【申込受付中】キックオフ・パネルディスカッション「日本とアフリカから世界へ、共に醸成する哲学対話」(2026年6月15日)
日本医療政策機構では、グローバルヘルスにおける精神性を問い直し、政策・ビジネス・国際関係に翻訳可能な対話の場の創出を目指して、キックオフ・パネルディスカッション「日本とアフリカから世界へ、共に醸成する哲学対話」を2026年6月15日に実施いたします。
現在、グローバルヘルスは構造的な転換点を迎えています。米国国際開発庁(USAID: United States Agency for International Development)をはじめとする伝統的ドナーの後退、援助から投資へのパラダイム転換、そしてアフリカ自身の主体性の高まりと新しい開発金融の要請——これらの変化は、資金や政策の枠組みにとどまらず、人間とは何か、健康とは何か、共同体とは何か、開発とは誰にとってのものかという、人間観・関係観に対する根本的な問いを私たちに突きつけています。
グローバルヘルスの現場では、技術や資金だけでは動かない事象が繰り返し観察されてきました。ワクチンの普及はコミュニティの信頼によって規定され、緩和ケアや終末期医療ケアの質は家族・地域・宗教者の関わりによって左右されます。どのような領域においても、医療システムの設計だけでなく、人々が「なぜ医療を受けるのか」「病や死をどう意味づけるのか」「共同体として健康にどう向き合うのか」に対する価値観や信仰、文化的文脈が、常に決定的な役割を果たしています。すなわち、哲学・信仰・倫理が担ってきた問いが、グローバルヘルスの根底に横たわっているのです。
近代医療・公衆衛生は、専門分化を通じて感染症の制圧や寿命の延伸など目覚ましい成果を積み上げてきました。しかし、その過程で、哲学・信仰・倫理といった隣接領域との対話の場が限られてきたことも事実です。グローバルヘルスのパラダイムが転換するいま、「人間が他者の生老病死にどう関わるか」という精神的・倫理的な次元の問いが、グローバルヘルス政策の最前線に改めて浮上しています。
こうした問いに向き合ううえで、日本とアフリカは共通の知的基盤を有しています。日本の縁起・自他非分離の思想と、「私は、あなたがいるから私である(I am because we are)」というアフリカのUbuntu思想は、ともに人間を孤立した個ではなく、他者との関係性のなかに存在する存在として捉える哲学的伝統です。この両者は別個に発展してきたものの、生老病死を共同体的・関係的な営みとして捉える点で深く共鳴します。近代医療の専門分化のなかでこれまで必ずしも十分に参照されてこなかったこの視座が、いまグローバルヘルスに求められている問いに応えうる知的基盤として、その重要性を増しています。
本イベントは、この共鳴を起点として、医療政策、開発金融、医療人類学、哲学、信仰倫理など、異なる専門領域を超えた知の担い手が一堂に会し、「日本とアフリカは、近代医療・開発の枠を超えて、生老病死をどう共に語れるか」という問いを深めます。本イベントを皮切りに、産官学民のマルチステークホルダーとともに議論を重ね、2028年開催予定のアフリカ開発会議(TICAD: Tokyo International Conference on African Development)に向けた発信を目指します。
※先着順。定員に達した場合は、参加登録フォームがクローズいたします。
【開催概要】
- 日時:2026年6月15日(月)13:00-15:00(12:30 開場)
- 形式:対面(オンライン配信なし)
- 会場:国際文化会館 樺山ホール (東京都港区六本木5丁目11−16)
- 言語:日本語・英語(同時通訳あり)
- 参加費:無料
- 定員:対面80名(先着)
- 主催:日本医療政策機構(HGPI)
- 登壇者:(敬称略、順不同、順次追加予定)
Adrian Lovett(The ONE Campaign英国・中東・アジア太平洋地域 エグゼクティブ・ディレクター)
渋澤 健(シブサワ・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役/中東・アフリカ委員会筆頭委員長)
松本 紹圭(僧侶/武蔵野大学ウェルビーイング学部 教授)
乗竹 亮治(日本医療政策機構 代表理事・事務局長/Human Activity Research Laboratory 共同創業者)
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