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【開催報告】認知症に関する医学的な研究における本人と家族等の参画の推進に向けたラウンドテーブルディスカッション(2025年2月4日)

【開催報告】認知症に関する医学的な研究における本人と家族等の参画の推進に向けたラウンドテーブルディスカッション(2025年2月4日)

日本医療政策機構では、認知症領域での活動開始以来、マルチステークホルダーがグローバルに連携できる認知症研究の必要性を訴えてきました。2017年には「認知症研究における官民連携体制の構築」を提言したほか、それ以降も認知症の本人と家族等を交えた国内外のキーオピニオンリーダーと共に研究推進に関する議論の場を定期的に構築しています。
2023年には「認知症の本人・家族と共に推進する研究開発体制の構築に向けて~共生社会と研究開発の両輪駆動を目指して~」と題した政策提言を取りまとめました。この政策提言では、認知症の原因疾患に対する診断・治療方法の開発といった医学研究のみならず、幅広い保健医療福祉分野、さらには自然科学・工学・人文社会科学、そして身近な商品・サービスの研究開発などを含めた「広義の認知症研究」における認知症の本人・家族等の参画の推進が必要であることを提言しました。

こうした提言や関係者間での議論を踏まえ、2023年に成立した共生社会の実現を推進するための認知症基本法では、「共生社会の実現に資する研究等の基盤を構築するため、…当該研究等への認知症の人及び家族等の参加の促進、…」(第二十条)が具体的に明記されました。認知症に関する医学的な研究においても、本人と家族等が研究者と共に研究を推進することによって、これまでになかった新しい気づき・視点・アプローチがもたらされ、それらは市民社会のみならずアカデミアの領域においても研究に新たな価値を創造することが期待されます。

研究における本人と家族等の参画の推進には、その論点や課題の整理、合意形成など、継続的なマルチステークホルダーによる議論の場が必要です。今回は、今後の継続的な会議体の組成に向けた意見交換を目的に、認知症の本人、家族、アカデミア、産業界などの関係者によるラウンドテーブルディスカッションを開催しました。



【出席者】(敬称略・五十音順)

池内 健(新潟大学脳研究所 生命科学リソース研究センター 教授)
市川 衛(メディカルジャーナリズム勉強会 代表/広島大学 医学部 客員准教授/READYFOR 株式会社 基金開発・公共政策室長)
岩坪 威(東京大学大学院 医学系研究科 神経病理学分野 教授)
小川 智雄(エーザイ株式会社 CEGフルフィルメント ニューロロジー 日本・アジア臨床開発部長(執行役員))
鎌田 松代(公益社団法人認知症の人と家族の会 代表理事)
進藤 由美(東京都健康長寿医療センター 健康長寿医療研修センター 副センター長)
新美 芳樹(東京大学医学部附属病院 特任准教授)
畠山 直久(日本イーライリリー株式会社 研究開発・メディカルアフェアーズ統括本部)
平井 正明(まほろば倶楽部 代表)

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