【開催報告】グローバルヘルス・エデュケーション・プログラム(G-HEP)2024 第9回講義「変遷する世界と日本でプラネタリーヘルス課題を解決するために」(2024年10月10日)
日付:2025年1月21日
タグ: グローバルヘルス, グローバルヘルス人材

日本医療政策機構、エモリー大学ロリンス公衆衛生大学院、マヒドン大学公衆衛生学部 共催 グローバルヘルス・エデュケーション・プログラム(G-HEP: Global Health Education Program)は第9回講義を開催しました。
グローバルヘルス・エデュケーション・プログラムの第9回講義では、「変遷する世界と日本でプラネタリーヘルス課題を解決するために」と題し、mymizuの共同創設者で一般社団法人Social Innovation Japan の共同CEOであるロビン・敬・ルイス氏が登壇しました。ルイス氏は、ビジネススクールから始まり民間企業や国際機関など多様なセクターでの経験を経て社会起業家となるまでの道のりと、そこから得た学びや動機について講演しました。
また、製品や素材を最大限活用し再利用を促進することで、廃棄物や環境汚染を抑制することを目的とした生産・消費モデルである循環型経済(サーキュラーエコノミー)、「持続可能」から再生型社会への移行を行い、企業が地球へ与える害を低減することを指すビヨンド・サステナビリティ(Beyond Sustainability)、主要なアクターが互いに責任転嫁をする結果、問題解決への行動が進まない状況を表すトライアングル・オブ・インアクション(Triangle of Inaction)といった、プラネタリーヘルスの課題に取り組むために活用できる重要かつ実践的な概念を紹介しました。
加えて、mymizuのアイデアと立ち上げの経緯についてお話されました。mymizuは、マイボトルの使用を推奨しながらコミュニティ形成を促し、持続可能性の向上とプラスチック廃棄物の削減を目指す、テクノロジーを活用した解決策です。さらに、そのほかの革新的な取り組み事例の紹介し、プラネタリーヘルス課題に対する多様な解決策が存在する可能性を示しました。
最後に、変わりゆく世界の中で、問題を解決しよりよい変化を生むためには、私たち一人ひとりが行動を見直すことが大切であると、重要なメッセージを伝えられました。
■グローバルヘルス・エデュケーション・プログラム(G-HEP: Global Health Education Program)
G-HEPは、協働してグローバルヘルスのアジェンダを推進する若手リーダーのグローバルコミュニティを確立し、将来に向けた人材育成を行うことを目的とする若手育成プログラムです。2018年から始まったマヒドン大学公衆衛生学部とのパートナーシップにより、日本だけでなくASEAN地域の若手同士の交流が促進されてきました。今年は、エモリー大学ロリンス公衆衛生大学院を迎え、アメリカの視点を取り入れるとともに、多様な職業や背景を持つ参加者たちと共にプログラムを実施します。プログラムを通じて、参加者たちは実践的な知識を身につけるだけでなく、将来のグローバルヘルスリーダーとして成長し、世界中で公衆衛生の向上に貢献することが期待されます。
■エモリー大学ロリンス公衆衛生大学院について
エモリー大学ロリンス公衆衛生大学院は、全米の公認公衆衛生大学院の中で第3位にランクしている。「世界の公衆衛生の首都」として知られるアトランタに位置するエモリー大学は、いくつかのユニークな地域資源を活用している。例えば、米国疾病管理予防センター(CDC: Centers for Disease Control and Prevention)は、当校の非常勤講師約200人を提供しており、カーター・センター(Carter Center)は学生の実習機会を提供する国際保健介入プログラムに関与している。学生は教室内の学びと現場でのインターンシップの両方から知識を得ることができる。全米50州および海外40カ国以上から学生が集まり、健康増進と疾病予防のための知識を実践している。
■マヒドン大学公衆衛生学部について
1948年に設立されたマヒドン大学公衆衛生学部は、タイで最初の公衆衛生の学術機関である。現在、公衆衛生学部は学士、修士、博士課程で毎年約1,400名の卒業生を輩出している。同学部は、アジア太平洋地域におけるアカデミック・リーダーとして不可欠な役割を果たしており、学術研究、実践的な研修を通して、国内外の公衆衛生領域の発展に貢献している。1976年以来、同学部は公衆衛生学修士-国際プログラムを運営し、42カ国から1250人以上の卒業生を輩出している。
本事業は、独立行政法人国際交流基金の助成を受けて実施しております。
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