【申込受付中】(オンライン開催)第141回HGPIセミナー「韓国の肥満症政策の現状と展望―政策推進における当事者の声―」(2026年3月3日)
2022年には世界の肥満人口は10億人を超え、それに伴い肥満に起因した慢性疾患の患者数も爆発的に増加しています。内臓脂肪型肥満等の一部の肥満は、心筋梗塞や脳梗塞、肥満関連腎臓病等の動脈硬化性疾患や脂質異常症、2型糖尿病等の要因となることが知られており、これらの疾患は、わが国の患者調査における疾患別患者数において依然として上位を占めていることから、肥満および肥満に起因ないしは関連する健康障害対策としても喫緊の対策が必要です。
日本肥満学会は、肥満症を「肥満に起因ないし関連する健康障害を合併するか、健康障害を伴いやすい内臓脂肪型肥満の合併が予測される場合で、医学的に減量を要する病態」と定義し、単に体重過多という状態ではなくそれ自体が専門的な医学的介入を要する「疾患」として位置づけています。肥満症は遺伝的要因に加えて社会経済的、心理的課題が背景にあると言われている一方で、個人の責任とみなすスティグマが存在し、受療の妨げにもなっています。そのため、当事者や市民、医療従事者間での正しい疾患理解の推進が必要であり、さらに、ライフコースでの啓発・予防、環境整備、医療提供体制の充実等、包括的な支援体制の構築が求められます。
現在、欧米諸国を中心に人口に占める肥満・高度肥満のある人の増加を背景として、一部の国では肥満症対策の優先度が高まり、国レベルでの政策が推進されつつありますが、肥満症のある人の人口に占める割合や食生活・文化等において日本とは事情が異なる部分も否めません。一方、同じ東アジア圏に属する韓国では、東アジアの人は低いBMIでも耐糖能異常をきたしやすく、肥満によるインスリン感受性が低下し糖尿病を発症する影響が大きいことや、包括的な肥満症政策の実装が不十分であること、ルッキズムやスティグマの存在、肥満症のある人の経験や声が政策決定者に届いていない等、日本の肥満症における課題と共通する部分が多くあります。
本セミナーでは、韓国の家庭医かつ肥満症の当事者として国内外における政策アドボカシーに取り組む、ヘルシー・トゥギャザー・ソーシャル・コーポレーティブ代表のキム ユヒョン氏をお招きし、肥満症領域における当事者の声に基づく政策推進の必要性について、ご講演いただきます。
韓国における医療制度の現状を踏まえ、肥満症のある人が抱える課題について広くご発信いただくとともに、日本および韓国における当事者と政策の間にあるニーズや障壁、ギャップを認識し、次の一歩を模索する機会にしたいと考えます。また、臨床現場と政策アドボカシー分野での豊富な経験を踏まえ、アンメットニーズを解消していくための今後の展望やおよび日韓の連携を通じた東アジアおよび世界への肥満症政策推進への貢献の可能性についてもお話しいただきます。
【開催概要】
- 登壇者:
キム ユヒュン氏(ヘルシー・トゥギャザー・ソーシャル・コーポレーティブ(肥満症の当事者団体)代表/家庭医/韓国肥満学会理事) - 日時:2026年3月3日(火) 18:00-19:15
- 形式:オンライン(Zoomウェビナー)
- 言語:日本語、英語(同時通訳あり)
- 参加費:無料
- 定員:500名
■登壇者プロフィール
キム ユヒュン(ヘルシー・トゥギャザー・ソーシャル・コーポレーティブ(肥満症の当事者団体)代表/家庭医/韓国肥満学会理事)
韓国における非営利の肥満症の当事者団体であるヘルシー・トゥギャザー・ソーシャル・コーポレーティブ創設者および代表として、肥満症に関するアドボカシー活動を行う患者リーダー。幼少期から肥満・肥満症とともに生きてきた経験を持ち、医学的専門知識と共感力に基づいて、肥満・肥満症とともに生きる人々の心身をサポートするという使命を追求している。オンライン・オフラインでのピアグループの組成や、教育コンテンツの制作、医療従事者向けに肥満症へのスティグマに対する気づきを啓発する専門的なトレーニングを提供している他、肥満症治療の改善を目指した政策提言活動にも取り組む。ソウル市のチャウム健診センターサムソン支店で家庭医としての診療を続けながら、すべての人が尊厳を持ち、支え合い、健やかに生きられる社会の実現を目指す。
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