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【開催報告】プラネタリーヘルスアカデミー対面イベント「プラネタリーヘルス:地球の限界から次なる行動へ」(2026年2月27日)

【開催報告】プラネタリーヘルスアカデミー対面イベント「プラネタリーヘルス:地球の限界から次なる行動へ」(2026年2月27日)

日本医療政策機構(HGPI: Health and Global Policy Institute)は、プラネタリーヘルスアライアンス日本ハブ(PHA-J: Planetary Health Alliance Japan Hub)とともに、2026年2月27日(金)に「プラネタリーヘルス:地球の限界から次なる行動へ」を開催しました。本イベントは、HGPIとPHA-Jが2025年にオンラインで開講したプラネタリーヘルスアカデミーの受講生が対面で一堂に会する機会として実施しました。これまでオンラインで学びを深めてきた受講生同士の交流を促すとともに、プラネタリーヘルスに関する新刊の著者である國井修氏による特別講演を通じて、その理念や実践への理解を深めました。当日は、多様な背景の参加者が一堂に会し、講演や参加者同士の対話を通じて新たな視点が共有され、会場は活発な議論と交流に包まれました。

■開会挨拶・趣旨説明

中村桂子氏(東京科学大学 名誉教授/プラネタリーヘルスアライアンス日本ハブ 運営委員)より開会挨拶が行われました。中村氏より本イベントの主な目的として、以下の3点が提示されました。

  • 社会への波及:一般市民を含む社会全体へプラネタリーヘルスの現状とアクションを広く普及させること
  • 実践の共有と深化:オンラインで学んできた受講生や講師が対面で交流し、現場での知見を共有すること
  • PHAM2027への機運醸成:2027年に東京で開催が決定している「プラネタリーヘルス国際会議(PHAM2027: Planetary Health Alliance Annual Meeting)」を見据え、日本発の共同プロジェクトの萌芽を模索すること


■特別講演「地球の限界を超えて:プラネタリーヘルスが人類に及ぼす影響と、私たちにできること」

國井氏は、国際保健の現場や人道支援活動の経験を踏まえ、地球環境の変化が人類の健康に及ぼす影響について講演を行いました。講演では、気候変動、生物多様性の喪失、環境汚染などの環境変化が健康課題と密接に関連していることが紹介され、地球環境と人間の健康を統合的に捉える「プラネタリーヘルス」の視点の重要性が示されました。また、地球が持続可能に機能する限界を示す「プラネタリー・バウンダリー」の概念にも触れ、環境問題に加えて社会格差や経済モデルなど複合的な課題として捉える必要性が指摘されました。

今後の方向性として、科学的知見の蓄積と政策への反映の重要性が示されるとともに、循環型経済への転換や社会全体の価値観の変化など、持続可能な社会への移行に向けた方向性が提示されました。講演の最後には、それぞれの立場から具体的な行動を検討していくことの重要性が強調されました。


■パネルディスカッション「日本におけるPLHの実装と萌芽」

パネルディスカッションでは、プラネタリーヘルスアカデミー修了生も交え、日本におけるプラネタリーヘルスの社会実装に向けた課題と可能性について多角的な議論が行われました。冒頭では、各パネリストからそれぞれの分野におけるプラネタリーヘルスの取り組みが紹介され、今後の展開への期待が示されました。議論の中では、プラネタリーヘルスの概念を社会に広げていくためには、個人の専門性や関心領域と結びつけて理解する「自分ごと化」が重要であるとの指摘がありました。また、制度的な政策アプローチと個人の行動変容の双方が社会変革に不可欠であるとの認識が共有されました。

さらに、2027年に東京で開催予定のプラネタリーヘルス総会(PHAM 2027)を契機として、企業、市民社会、教育機関など多様な主体が参画する共創の場を広げていく必要性が示されました。

本イベントを通じて、プラネタリーヘルスの理念を多様な分野の実践と結びつけ、今後の協働的な取り組みにつなげていく重要性が改めて確認されました。イベント終了後には、登壇者および参加者によるネットワーキング・交流会も行われ、プラネタリーヘルスに関わる実践者や関心を持つ参加者同士の交流が深まりました。こうしたつながりを通じて、今後の具体的な連携や新たな取り組みへと発展していくことが期待されます。

当機構は、本イベントで示された知見や議論を踏まえ、今後も多様なステークホルダーとの協働を通じて、プラネタリーヘルスの理念の普及と実践の推進、そして多様なステークホルダーによる対話の場づくりを進めてまいります。

 

【開催概要】

  • 日時:2026年02月27日(金)18:30-20:45
  • 会場:グローバルビジネスハブ東京(東京都千代田区大手町1-9-2大手町フィナンシャルシティグランキューブ3階)
  • 形式:対面
  • 言語:日本語
  • 参加費:有料(プラネタリーヘルス受講者は無料)
  • 主催:日本医療政策機構、プラネタリーヘルスアライアンス日本ハブ

 

【プログラム】(敬称略)

18:30 – 18:40 開会挨拶・趣旨説明

中村 桂子(東京科学大学 名誉教授/プラネタリーヘルスアライアンス日本ハブ 運営委員)

18:40 – 19:20 特別講演「地球の限界を超えて:プラネタリーヘルスが人類に及ぼす影響と、私たちにできること」

國井 修(公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金 CEO/専務理事)

19:20 – 20:00 パネルディスカッション「PHAM2027を目指して紡いでいく日本におけるPLHの萌芽」

モデレーター
國井 修(公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金 CEO/専務理事)

パネリスト
五十嵐 圭日子(東京大学プラネタリーヘルス研究機構 機構長/東京大学 大学院農学生命科学研究科 生物材料科学専攻 バイオマス科学講座 教授)
中村 桂子(東京科学大学 名誉教授/長崎大学大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科 教授・研究科長/プラネタリーヘルスアライアンス日本ハブ 運営委員)
橋爪 真弘(東京大学 大学院医学系研究科 国際保健政策学 教授/プラネタリーヘルスアライアンス日本ハブ 運営委員)
プラネタリーヘルスアカデミー受講生代表

20:00 – 20:45 ネットワーキング・交流会

 

■プラネタリーヘルスアカデミー(PLHアカデミー)

プラネタリーヘルスアカデミーは、日本医療政策機構(HGPI)とプラネタリーヘルスアライアンス日本ハブが2025年に開講した教育プログラムであり、健康と環境の相互関係に対する理解と社会的認識の向上を目的としています。全6回の講義では、プラネタリーヘルスの基礎概念を出発点に、人間活動が地球環境へ与える影響や、気候変動・環境曝露などが健康に及ぼす具体的な経路について体系的に学びました。さらに、持続可能な都市設計、生物多様性の保全、ヘルスケアシステムの変革といった多層的な解決策をテーマに、分野横断的な視点から議論を展開しました。医療、公衆衛生、民間企業、学術機関、市民社会など多様な背景を持つ約40名の参加者が集い、双方向型の学びを通じて知見とネットワークを形成し、日本および国際社会におけるプラネタリーヘルス推進の基盤構築を目指す実践的なプログラムとして実施されました。

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