【パブリックコメント提出】「2040年に向けた訪問看護のビジョン(案)」(2025年5月2日)
日付:2025年6月24日
タグ: プラネタリーヘルス
日本医療政策機構(HGPI: Health and Global Policy Institute)は、訪問看護推進連携会議が公表した「2040年に向けた訪問看護のビジョン(案)」に対して、パブリックコメントを提出しました。
本ビジョンは、地域包括ケアの深化と訪問看護の役割拡大に向けた中長期的な方向性を明確に示しており、当機構としてもその基本的な理念に深く共感しています。一方で、2040年に向けては、人口動態や疾病構造の変化に加え、気候変動に伴う熱波や豪雨などの極端気象が人々の健康に及ぼす影響への対応も重要な課題となります。
訪問看護は、在宅で暮らす人々のいのち・暮らし・尊厳を支える最前線にあり、今後は「環境と健康」の視点を統合し、気候変動の緩和と健康リスクへの事前的対処を進めることが不可欠です。公益社団法人日本看護協会が「看護の将来ビジョン2040」で示すように、気候変動による環境変化が健康に与える影響は地球規模で進行しており、新興感染症や気象災害への盤石な危機管理体制の構築が求められています。
当機構からは、以下の視点を提案しました。
- 気候変動に伴う健康リスクの多様化を踏まえ、熱波や災害といった環境変化に対応できる訪問看護師の育成が急務であること
- 看護教育・研修の中に「環境と健康」や「プラネタリーヘルス」に関する知識を組み込み、実践力の強化を図るべきであること
これらの視点は、日本看護協会の「看護の将来ビジョン2040」が強調する、看護職が気候変動の緩和と健康保護に貢献する役割とも一致しており、2024年度に改訂された「看護学教育モデル・コア・カリキュラム」にも位置づけられています。
当機構では今後も、気候変動と健康をはじめとしたプラネタリーヘルスの接点に立つ医療人材の育成と制度整備に貢献すべく、政策提言および関係団体との連携を進めてまいります。
※本件に関するパブリックコメントの募集はすでに終了しています。なお、ビジョン案のPDFは引き続き参照可能です。
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