降、継続的な議題となってきました。2025年のCOP30では「ベレン保健行動計画(Belém Health Action Plan)」が立ち上げられ、2026年にトルコ・アンタルヤで開催されるCOP31でも、気候変動に強靭な保健医療システムが優先課題の一つに掲げられる見込みです。気候と健康をめぐる議論が一層の高まりを見せるなか、プラネタリーヘルスの視点と、それを実践へと展開していく人材の双方が、これまで以上に求められています。
プラネタリーヘルスアカデミーは、日本医療政策機構(HGPI: Health and Global Policy Institute)とプラネタリーヘルスアライアンス日本ハブ(PHA-J: Planetary Health Alliance Japan Hub)が2025年に開講した教育プログラムです。HGPIの医療政策における知見を軸に据え、健康と環境がいかに結びついているかについての理解と社会的な認識を深めることを目的としています。第1期には、医療、公衆衛生、民間企業、学術機関、市民社会など多様な背景を持つ約40名が参加し、双方向型の学びを通じて知見とネットワークを築くとともに、国内外におけるプラネタリーヘルスに関する議論を前進させるための基盤づくりに取り組みました。第2期となる今回は、2027年に東京で開催予定のプラネタリーヘルス国際会議2027(PHAM 2027: Planetary Health Annual Meeting 2027)を見据え、機運の醸成と今後の連携に向けたネットワークの構築を目指します。
■ 共催
- 日本医療政策機構(HGPI)
- プラネタリーヘルスアライアンス日本ハブ
※参加申込の際に、いくつかの記述式の質問をご用意しております。
ご回答いただいた内容は、主催団体および講師と共有し、アカデミーに対する皆さまのご期待や学びたいことを把握するために活用させていただきます。
■ 開催形式
| 日付(2026年) | テーマ | 講師(敬称略) | |
|---|---|---|---|
| 1 | 2026年9月25日(金) 18:30-20:00 |
プラネタリーヘルスについて | 菅原 丈二(日本医療政策機構 副事務局長) 渡辺 知保(長崎大学大学院 熱帯医学・グローバルヘルス研究科 特命教授/プラネタリーヘルスアライアンス日本ハブ 代表理事) |
| 2 | 2026年10月7日(水) 18:30-20:00 |
気候変動と健康について | 橋爪 真弘(東京大学大学院医学系研究科 国際保健政策学 教授/長崎大学大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科 教授・研究科長) |
| 3 | 2026年10月21日(水) 18:30-20:00 |
環境汚染と健康について | アイツバマイ ゆふ(北海道大学 環境健康科学研究教育センター/WHO研究協力センター 特任准教授) |
| 4 | 2026年11月4日(水) 18:30-20:00 |
生物多様性と健康について | 曽我 昌史(東京大学大学院農学生命科学研究科 准教授) |
| 5 | 2026年11月18日(水) 18:30-20:00 |
プラネタリーヘルスの実践(1):グローバルWASHと共創 | 山内 太郎(北海道大学 大学院保健科学研究院 教授) |
| 6 | 2026年12月2日(水) 18:30-20:00 |
プラネタリーヘルスの実践(2):まちづくり・都市・地域 | 中村 桂子(東京科学大学 名誉教授/健康都市推進会議 理事長) |
| 7 | 2026年12月16日(水) 18:30-20:00 |
プラネタリーヘルスの実践(3):診療・生活・消費行動 | 横田 啓(岡山協立病院救急部長・総合診療科/一般社団法人みどりのドクターズ 理事) |
■ 講義スケジュール
- 期間:2026年9月25日(金)〜12月16日(水) 全7回(隔週)
- 時間:各回 18:30-20:00(90分)
- 形式:オンライン(Zoomミーティング)
- 言語:日本語
- 受講料:45,000円
- 定員:30名
- 募集締切:2026年8月31日(月)23:59
- 受講料納入締切:2026年9月14日(月)
■ こんな方におすすめ
プラネタリーヘルスに関心があり、全7回・約3か月のプログラムに継続して参加できる方。医療・公衆衛生・民間企業・学術・市民社会など、分野は問いません。
■ 参加特典
- 各講義の詳細な内容サマリーの提供
- セッションの録画アーカイブへの1年間のアクセス権
- HGPI・PHA-Jからの修了証の発行(要件あり/下記参照)
- 今後のHGPIプラネタリーヘルス関連の取り組みや共同活動への参加機会
- 多様な分野の参加者との交流を通じた、専門的ネットワークの拡大と新たなつながりの構築
■ 参加にあたって
本アカデミーは、受講して終わりではなく、継続的な参加と課題への取り組みを前提としています。以下は修了証の発行要件でもあります。お申し込みの前に、以下に取り組めることをご確認ください。
- 全7回への出席(出席率70%以上)
- 各回後の小クイズ(各回から1週間以内に回答/全7回の合計点で70%以上)
- 他受講生とのグループワークの成果発表・提出
上記3点をすべて満たした方に、HGPI・PHA-Jから修了証を発行します。
■ 講師プロフィール

渡辺 知保(長崎大学大学院 熱帯医学・グローバルヘルス研究科 特命教授/プラネタリーヘルスアライアンス日本ハブ 代表理事)
1989年に東京大学大学院医学系研究科単位取得済退学。2005年に東京大学大学院医学系研究科人類生態学教授に就任。2017年に国立研究開発法人国立環境研究所の理事長に就任。2021-2022年には長崎大学 熱帯医学・グローバルヘルス研究科 教授 兼 学長特別補佐(プラネタリーヘルス)、2022-2023年はプラネタリーヘルス学環長(初代)および熱帯医学・グローバルヘルス研究科教授を務める。東京大学名誉教授、保健学博士。日本健康学会で2017年より2022年理事長、2021年より2023年環境科学会会長を務める。また、日本学術会議の第2部連携会員、Society for Human Ecology元第3副会長、Ecological Society of Americaヒューマンエコロジー部門元部会長、プラネタリーヘルス・アライアンス(PHA: Planetary Health Alliance)運営委員および一般社団法人プラネタリーヘルスアライアンス日本ハブ代表理事。

橋爪 真弘(東京大学 大学院医学系研究科 国際保健政策学 教授/ 長崎大学大学院 熱帯医学・グローバルヘルス研究科 教授・研究科長)
英国ロンドン大学衛生熱帯医学大学院(LSHTM: London School of Hygiene and Tropical Medicine)博士課程修了、2012年長崎大学熱帯医学研究所教授、2019年東京大学大学院医学系研究科教授、2025年から長崎大学大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科教授を兼任。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書主執筆者、世界保健機関技術諮問委員会委員(Global Air Pollution and Health, Climate Change and Environment)、中央環境審議会気候変動影響評価等小委員会委員、環境省「気候変動の影響に関する分野別WG(健康分野)」座長などを歴任。

アイツバマイ ゆふ(北海道大学 環境健康科学研究教育センター/WHO 研究協力センター 特任准教授)
2002年北海道薬科大学薬学科卒業、同年に薬剤師国家資格を取得。2014年北海道大学大学院医学研究科公衆衛生学分野博士課程修了。北海道大学環境健康科学研究教育センター学術研究員、特任助教、特任講師を経て、2023年より北海道大学環境と健康科学研究教育センター(CEHS)および世界保健機関(WHO)環境保健と化学物質危害予防協力センターに所属する特任准教授である。博士の研究は、環境中の化学物質への曝露が人の健康、とりわけ子どもをはじめとする脆弱な集団に与える影響の解明に焦点を当てている。主な研究プロジェクトには、環境と子どもの健康に関する北海道スタディや、環境省が主導する子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)がある。

曽我 昌史(東京大学大学院農学生命科学研究科 准教授)
2010年に東京農工大学農学部を卒業。2012年に同大学大学院農学府修士課程を修了、2015年に北海道大学大学院農学研究院で博士(農学)を取得。学位取得後、日本学術振興会特別研究員、東京大学大学院農学生命科学研究科助教を経て、2019年11月より現職。専門は生態学だが、その他に環境心理学や都市計画学、公衆衛生学にも精通し、人と自然の相互作用に関する学際的な研究に従事。特に最近は、都市における自然とのかかわりが都市住民の健康・ウェルビーイングおよび生態系保全意識・行動に及ぼす影響の評価と社会実装に向けた研究に力を入れている。主な著作に、『都市生態系の歴史と未来』(朝倉書店、2020年)がある。

山内 太郎(北海道大学 大学院保健科学研究院 教授)
1993年に東京大学医学部保健学科を卒業。同大学大学院医学系研究科国際保健学専攻修士課程に進学し、1998年に博士課程修了。オーストラリア国立大学太平洋アジア研究学院・研究員を経て、東京大学大学院医学系研究科にて助手を務める。2007年より北海道大学大学院保健科学研究院に異動し、2013年より現職(教授)。2018年5月から2022年3月まで総合地球環境学研究所・教授およびプロジェクト・リーダーを兼務(クロスアポイントメント)。2022年4月より北海道大学環境健康科学研究教育センター・センター長(兼務)。2024年4月から2026年3月まで北海道大学総長補佐(兼務)。2024年12月より戸田国際財団・理事長(兼務)。2026年4月より北海道大学総合博物館・館長(兼務)。

中村 桂子(東京科学大学 名誉教授/健康都市推進会議 理事長)
東京医科歯科大学医学部卒業。2016~2025年、東京医科歯科大学医歯学総合研究科国際保健医療事業開発学分野教授を務める。2025年4月より東京科学大学名誉教授。2013~2017年:環境科学会理事、2014年~:特定非営利活動法人健康都市推進会議理事長、2016~2024年:WHO健康都市・都市政策研究協力センター所長、2017~2025年:日本公衆衛生学会理事、2023年~:日本学術会議環境リスク分科会委員長、2023年~:プラネタリーヘルスアライアンス日本ハブ運営委員。研究テーマは、都市環境と健康、ヘルスプロモーション、プラネタリーヘルス。

横田 啓(岡山協立病院救急部長・総合診療科/一般社団法人みどりのドクターズ 理事)
2008年、自治医科大学を卒業。山口県・神奈川県でプライマリ・ケアに従事。2016年より山口県立総合医療センターで、へき地医療支援、総合診療医の育成に関わった。2022年より一般社団法人「みどりのドクターズ」に参加。2023年より岡山協立病院総合診療科に勤務。医療機関カーボンフットプリント計算ツールClimate Impact Checkup Toolを翻訳し、日本国内での普及に取り組んでいる。
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