【政策提言】G7広島サミットおよび関係閣僚会合に向けて~国際社会と歩調を合わせた気候変動・プラネタリーヘルス対策の推進~(2022年12月19日)
日本医療政策機構 プラネタリーヘルス政策チームは、要望書「G7広島サミットおよび関係閣僚会合に向けて~国際社会と歩調を合わせた気候変動・プラネタリーヘルス対策の推進~」を公表しました。
近年、環境と健康に関する議論が大きく取り上げられるようになってきています。2022年11月にエジプトのシャルム・エル・シェイクで開催された国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)では、世界保健機関(WHO: World Health Organization)が主催するサイドイベントが開催され、世界の保健医療に関わる団体から「COP27に向けたヘルスコミュニティからの提言」が発表されるなど、環境と健康というテーマで様々な活動が行われました。そして、COP27の合意文書の中には、「クリーンで健康的かつ持続可能な環境に対する権利」という記載が追加されるなど、気候と健康に関する課題提議に一定の成果が見られました。
2021年に開催されたCOP26では、「COP26ヘルスプログラム(COP26 Health Programme)」が立ち上げられ、現在(2022年12月12日)までに62カ国がコミットメントがなされており、先進国首脳会議(G7)参加国からは、カナダ、ドイツ、イギリス、アメリカの4カ国がコミットメントをしています。また、COP26ヘルスプログラムで掲げられた目標の実現に向けた具体的な行動に移行するために、2022年に「気候変動と健康に関する変革的行動のためのアライアンス(ATACH: The Alliance for Transformative Action on Climate Change and Health)」へと発展しました。
2022年11月に公表した提言「G7広島サミットに向けて~国際社会と歩調を合わせたプラネタリーヘルス対策の推進~」に続き、日本医療政策機構 プラネタリーヘルス政策チームはG7広島サミットに向けて要望書を公表いたしました。要望書には以下二つの要望を求めています。
- 要望1:日本政府は、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの文脈において、気候変動に強靭で持続可能かつ気候変動に対して中立な保健医療システムの構築について議論すること
- 要望2:日本政府は、「気候変動と健康に関する変革的行動のためのアライアンス(ATACH: The Alliance for Transformative Action on Climate Change and Health)」に参加していないフランス、イタリアの両政府と共にこれにコミットメントし、国内外の取組を推進すること
G7広島サミットは2023年5月19日~21日、G7長崎保健大臣会合は5月13日~14日、そしてG7札幌気候・エネルギー・環境大臣会合は4月15日~16日の日程で開催が予定されています。G7広島サミットおよび関係閣僚会合においても、気候と健康に関連する議論が引き続き重要議題として取り上げられ、気候変動に強く、持続可能で、気候変動に中立な保健医療システムについて議論されることが求められます。
要望書全文は下部PDFをご覧ください。
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