【開催報告】グローバルヘルス・エデュケーション・プログラム(G-HEP)2024 第8回講義「三重の地球規模・惑星的危機に対する環境省の政策」(2024年9月20日)
日付:2024年12月18日
タグ: グローバルヘルス, グローバルヘルス人材
グローバルヘルス・エデュケーション・プログラム(G-HEP: Global Health Education Program)の第8回講義では、環境省 環境保健部の高木恒輝氏にご登壇いただきました。
講義では、まず日本が直面してきた歴史的な環境課題の概要が紹介されました。大気汚染や水質汚濁といった環境リスクに対応するため、環境庁(現在の環境省)が設立された背景についても触れられました。
次に、高木氏は「三重の地球規模・惑星的危機」とその日本への影響について詳しく説明しました。この「三重の地球規模・惑星的危機」とは、現在人類が直面している3つの相互に関連する問題、すなわち1)気候変動、2)汚染・廃棄物、3)生物多様性の喪失を指します。
さらに、日本政府が地球規模の健康課題にどのように取り組んでいるか、特にプラスチックごみの削減を含む政策や地域プログラムについても共有されました。
最後に、「第6次環境基本計画」の概要が説明されました。この計画は、日本の経済や社会システムを変革し、環境の質を保護・改善することで、持続可能な循環共生型社会の実現を目指しています。
G-HEPプログラムの参加者は、これまでの知見を活かし、プラネタリーヘルスの課題に対する解決策や推奨する政策を含む政策提言書の作成に取り組んでいます。
■グローバルヘルス・エデュケーション・プログラム(G-HEP: Global Health Education Program)
G-HEPは、協働してグローバルヘルスのアジェンダを推進する若手リーダーのグローバルコミュニティを確立し、将来に向けた人材育成を行うことを目的とする若手育成プログラムです。2018年から始まったマヒドン大学公衆衛生学部とのパートナーシップにより、日本だけでなくASEAN地域の若手同士の交流が促進されてきました。今年は、エモリー大学ロリンス公衆衛生大学院を迎え、アメリカの視点を取り入れるとともに、多様な職業や背景を持つ参加者たちと共にプログラムを実施します。プログラムを通じて、参加者たちは実践的な知識を身につけるだけでなく、将来のグローバルヘルスリーダーとして成長し、世界中で公衆衛生の向上に貢献することが期待されます。
■エモリー大学ロリンス公衆衛生大学院について
エモリー大学ロリンス公衆衛生大学院は、全米の公認公衆衛生大学院の中で第3位にランクしている。「世界の公衆衛生の首都」として知られるアトランタに位置するエモリー大学は、いくつかのユニークな地域資源を活用している。例えば、米国疾病管理予防センター(CDC: Centers for Disease Control and Prevention)は、当校の非常勤講師約200人を提供しており、カーター・センター(Carter Center)は学生の実習機会を提供する国際保健介入プログラムに関与している。学生は教室内の学びと現場でのインターンシップの両方から知識を得ることができる。全米50州および海外40カ国以上から学生が集まり、健康増進と疾病予防のための知識を実践している。
■マヒドン大学公衆衛生学部について
1948年に設立されたマヒドン大学公衆衛生学部は、タイで最初の公衆衛生の学術機関である。現在、公衆衛生学部は学士、修士、博士課程で毎年約1,400名の卒業生を輩出している。同学部は、アジア太平洋地域におけるアカデミック・リーダーとして不可欠な役割を果たしており、学術研究、実践的な研修を通して、国内外の公衆衛生領域の発展に貢献している。1976年以来、同学部は公衆衛生学修士-国際プログラムを運営し、42カ国から1250人以上の卒業生を輩出している。
本事業は、独立行政法人国際交流基金の助成を受けて実施しております。
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