【登壇報告】第12回日経・FT感染症会議 ~分断の時代に求められる新たな価値観は?~「議題1 国際連携 ~グローバルヘルス・セキュリティーの向上を目指して~」(日本経済新聞社、2025年10月7日、大阪府大阪市)
2025年10月7日、第12回 日経・FT感染症会議(主催:日本経済新聞社、共催:FINANCIAL TIMES)で、日本医療政策機構 代表理事・事務局長 乗竹亮治が「議題1 国際連携 ~グローバルヘルス・セキュリティーの向上を目指して~」の座長を務めました。
地政学的リスクの増大により、各国のリーダーシップ体制が変遷するなかで、薬剤耐性を含む新興・再興感染症に関する安全保障課題が拡大しています。自然由来の感染症だけではなく、生物兵器リスクや研究所からの流出リスクも考慮が必要です。
一方で、日本では感染症対策や保健医療分野での軍民連携や、軍民連携を伴った産官学連携は、戦後レジームの中でこれまで議論する場が限定的でした。これは、歴史的な反省にも立脚しており、アカデミアの独立性を担保するうえでも重要な視座ではあったものの、同時に、世界情勢や安全保障の現状、感染症対策における技術革新の負の影響などを考えると、イデオロギー論に陥ることのない、胸襟を開いた議論の場が必要になりつつあります。
そこで、会議では軍民連携を含む「産官学連携によるグローバルヘルス・セキュリティーの向上」を通底する中心テーマとして取り上げました。米国専門家からは政府全体のコーディネーション、軍民連携(Civil-Military Coordination)、日本のリーダーシップの必要性が指摘され、国内専門家からは具体的な課題と施策が提案されました。また、継続的な議論を期待する声とともに、オープンな場で多義的な議論を重ねることで、民主的参画とシビリアンコントロールの成熟にも繋がるとの意見も出されました。
【概要】(敬称略)※ご所属については第12回 日経・FT感染症会議 講師一覧に準拠
- 日時:2025年10月7日(火)9:30-11:30
- プログラム:議題1 国際連携 ~グローバルヘルス・セキュリティーの向上を目指して~
日経・FT感染症会議 座長
尾身 茂(公益財団法人結核予防会 理事長/世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局 名誉事務局長)
進藤 奈邦子(WHOヘルスエマージェンシープログラム バイオリスク管理ユニット長)
議題1 国際連携 ~グローバルヘルス・セキュリティーの向上を目指して~
モデレーター
乗竹 亮治(日本医療政策機構 代表理事・事務局長)

討議者(五十音順)
阿部 圭史(衆議院議員 日本維新の会)
北島 正章(東京大学 大学院工学系研究科 国際下水疫学講座 特任教授)
齋藤 智也(国立健康危機管理研究機構 危機管理・運営局 感染症危機管理部長)
相良 祥之(公益財団法人国際文化会館 地経学研究所 主任研究員)
澤田 拓子(塩野義製薬株式会社 副会長)
詫摩 佳代(慶応義塾大学法学部 政治学科 教授)
武見 綾子(東京大学 先端科学技術研究センター 准教授)
日下 英司(防衛省 大臣官房衛生監)
三木田 馨(防衛医科大学校 医学教育部医学科 国際感染症学講座 教授)
宮田 満(株式会社宮田総研 代表取締役)
Michael Peel(Science Editor Financial Times)

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