【申込終了】プラネタリーヘルスアカデミー(2025年8月開講)
日付:2025年7月8日
タグ: プラネタリーヘルス
この度、日本医療政策機構とプラネタリーヘルスアライアンス日本ハブの共催による「プラネタリーヘルスアカデミー」の開催が決定し、受講生を募集を開始しました。
■募集締切:8月3日(日)23:59
■プログラム期間:8月27日(水)〜11月5日(水)
人類の活動はこれまでになく急速に地球の自然システムに影響を及ぼしており、その結果として私たちの健康にも深刻な変化が生じています。これらの課題に対処するために、「プラネタリーヘルス」という概念が注目を集めています。プラネタリーヘルスは、環境変化が人間の健康に与える影響を理解し、持続可能な未来を築くための学際的なアプローチです。特に、気候変動、生物多様性の喪失、大気・水・土壌汚染、食料・水資源の不足など、地球規模で進行する環境の変化は、公衆衛生の基盤を脅かし、将来世代に多大な影響を及ぼすことが懸念されています。
2015年にハーバード大学にプラネタリーヘルスアライアンス(PHA: Planetary Health Alliance)の事務局が設立されました。PHA設立以来、大学、NGO、政府機関、研究機関などとの連携を通じて、多様なパートナーシップからなるグローバルなコンソーシアムに成長しています。2023年には、日本医療政策機構(HGPI: Health and Global Policy Institute)も参画し、本部の事務局がジョンズ・ホプキンス大学に移転しました。現在では、超学際的な議論が展開されるともに、社会運動としての側面も組み合わさりながら活動の幅を広げています。
こうした背景のもと、HGPIとプラネタリーヘルスアライアンス日本ハブは、健康と環境の関係性に関心を持つ人々を対象に、「プラネタリーヘルスアカデミー」を開講いたします。
本アカデミーでは、当機構の強みである医療政策や「健康」に軸足を置きつつ、プラネタリーヘルスの視点をもとに、異なる専門知識や価値観を結びつけることで、より実践的で持続可能な解決策を医療と環境の関係に関心を持つ多様な背景の方々と知識を深め、議論を深める場を提供します。そのために、少数精鋭の参加者とともに、ビデオカメラを使用し、Zoomのミーティング形式による双方向型のオンライン講義を提供します。受講者は所定の参加要件および成績基準を満たすことで、日本医療政策機構およびプラネタリーヘルスアライアンス日本ハブの連名による修了証を取得することができます。
■ 主催
- 日本医療政策機構(HGPI)
- プラネタリーヘルスアライアンス日本ハブ
※参加申込の際に、いくつかの記述式の質問をご用意しております。
ご回答いただいた内容は、主催団体および講師と共有し、アカデミーに対する皆さまのご期待や学びたいことを把握するために活用させていただきます。
■ 講義スケジュール
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日付(2025年) |
テーマ |
講師(敬称略) |
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1 |
8月27日(水) |
プラネタリーヘルスについて |
渡辺 知保(長崎大学 熱帯医学・グローバルヘルス研究科 教授) |
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2 |
9月10日(水) |
気候変動と健康について |
橋爪 真弘(東京大学 大学院医学系研究科 国際保健政策学 教授) |
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3 |
9月24日(水) |
環境要因と子どもへの健康影響 |
アイツバマイ ゆふ(北海道大学 環境健康科学研究教育センター/WHO 研究協力センター 特任准教授) |
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4 |
10月15日(水) |
持続可能な健康都市の展開のための国内外の取り組み |
中村 桂子(東京科学大学 名誉教授) |
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5 |
10月22日(水) |
生物多様性と生態系サービスと人間の健康 |
曽我 昌史(東京大学大学院農学生命科学研究科 准教授) |
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6 |
11月5日(水) |
医療の現場からのプラネタリーヘルスアプローチ |
横田 啓(⼀般社団法⼈ みどりのドクターズ) |
■ 各回の流れ(例)
- 事務連絡、イントロダクション(5分程度)
- 講義(60分程度)
- 質疑応答(20分程度)
- まとめ・諸連絡(5分程度)
■ 開催形式
- 形式:オンライン(Zoomミーティング)
- 言語:日本語
- 受講料:45,000円
- 定員:30名
■ アカデミー参加特典
- 厳選されたプラネタリーヘルス関連の参考資料の提供
- 各講義の詳細な内容サマリーの提供
- セッションの録画アーカイブへの1年間のアクセス権
- HGPIおよびプラネタリーヘルスアライアンス日本ハブからの修了証の発行(※)
- 今後のHGPIプラネタリーヘルス関連の取り組みや共同活動への参加機会
- 多様な分野の参加者との交流を通じた、専門的ネットワークの拡大と新たなつながりの構築
※修了証の取得には出席率とアカデミー終了後に送られるテストの正答率が共に70%である必要があります。
■ 開講までの流れ
| 受講生募集〆切 | 2025年8月3日(日) |
| 受講料納入〆切 | 2025年8月18日(月)(所属先からの直接のお支払いなど、日程の調整が必要な場合はお申し出ください) |
| 第1回講義 | 2025年8月27日(水) |
■ 講師プロフィール
渡辺 知保(長崎大学 熱帯医学・グローバルヘルス研究科 教授)
1989年に東京大学大学院医学系研究科単位取得済退学。2005年に東京大学大学院医学系研究科人類生態学教授に就任。2017年に国立研究開発法人国立環境研究所の理事長に就任。2021-2022年には長崎大学熱帯医学・グローバルヘルス研究科教授兼学長特別補佐(プラネタリーヘルス)、2022-2023年はプラネタリーヘルス学環長(初代)および熱帯学・グローバルヘルス研究科教授を務める。東京大学名誉教授であり、保健学博士である。日本健康学会で2017年より2022年理事長、2021年より2023年環境科学会会長を務める。また、日本学術会議の第2部連携会員、Society for Human Ecology元第3副会長、Ecological Society of Americaヒューマンエコロジー部門元部会長、プラネタリーヘルス・アライアンス(PHA: Planetary Health Alliance)運営委員および同日本ハブ代表である。
橋爪 真弘(東京大学 大学院医学系研究科 国際保健政策学 教授)
英国ロンドン大学衛生熱帯医学大学院(LSHTM: London School of Hygiene and Tropical Medicine)博士課程修了、2012年長崎大学熱帯医学研究所教授、を経て2019年より現職。気候変動に関する政府間パネル(IPCC: Intergovernmental Panel on Climate Change)第6次評価報告書 第2作業部会主執筆者、世界保健機関技術諮問委員会委員(Global Air Pollution and Health, Climate Change and Environment)、中央環境審議会気候変動影響評価等小委員会委員、環境省「気候変動の影響に関する分野別WG /健康分野」座長などを歴任。
アイツバマイ ゆふ(北海道大学 環境健康科学研究教育センター/WHO 研究協力センター 特任准教授)
2002年北海道薬科大学薬学科卒業、同年に薬剤師国家資格を取得。2014年北海道大学大学院医学研究科公衆衛生学分野博士課程修了。北海道大学環境健康科学研究教育センター学術研究員、特任助教、特任講師を経て、2023年より北海道大学環境と健康科学研究教育センター(CEHS)および世界保健機関(WHO)環境保健と化学物質危害予防協力センターに所属する特任准教授である。博士の研究は、環境中の化学物質への曝露が人の健康、とりわけ子どもをはじめとする脆弱な集団に与える影響の解明に焦点を当てている。主な研究プロジェクトには、環境と子どもの健康に関する北海道スタディや、環境省が主導する子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)がある。
中村 桂子(東京科学大学 名誉教授)
東京医科歯科大学医学部卒業。2016~2025年、東京医科歯科大学医歯学総合研究科国際保健医療事業開発学分野教授をつとめる。2025年4月より東京科学大学名誉教授。2013~2017年:環境科学会理事、2016~2024年:WHO健康都市・都市政策研究協力センター所長、2017年~:日本公衆衛生学会理事、2020年~:国際学術会議・都市保健ウェルビーイング科学委員会委員、2024年~:日本学術会議環境リスク分科会委員長。研究テーマは、都市環境と健康、ヘルスプロモーション、プラネタリーヘルス。
曽我 昌史(東京大学大学院農学生命科学研究科 准教授)
2010年に東京農工大学農学部を卒業し、2012年に同大学大学院農学府修士課程を修了、2015に北海道大学大学院農学研究院で博士(農学)を取得。学位取得後、日本学術振興会特別研究員、東京大学大学院農学生命科学研究科助教を経て、2019年11月より現職。
専門は生態学だが、その他に環境心理学や都市計画学、公衆衛生学にも精通し、人と自然の相互作用に関する学際的な研究に従事。特に最近は、都市における自然とのかかわりが都市住民の健康・ウェルビーイングおよび生態系保全意識・行動に及ぼす影響の評価と社会実装に向けた研究に力を入れている。主な著作に、『都市生態系の歴史と未来』(朝倉書店、2020年)がある。
横田 啓(岡山協立病院救急部長・総合診療科/一般社団法人みどりのドクターズ 理事)
2008年、自治医科大学を卒業。山口県・神奈川県でプライマリ・ケアに従事。2016年より山口県立総合医療センターで、へき地医療支援、総合診療医の育成に関わった。2022年より一般社団法人「みどりのドクターズ」に参加。2023年より岡山協立病院総合診療科に勤務。医療機関カーボンフットプリント計算ツールClimate Impact Checkup Toolを翻訳し、日本国内での普及に取り組んでいる。
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