【パブリックコメント提出】「新型インフルエンザ等対策政府行動計画(案)」(2024年5月7日)
日本医療政策機構 薬剤耐性(AMR: Antimicrobial Resistance)チーム及び予防接種・ワクチンチームは、内閣官房内閣感染症危機管理統括庁による「新型インフルエンザ等対策政府行動計画(案)に対する意見募集」について、パブリックコメントを提出いたしました。
「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)」の前文にあるとおり、人類は多くの感染症を克服してきた一方、新たな感染症の出現や既知の感染症の再興といった脅威に直面しています。新型コロナウイルス感染症も、最後の感染症危機ではありません。次々と変化する事象に対し、「panic and neglect」を繰り返すのではなく、次なる危機の影響を最小限に抑えるため、平時の予防・備えに万全を期すと共に、有事の対応を強化していく必要があります。とりわけ、ワクチン、診断薬及び治療薬の研究開発や円滑で安定的な供給、感染症対策に関する人材の育成は喫緊の課題です。
2023年9月には、平時・有事それぞれにおける司令塔機能を強化するため、内閣感染症危機管理統括庁が設置されました。今般、新型コロナウイルス感染拡大の教訓を活かし、感染症の患者等に対するいわれのない差別・偏見等や偽・誤情報への対策も含めて、次なる危機への予防・備え・対応を強化するため、「新型インフルエンザ等対策特別措置法」に基づく「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」を改正することとなりました。
パブリックコメントのポイント
- 感染症の患者やその家族、医療従事者に加え、感染拡大の温床との疑いを持たれうる事業者に対する差別・偏見も防止すべきである。
- 有事におけるワクチン等の円滑な接種に貢献するだけではなく、重症化や死亡を可能な限り抑える意味でも、平時(準備期)の定期接種制度の在り方を見直すことが重要である。
- 危機への医療的な対抗手段となる重要性の高い医薬品等(MCM: Medical Countermeasures)を中心に、ワクチン、診断薬及び治療薬の研究開発を促進するにあたっては、複数年度にわたるプル型研究開発支援(インセンティブ)の付与が必要である。
- 感染症専門医や技術員等の人材育成が重要である。その際、本計画を定める内閣官房のみならず、厚生労働省、財務省や文部科学省との連携が不可欠である。
本件パブリックコメントに関し、詳しくはこちらをご覧ください。
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