【開催報告】専門家会合「個別化精神医療の実現に向けて求められるイノベーション」(2025年1月22日)
日付:2025年2月19日
タグ: メンタルヘルス
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日本医療政策機構では、個別化精神医療の実現に向けて必要な取り組みのあり方を検討することを目的に、専門家会合「個別化精神医療の実現に向けて求められるイノベーション」を2025年1月22日に開催いたしました。
精神疾患の課題は、国や地域を問わず現代社会に大きな影響を与えています。日本では精神疾患患者数が2020年に約614万8千人に達し、5大疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病、精神疾患)の中で最も多い状況です。一方で、精神障害の分野では、治療や支援において多くの課題を抱えています。特に精神医療分野では、バイオマーカーなど客観的評価指標がないこと、既存の治療薬が、患者の個人差によって部分的にしか効果を発揮していないことなどの課題が指摘されています。
このような課題を受け、近年、診断基準に基づき精神疾患を分類するアプローチから、患者を多角的かつ深く理解する「ディメンショナルアプローチ」へのパラダイムシフトが求められています。併せて、個々の遺伝子、病状、背景に応じた治療や支援を提供する「個別化精神医療(precision psychiatry)」の必要性が国際的に認識されてきました。すでに日本を含む世界各国では、精神疾患や関連する認知機能障害を持つ患者のための新しい個別化精神医療の開発が進められており、その発展を加速するには、アカデミアだけでなく、企業、当事者、家族、支援者など、多様なステークホルダーの有機的な連携が不可欠です。
本会合では、登壇者により、国内外の個別化精神医療実現に向けた取り組み事例とその課題・展望が紹介されました。それらの講演を踏まえ、今後日本で求められるイノベーションや取組について、産官学の代表者や患者当事者が活発な議論を交わしました。
【開催概要】
- 日時:2025年1月22日(水)13:00-15:00
- 形式:ハイブリッド(対面・オンライン(Zoomウェビナー))
- 会場:Global Business Hub Tokyo
(東京都千代田区大手町1-9-2大手町フィナンシャルシティ グランキューブ3階)
- 言語:日本語
- 参加費:無料
- 主催:特定非営利活動法人 日本医療政策機構
- 協賛:日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社、グーグル合同会社
【プログラム】(敬称略、順不同)
13:00-13:05 | 開会の辞 |
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自見 はなこ(参議院議員) | ![]() |
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13:05-13:30 | 基調講演1「個別化精神医療に関する世界の動向と臨床現場での実践」 |
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澤 明(ジョンズホプキンス大学 教授) | ![]() |
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13:30-13:55 | 基調講演2「個別化精神医療の実現に向けた精神疾患レジストリの構築」 |
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中込 和幸(国立精神・神経医療研究センター 理事長) | ![]() |
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13:55-14:00 | 休憩 | |
14:00-14:55 | パネルディスカッション「個別化精神医療の実現に向けたマルチステークホルダーでの連携」 |
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パネリスト モデレーター |
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14:55-15:00 | 閉会の辞 |
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乗竹 亮治(日本医療政策機構 代表理事・事務局長) | ![]() |
Break
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