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【パブリックコメント提出】世界保健機関(WHO)によるグローバルヘルス・アーキテクチャー(GHA)改革に関する意見公募(2026年6月10日)

【パブリックコメント提出】世界保健機関(WHO)によるグローバルヘルス・アーキテクチャー(GHA)改革に関する意見公募(2026年6月10日)

日本医療政策機構(HGPI: Health and Global Policy Institute)は、グローバルヘルス・アーキテクチャー(GHA: Global Health Architecture)の改革に関して世界保健機関(WHO: World Health Organization)が実施した2回の書面による意見公募に対し、意見を提出しました。

グローバルヘルス・アーキテクチャー(GHA)とは、世界規模での健康の保護・増進に向けた取り組みを牽引し、調整し、資金を提供し、実施する主体の全体的な体系を指します。その構成には、各国政府、国連機関、グローバルヘルス関連機関・パートナーシップ、地域機関、市民社会、学術機関、慈善団体、民間セクターが含まれます。現在のGHAはグローバルヘルスに多大な貢献を果たしてきた一方で、各国の保健主権の進化や地域の能力強化、疾病構造の変化、科学技術の進歩、資金調達環境の変容に対応しきれていない状況にあります。こうした課題は、断片化、重複、優先課題の不整合、そして根強い力の不均衡によって一層深刻化しています。

こうした状況を受け、2026年2月に開催された第158回WHO執行理事会は、事務局長に対し、GHAの変革を支援する共同的・包括的・透明性の高い時限的なプロセスの提案を設計するよう要請しました。WHOが主催し加盟国が主導するこのプロセスは、国連システムの抜本的な改革を求める「UN80イニシアティブ(UN80 Initiative)」とも密接に連動しています。改革プロセスの設計に向けて、WHOは加盟国をはじめとするグローバルヘルス分野のステークホルダーに対し、2回の書面による意見公募を通じて見解の提出を求めました。第1回の意見公募では、目的・範囲・原則、提案されるワークストリームの機能的領域、プロセス調整アプローチ、想定されるタイムラインと段階、ステークホルダー参画戦略について意見が募集されました。第2回の意見公募は第1回を踏まえ、目的・原則・目標、プロセスのガバナンスと体制、ステークホルダー参画、タイムラインと段階、リソースとリスクについて意見が求められました。なお、既に意見(パブリックコメント)の募集は終了しております。

今回の意見提出は、非営利・独立・超党派の民間の医療政策シンクタンクとしての20年以上にわたり培われたHGPIの知見と経験に基づいています。市民・患者中心の医療政策づくり、マルチステークホルダーによる熟議の場の形成、そしてグローバルヘルス・ガバナンスへの関与から得られた洞察を反映しています。

HGPIはこれまで、以下の3段階からなる独自の政策形成方法論を構築・実践してきました。

  1. アジェンダ・セッティング:主流的な政策議論に取り上げられる前の段階で、社会に重要な新興課題をいち早く特定
  2. アジェンダ・シェーピング:患者・市民を中心とした多様なステークホルダーが、対等な立場で継続的に議論できる場を形成
  3. アジェンダ・デリバリー:提言が実際の政策に反映されるまで、粘り強く働きかけを継続


今回の意見提出も、この方法論を基盤としています。

意見のポイント

  • 市民・患者中心の原則:患者・市民参画(PPI: Patient and Public Involvement)をすべての取り組みに体系的に組み込み、単なる諮問ではなく、政策課題の設定や意思決定への実質的な参加を保障するべき
  • 急速な構造変化への適応:技術革新(AIや合成生物学)、気候変動、地政学的変化に対応できるガバナンスを構築するべき
  • 生活体験のエビデンス化:科学的データと並び、患者・地域住民・医療従事者の生活体験(lived experience)を明確に証拠として位置づけ、正当性を確保する必要がある
  • 真の社会参加の実現:形式的な協議を超え、参加支援の提供、透明なフィードバック機構の構築、市民社会の多様性を踏まえた対応により、実質的な社会参加を実現すべき
  • 地域レベルでの実質的影響:グローバルな決定が国・地域レベルで適切に実施され、コミュニティや個人の生活に実質的な変化をもたらすことが重要である


この提案は2026年5月18日から23日にかけてジュネーブで開催された第79回世界保健総会(WHA79: 79th World Health Assembly)に提出され、グローバルヘルス・アーキテクチャー(GHA)改革に向けた共同プロセスが承認されました。HGPIは今後も、グローバルヘルス・ガバナンスに関して日本およびアジア太平洋地域からの視点を発信するとともに、技術的エビデンスと患者・市民の生活体験をつなぐ取り組みに貢献してまいります。

 

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