活動報告 調査・提言

【政策提言】薬剤耐性(AMR)対策の更なる推進に向けて(2026年7月15日)

【政策提言】薬剤耐性(AMR)対策の更なる推進に向けて(2026年7月15日)

AMRアライアンス・ジャパン(事務局:日本医療政策機構)は「薬剤耐性(AMR)対策の更なる推進に向けて」と題した提言を公表しました。今回の提言では、「経済財政運営と改革の基本方針2026」(骨太の方針2026)をはじめとする、今後の薬剤耐性(AMR: Antimicrobial Resistance)対策に関わる議論において、AMR対策の重要性が継続的に位置づけられ、実効性のある取り組みが着実に推進されるよう、以下の通り提言します。

  1. AMR対応医薬品の成長戦略の重点分野としての位置づけと安全保障上の意義を確立する
  2. 国際潮流との調和を踏まえて国内の体制整備を強化する
  3. 市民の理解を基盤としてAMR対策を推進する


AMRは、人・動物・食品・環境にまたがる複合的な課題であり、国民の健康・生命を守る基盤であると同時に、経済安全保障・健康安全保障にも直結します。とりわけ抗菌薬は、使用量を抑制すべきという特有の性質上、販売量の拡大が見込みにくく、研究開発投資が滞りやすく、生産体制の強化は経済安全保障の観点から優先課題です。

2026年5月の世界保健総会でGAP-AMR2026–2036が採択され、ワンヘルス・アプローチや予防重視の方針が一層強化されました。日本でも次期AMR対策アクションプランの策定に向けた議論が本格化することが期待される中、こうした国際潮流を踏まえた疫学サーベイランス体制の拡充や、抗菌薬確保に向けた市場インセンティブの見直し、診断技術の整備など、実効性のある体制整備が求められます。

また、AMR対策は行政や医療現場のみで完結せず、抗菌薬の適正使用など市民一人ひとりの理解と行動が欠かせません。対策を支える投資は公的財源によって成り立っており、その意義について国民の理解に基づいた取り組みが不可欠です。

骨太の方針では、2016年以降毎年AMR対策に関する文言が継続して盛り込まれ、産官学民が一体となって対策を支えてきました。それから10年が経過し、社会環境の変化とともにAMR対策の重要性は増しています。薬剤耐性を含む感染症対策は、自国あるいは特定の領域のみでは完結しません。これまでの成果と連帯を基盤に、施策の実効性を一段と高め、広く市民の理解を得ながら対策を加速していくことが求められます。

調査・提言一覧に戻る
PageTop