【開催報告】プラネタリーヘルスプロジェクト「プラネタリーヘルス~持続可能な地球環境を確立するために~」第4回アドバイザリーボード会合(2025年1月30日)
日付:2025年2月18日
タグ: プラネタリーヘルス

日本医療政策機構は、プラネタリーヘルスプロジェクト2024年度第4回アドバイザリーボード会合を2025年1月30日に開催いたしました。
当機構では、プラネタリーヘルスに関する議論を前進させ、人と地球環境の健康に資することを目的に、2022年度にプラネタリーヘルスプロジェクトを立ち上げ、アドバイザリーボードによる議論を進めてきました。
現在、気候変動をはじめ、生物多様性の喪失、環境汚染など多くのプラネタリーヘルスに関する地球規模課題が存在しており、喫緊の対策が必要とされています。日本においても、「持続可能な開発目標(SDGs)実施指針」(2023年12月19日改定)や、第六次環境基本計画(2024年5月21日閣議決定)にプラネタリーヘルスの視点が盛り込まれるなどプラネタリーヘルスに関する注目は高まっています。また2024年6月21日閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2024」(骨太方針2024)および、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2024年改訂版」には気候変動に強靱かつ低炭素で持続可能な保健医療システムの構築を目指した、気候変動と健康に関する変革的行動のためのアライアンス(ATACH: Alliance for Transformative Action on Climate and Health)の取組の促進なども明文化され、この課題を解決していくための具体的な取組みが今後期待されます。自然災害が多く、少子高齢化社会を迎えている日本においても独自の課題をマルチステークホルダーで設定し理解を広めていくことが、今後の議論を深め、課題を解決する上で必要です。
アドバイザリーボードなどで提案された以下の内容について取り組んでおります。
- 【政策提言】持続可能な社会のための気候と健康の融合:国が決定する貢献(NDC)にプラネタリーヘルスの視点を(2024年12月9日)
- 【政策提言】環境と医療の融合で実現する持続可能な健康長寿社会~プラネタリーヘルスの視点を取り入れた第3期健康・医療戦略への提言~(2024年12月20日)
- 【開催報告】第129回HGPIセミナー「エコチル調査からみた地球環境と人の健康の関連と今後の期待」(2024年12月23日)
- 【開催報告】プラネタリーヘルス専門家会合 未来の医療を築く:GGHHとともに考える持続可能で強靭なヘルスシステムのビジョン(2024年11月5日)
- 【パブリックコメント提出】「地球温暖化対策計画(案)」 (2025年2月3日)
- 【パブリックコメント提出】「第7次エネルギー基本計画(案)」 (2025年2月5日)
2024年度第4回会合では、野澤昌史氏(日本政策投資銀行 企業金融第6部 課長)をお招きし、医療機能の高度化、環境配慮・防災および事業継続対策に注力する病院を支援する環境格付融資に関する取組み等を共有いただき、分野を跨いだ議論を行いました。また、事務局からは第3回会合から第4回会合までの間に実施した取組みを共有し、今後の活動の方向性について、全体で議論を行いました。
<第4回アドバイザリーボード会合の様子>
■第4回アドバイザリーボード会合
17:00-17:05 | 趣旨説明 |
17:05-17:15 | 事務局からの共有 専門家会合・分野横断対話交流イベントについて |
17:15-17:30 | 活動内容のご発表 野澤 昌史(日本政策投資銀行 企業金融第 6 部 室長) |
17:30-17:50 | 全体討論 |
17:50-18:55 | 今後の活動についての相談・全体討論 |
18:55-19:00 | 今後のスケジュール・その他 |
アドバイザリーボードメンバー(敬称略・五十音順)
【産】
有馬 覚(第一三共株式会社 サステナビリティ部 企画グループ)
西場 洋介(ノボ ノルディスク ファーマ株式会社 医療政策・渉外本部 パブリックアフェアーズ&サステナビリティ部)
光武 裕(アストラゼネカ株式会社 ジャパンサステナビリティディレクター)
【官】
井上 肇 (厚生労働省 大臣官房 国際保健福祉交渉官)
前田 光哉(環境省 大臣官房 環境保健部長)
永田 翔(環境省 大臣官房環境保健部 企画課 熱中症対策室 室長)
【学】
鹿嶋 小緒里(広島大学 IDEC 国際連携機構 プラネタリーヘルスイノベーションサイエンス(PHIS)センター長/広島大学大学院 先進理工系科学研究科 環境保健科学研究室 准教授)
近藤 尚己(京都大学 大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 社会疫学分野 主任教授)
鈴木 定彦 (北海道大学 ディスティングイッシュトプロフェッサー/北海道大学 人獣共通感染症国際共同研究所 バイオリソース部門 教授/北海道大学 ワクチン研究開発拠点 研究支援部門長・教授/獣医学研究院 先端創薬分野 教授)
中村 桂子(東京科学大学 大学院医歯学総合研究科 国際保健医療事業開発学分野 教授)
南齋 規介(国立研究開発法人国立環境研究所 資源循環領域 領域長)
橋爪 真弘(東京大学大学院 医学系研究科 国際保健政策学 教授)
夫馬 賢治(信州大学 グリーン社会協創機構 特任教授 /株式会社ニューラル CEO)
山野 博哉(国立環境研究所 生物多様性領域上級主席研究員/東京大学 理学系研究科 地球惑星科学専攻 地球惑星物理学科 地球惑星環境学科 教授)
山本 尚子(国際医療福祉大学 大学院 教授/国際医療協力 センター長)
渡辺 知保(長崎大学 熱帯医学・グローバルヘルス研究科 教授 兼 学長特別補佐(プラネタリーヘルス))
【民】
工藤 泰子(京都気候変動適応センター研究協力者)
菅原 聡(一般社団法人Green innovation 代表理事)
中野 夕香里(公益社団法人 日本看護協会 常任理事)
原口 真(MS&ADインターリスク総研 上席フェロー/MS&ADインシュアランスグループホールディングス TNFD専任SVP)
細川 秀一(公益社団法人 日本医師会 常任理事)
松尾 雄介(公益財団法人 地球環境戦略研究機関 ビジネスタスクフォースディレクター)
渡部 明人(アジア開発銀行 人間社会開発セクター部 保健スペシャリスト)
一般社団法人みどりのドクターズ
【スペシャル・アドバイザー(ユース)】
アジア医学生連絡協議会日本支部(AMSA Japan: Asian Medical Students’ Association Japan)
日本国際保健医療学会学生部会(jagh-s: Japan Association for Global Health, Students Section)
調査・提言ランキング
- 【調査報告】「2025年 日本の医療に関する世論調査」(2025年3月17日)
- 【政策提言】がん対策プロジェクト「乳がん医療の地域格差是正に関する提言書」(2025年1月31日)
- 【政策提言】認知症プロジェクト 自治体職員向け資料集「『我がまちの認知症政策』の実現に向けて~今後の認知症施策推進に向けた第一歩~」(2025年3月17日)
- 【出版報告】こどもの健康プロジェクト 家庭向け小冊子「家庭で学ぶ・家庭で実践する、知的障がいのある子どものためのストレスマネジメント」(2025年2月3日)
- 【パブリックコメント提出】「第3期健康・医療戦略(案)」(2025年2月3日)
- 【論点整理】難病・希少疾患プロジェクト ディスカッション・ペーパー「難病・希少疾患 2025 ー難病法から10年、共に創る未来に向けてー」(2025年3月28日)
- 【調査報告】「働く女性の健康増進に関する調査2018(最終報告)」
- 【調査報告】メンタルヘルスに関する世論調査(2022年8月12日)
- 【政策提言】保健医療分野における気候変動国家戦略(2024年6月26日)
- 【政策提言】肥満症対策推進プロジェクト2023「患者・市民・地域が参画し、協働する肥満症対策の実装を目指して」(2024年4月8日)
注目の投稿
-
2025-03-24
【HGPI政策コラム】(No.57)―認知症プロジェクトより―「当事者と共に創る認知症研究の未来vol.2:スウェーデンの事例から見る当事者参画とパーソン・センタード・ケア・アプローチ」
-
2025-03-26
【申込受付中】(オンライン開催)第132回HGPIセミナー「エビデンスに基づく予防接種・ワクチン政策の在り方を考える」(2025年4月25日)
-
2025-03-28
【政策提言】がん対策プロジェクト「乳がん医療の地域格差是正に関する提言書」(2025年1月31日)
-
2025-03-31
【開催報告】第125回HGPIセミナー「我が国におけるアルコール健康障害対策の歩みと今後の展望」(2024年5月24日)
-
2025-04-02
【申込受付中】市民向け公開イベント「みんなの患者・当事者フォーラム2025 ~一緒につくる、これからの医療~」(2025年5月17日)