【開催報告】超党派国会議員向け医療政策勉強会「30分で伝える医療政策最前線『 日本企業の戦略的な国際進出:ユニットエイドと日本の保健医療分野における官民連携』」(2025年6月6日)
日付:2025年7月25日
タグ: グローバルヘルス, グローバルヘルス戦略, 議員勉強会
日本医療政策機構(HGPI)は、ユニットエイド(Unitaid)と共催で、超党派国会議員向け医療政策勉強会「30分で伝える医療政策最前線『日本企業の戦略的な国際進出:ユニットエイドと日本の保健医療分野における官民連携』」を開催いたしました。
今回は、ユニットエイド事務次長のテヌ・アヴァフィア(Tenu Avafia)氏を講師にお迎えし、日本の国際保健戦略と連動した民官企業との連携の好事例や、医療アクセスの公平性の向上に向けた取り組みの最前線をご紹介いただきました。
講演では、ユニットエイドが設立された背景や、低中所得国に対する新薬・診断機器等の提供・普及支援の取り組み、特に日本企業との連携モデルが紹介されました。また、近年はHIV、マラリア、結核にとどまらず、パンデミックへの備えやユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成、女性・子どもの健康といった幅広い分野への支援拡大を進めていることが報告されました。講演後は、日本政府と議会に対する期待をテーマに活発な質疑応答・意見交換が行われました。
■ポイント
- ユニットエイドは2006年設立、航空券連帯税などを活用し低中所得国への医療アクセス支援を行う国際機関である。2023年以降は、従来のHIV、結核、マラリアといった感染症対策以外の範囲でも活動を行っている。日本は2019年よりユニットエイドの理事会に参加しており、外務省・厚生労働省の連携の下、資金・意思決定両面から協働をしている。
- 多くの低中所得国(特にサハラ以南アフリカ)において、医薬品のアクセス改善に向けた一つの大きな障壁は医薬品規制当局が必ずしも十分に成熟していないことである。これらの国では、医薬品の承認等に関してWHOの基準に頼っているが、そのWHOの認証プロセスにはキャパシティ不足や時間的な遅延が課題として指摘されている。ユニットエイドは、品質が保証された医薬品や診断機器の早期導入を促進するため、WHOのガイダンスを補完する形で、各国に導入の技術支援・判断材料を提供し、橋渡しを行っている。
- 医療技術や製薬分野において、日本企業が未充足の医療ニーズ(アンメット・メディカル・ニーズ)に応える形で、現地展開を通じた国際的な貢献を果たすことが期待される。また、日本政府は、国際保健の枠組みにおいて主導的な役割を果たし、ユニットエイドをはじめとする国際機関との連携を通じて、医療アクセスの公平性の向上に向けて世界を後押しする役割が求められている。
【プログラム】(敬称略)
ご挨拶
ご講演「日本企業の戦略的な国際進出:ユニットエイドと日本の保健医療分野における官民連携」
テヌ・アヴァフィア(ユニットエイド 事務次長)
質疑応答・意見交換
閉会
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