【活動報告】グローバルヘルス・エデュケーション・プログラム(G-HEP)2024最終報告書公開(2025年5月29日)
日付:2025年5月29日
タグ: グローバルヘルス, グローバルヘルス人材

日本医療政策機構(HGPI: Health and Global Policy Institute)は、グローバルヘルス・エデュケーション・プログラム(G-HEP: Global Health Education Program)2024の最終報告書を公開しました。本プログラムは、独立行政法人国際交流基金の助成を受けて、日本医療政策機構、エモリー大学ロリンス公衆衛生大学院、マヒドン大学公衆衛生学部との共催により実施されました。
「プラネタリーヘルスの課題に取り組む若手リーダーの国際交流プログラム」と題し、約6ヶ月間に渡り、日本・アメリカ・タイからの12名の参加者がオンライン講義、ケーススタディをテーマとしたグループワーク、タイおよび日本でのフィールドワークに参加しました。
本プログラムは、主に4つのフェーズに分けて実施されました。
フェーズ 1:講義
参加者は、プラネタリーヘルス、気候変動、環境政策に関する専門家によるオンライン講義を受講しました。
フェーズ 2:ケーススタディの策定
参加者はグループに分かれ、「食料安全保障」「生物多様性の保全」「廃棄物管理」「水資源の持続可能性」をテーマとしたケーススタディを策定しました。
フェーズ 3:タイでのフィールドワークと政策提言の策定
参加者はタイ・バン・クラチャオで現地調査を実施し、地域住民、行政、環境団体などと意見交換を行いました。また、これまでの調査を基に、参加者たちはグループごとに政策提言をまとめました。
フェーズ4:日本でのフィールドワーク・成果発表
広島で日本の環境課題や高齢社会の課題を学んだ後、東京で政策提言を関係者に向けて発表しました。
また、プログラム参加前と終了後に、国際社会や異文化についての参加者の知識、スキル、姿勢、行動を9つのコンピテンシー領域に分けて評価したところ、プログラムの前後で以下の能力分野を中心に大きな向上が見られました。
- クリティカル・シンキング(46%の向上):因果関係や利点・欠点を分析し、複数の視点を統合して、根拠に基づいた独自の意見を形成する能力
- グローバル知識(40%の向上):国際的な課題に関する情報を収集し、それを統合して理解する能力
- 学術的関与(34%の向上):主体的かつ協働的に学習や活動に取り組む能力
評価結果の詳細は、報告書をご確認ください。
報告書の内容
- グローバルヘルス・エデュケーション・プログラムについて
- フェーズ1: 講義
- フェーズ2: ケーススタディの策定
- フェーズ3: タイでのフィールドワーク
- フェーズ4: 日本でのフィールドワーク
- 最終発表・政策提言
- プログラム前後における参加者の意識の変化
- 調査結果の情報発信
- 参加者および主催者
報告書の全文は下部のPDFをご覧ください。
■グローバルヘルス・エデュケーション・プログラム(G-HEP: Global Health Education Program)
G-HEPは、協働してグローバルヘルスのアジェンダを推進する若手リーダーのグローバルコミュニティを確立し、将来に向けた人材育成を行うことを目的とする若手育成プログラムです。2018年から始まったマヒドン大学公衆衛生学部とのパートナーシップにより、日本だけでなくASEAN地域の若手同士の交流が促進されてきました。今年は、エモリー大学ロリンス公衆衛生大学院を迎え、アメリカの視点を取り入れるとともに、多様な職業や背景を持つ参加者たちと共にプログラムを実施します。プログラムを通じて、参加者たちは実践的な知識を身につけるだけでなく、将来のグローバルヘルスリーダーとして成長し、世界中で公衆衛生の向上に貢献することが期待されます。
■エモリー大学ロリンス公衆衛生大学院について
エモリー大学ロリンス公衆衛生大学院は、全米の公認公衆衛生大学院の中で第3位にランクしている。「世界の公衆衛生の首都」として知られるアトランタに位置するエモリー大学は、いくつかのユニークな地域資源を活用している。例えば、米国疾病管理予防センター(CDC: Centers for Disease Control and Prevention)は、当校の非常勤講師約200人を提供しており、カーター・センター(Carter Center)は学生の実習機会を提供する国際保健介入プログラムに関与している。学生は教室内の学びと現場でのインターンシップの両方から知識を得ることができる。全米50州および海外40カ国以上から学生が集まり、健康増進と疾病予防のための知識を実践している。
■マヒドン大学公衆衛生学部について
1948年に設立されたマヒドン大学公衆衛生学部は、タイで最初の公衆衛生の学術機関である。現在、公衆衛生学部は学士、修士、博士課程で毎年約1,400名の卒業生を輩出している。同学部は、アジア太平洋地域におけるアカデミック・リーダーとして不可欠な役割を果たしており、学術研究、実践的な研修を通して、国内外の公衆衛生領域の発展に貢献している。1976年以来、同学部は公衆衛生学修士-国際プログラムを運営し、42カ国から1250人以上の卒業生を輩出している。
本事業は、独立行政法人国際交流基金の助成を受けて実施しております。
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