【申込受付中】(オンライン開催)第136回HGPIセミナー「精神保健研究におけるPPIの現在地とこれから ― TOGETHERプロジェクトに学ぶ共創のかたち ―」(2025年7月28日)

人々の健康の維持や疾患の治療・ケアを支える研究において、患者やその家族・支援者が研究者と共に取り組むことの重要性が、国内外で広く認識されつつあります。このような活動は「患者・市民参画(PPI: Patient and Public Involvement)」と呼ばれ、研究の質や社会的意義を高めるアプローチとして注目されています。
PPIは、単なる研究参加とは異なり、研究の計画立案段階から実施、評価、発信といったプロセスの様々な場面において、患者や当事者が研究者と対等なパートナーとして関与するものです。PPIの実施は、科学的・臨床的知見の深化だけでなく、適切なアウトカム選択や研究成果の普及にもつながることから、研究の質を高めるうえで不可欠な要素とされています。
日本においても、特にがん領域を中心にPPIの導入が進められてきました。精神疾患領域においても、地域精神保健サービスの研究におけるPPIの可能性や課題を検討する取り組みや、精神疾患当事者を含む多様な関係者との協働によるデルファイ調査など、PPIを取り入れた研究が着実に広がりつつあります。さらに2025年には、精神疾患領域の研究における共創プラットフォームの開発が、AMEDの研究事業に採択されるなど、今後、精神保健分野におけるPPIの一層の推進が期待されています。
今回のHGPIセミナーでは、日本の精神保健領域における「患者・市民参画」を推し進めることを目的として設立された「TOGETHERプロジェクト」のメンバーである塩澤拓亮氏をお招きします。本セミナーでは、精神保健領域におけるPPIの実践経験やそこから見えてきた課題、そして今後日本においてPPIをより一層推進していくための展望についてご講演いただきます。
当機構では、「市民主体の医療政策」をミッションに掲げ、疾患横断的な視点に加えて、精神疾患や認知症といった個別領域においても、PPIに関する議論を継続的に行ってきました。本セミナーを通じて、疾患横断的な研究、また精神保健研究におけるPPIのあり方や実践について、皆様と共に考える機会としたいと考えております。
【開催概要】
- 登壇者:
塩澤 拓亮 氏(東京科学大学 保健衛生学研究科精神保健看護学分野 特任助教) - 日時:2025年7月28日(月)19:00-20:15
- 形式:オンライン(Zoomウェビナー)
- 言語:日本語
- 参加費:無料
- 定員:500名
■登壇者プロフィール
塩澤 拓亮(東京科学大学 保健衛生学研究科精神保健看護学分野 特任助教/国立研究開発法 国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 地域精神保健・法制度研究部 研究生)
2013年首都大学東京(現:東京都立大学)健康福祉学部看護学科を卒業後、同大学院へ進学。2022年東京都立大学大学院修了、看護学博士。大学院在学中より医療法人財団厚生協会東京足立病院にて精神科病棟看護師として勤務するほか、獨協大学保健センターで精神衛生相談員、一般社団法人SODAにて相談員として活動し、精神科医療や地域精神保健領域の支援現場に幅広く関わる。臨床業務と並行して、2017年からは国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 社会復帰研究部(現:地域精神保健・法制度研究部)に研究員として勤務。地域精神保健に関する政策研究や実践的プロジェクトに携わる。2023年5月より現職。専門領域は、地域精神保健、早期介入、若年者支援、精神保健教育、当事者・市民参画。学会活動としては、日本統合失調症学会評議員を務めるほか、日本社会精神医学会、日本精神障害者リハビリテーション学会、日本精神科救急医学会、日本看護科学学会に所属。
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