【開催報告】メンタルヘルス政策プロジェクト公開シンポジウム「災害時のメンタルヘルス支援~応急対応から継続対応に向けた支援者連携のあり方~」(2022年10月10日)
日付:2023年3月24日
タグ: メンタルヘルス
※開催報告書を公開いたしました(2023年3月24日)
※シンポジウムのアーカイブ動画を公開いたしました。(2022年10月5日)
日本医療政策機構は、2022年10月10日(月・祝)世界メンタルヘルスデーに合わせて公開シンポジウム「災害時のメンタルヘルス支援~応急対応から継続対応に向けた支援者連携のあり方~」を会場(コモレ四谷タワーコンファレンス)とオンライン(Zoom)によるハイブリッド形式にて開催いたしました。
メンタルヘルス政策プロジェクトでは、2020年度「災害メンタルヘルスを念頭においた地域づくりを考える」専門家会合を皮切りに災害メンタルヘルスに関する議論をスタートさせました。2021年度には地方自治体の災害時メンタルヘルス対策の事例収集や今後の取り組みの在り方について検討を行い、2022年度は、前年度に収集した事例集の多言語によるグローバルへの発信に加え、命や安全の確保を目的とした応急期のメンタルヘルス支援から、被災生活の継続そして復興に向かう上で必要な、切れ目のない支援体制の構築に向けた論点整理と今後の打ち手を考えることを目指しています。災害時においても、誰もがこころの健康を保持しながら生活を送るには、組織や立場を超えた一体的なメンタルヘルス支援の体制整備が必要不可欠です。2つとして同じ災害はないと言われているように、メンタルヘルスも一人一人不調の基準は異なります。人々が災害に直面しても同じ地域で同じように生活していくためにも、過去の災害対応をメンタルヘルスの観点で整理し未知の災害に備えることは、地域の生活基盤を整備するという点で喫緊の課題であると言えます。
本シンポジウムでは災害フェーズの移り変わり、特に応急期から復旧・復興期における連携の課題に焦点を当て、基調講演およびリレートーク、並びに地域住民やメンタルヘルス当事者の視点を重視しながら下記のテーマでご登壇者全員によるパネルディスカッションを行いました。
主な論点は以下の通り:
- 災害メンタルヘルス特有の課題の多様性とどう向き合うか
- 多様な支援と多様なニーズをいかに適切にマッチングさせるか
- 災害対応から生活支援にいかにスムーズに移行するか
誰もがメンタルヘルス課題を抱える可能性があることを前提に、人々が災害時であってもその人らしい生活を送ることができるような地域における災害メンタルヘルス対策の在り方についてシームレスな連携体制の構築に向けた今後の打ち手を考えました。
■セミナー動画(約2時間10分(130分)・日本語のみ)
【開催概要】
- 日時:2022年10月10日(月・祝)13:00-15:00
- 形式:ハイブリット形式(会場とオンラインでの登壇・参加)
- 会場:コモレ四谷タワーコンファレンス/Zoomウェビナー
- 言語:日本語
- 参加費:無料
【プログラム】(順不同・敬称略)
13:00-13:05 開会・趣旨説明
- 栗田 駿一郎(日本医療政策機構 マネージャー)
13:05-13:15 基調講演1「災害時メンタルヘルス支援の特徴と特殊性」
- 原田 奈穂子(岡山大学 学術研究院ヘルスシステム統合科学研究科看護科学分野/医学部保健学科看護学専攻基礎看護学 教授)
13:15-13:25 基調講演2「災害時メンタルヘルス支援の実態と課題~応急期から復旧・復興期への移行に焦点をあてて~」
- 辻本 哲士(全国精神保健福祉センター長会 会長)
13:30-13:40 基調講演3「災害時の多組織連携~官民連携の実態と課題~」
- 木脇 弘二(全国保健所長会 熊本県八代保健所 所長)
13:40-14:00 リレートーク「災害時メンタルヘルス支援への取り組みと課題」
- 下田 章子(心理相談室 グリーンフィールド 代表)
吹田 博史(武田薬品工業株式会社 グローバルコーポレートアフェアーズ グローバルCSR&パートナーシップストラテジー ジャパンCSR ヘッド)
菅野 拓(大阪公立大学 大学院文学研究科 人間行動学専攻 准教授)
須藤 雫(熊本県発達障害当事者会 Little bit(リルビット) 共同代表理事) - 明城 徹也(全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD) 事務局長)
山田 悠平(一般社団法人 精神障害当事者会ポルケ 代表理事)
14:05-15:00 パネルディスカッション「シームレスな災害時メンタルヘルス支援に向けて」
パネリスト
- 木脇 弘二(全国保健所長会 熊本県八代保健所 所長)
下田 章子(心理相談室 グリーンフィールド 代表)
吹田 博史(武田薬品工業株式会社 グローバルコーポレートアフェアーズ グローバルCSR&パートナーシップストラテジー ジャパンCSR ヘッド)
菅野 拓(大阪公立大学 大学院文学研究科 人間行動学専攻 准教授)
須藤 雫(熊本県発達障害当事者会 Little bit(リルビット) 共同代表理事) - 辻本 哲士(全国精神保健福祉センター長会 会長)
- 原田 奈穂子(岡山大学 学術研究院ヘルスシステム統合科学研究科看護科学分野/医学部保健学科看護学専攻基礎看護学 教授)
明城 徹也(全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD) 事務局長)
山田 悠平(一般社団法人 精神障害当事者会ポルケ 代表理事)
モデレーター
- 滋野 界(日本医療政策機構 アソシエイト)
調査・提言ランキング
- 【調査報告】日本の看護職者を対象とした気候変動と健康に関する調査(最終報告)(2024年11月14日)
- 【調査報告】メンタルヘルスに関する世論調査(2022年8月12日)
- 【政策提言】肥満症対策推進プロジェクト2023「患者・市民・地域が参画し、協働する肥満症対策の実装を目指して」(2024年4月8日)
- 【政策提言】保健医療分野における気候変動国家戦略(2024年6月26日)
- 【調査報告】「働く女性の健康増進に関する調査2018(最終報告)」
- 【政策提言】女性の健康推進プロジェクト「産官学民で考える社会課題としての更年期女性の健康推進政策提言書」(2024年7月31日)
- 【調査報告】「子どもを対象としたメンタルヘルス教育プログラムの構築と効果検証」報告書(2022年6月16日)
- 【調査報告】「2023年 日本の医療の満足度、および生成AIの医療応用に関する世論調査」(2024年1月11日)
- 【調査報告】 日本の医師を対象とした気候変動と健康に関する調査(2023年12月3日)
- 【調査報告】日本の看護職者を対象とした気候変動と健康に関する調査(速報版)(2024年9月11日)