【登壇報告】グローバルヘルス合同大会2023「プラネタリーヘルスの使い方」(第64回日本熱帯医学会大会・第38回日本国際保健医療学会学術大会・第27回日本渡航医学会学術集会・第8回国際臨床医学会学術集会、東京都文京区、2023年11月26日)
日付:2023年12月5日
タグ: プラネタリーヘルス
日本医療政策機構 副事務局長 菅原丈二が、2023年11月24日(金)から11月26日(日)に開催されたグローバルヘルス合同大会2023(第64回日本熱帯医学会大会・第38回日本国際保健医療学会学術大会・第27回日本渡航医学会学術集会・第8回国際臨床医学会学術集会):グローバルヘルスの海へ~多様性を包摂する豊かさを求めて~における、長崎大学と国際協力機構(JICA: Japan International Cooperation Agency)による共催ワークショップ10「プラネタリーヘルスの使い方」に登壇いたしました。
本企画では、2024年に長崎市で開催される第8回グローバル・ヘルスシステム・リサーチ・シンポジウム(The 8th Global Symposium on Health Systems Research (HSR2024))に向けた取り組みの一環として、プラネタリーヘルスの理解を深めることを目的として開催されました。プラネタリーヘルスは、地球の自然システムへの人間の影響と、それが人間の健康や生命全体に与える影響を分析し、対処するための学際的な分野であり、社会運動です。このワークショップでは、20世紀以降の人口構造の変化や経済活動が生態系と人間の健康に与える影響について深く掘り下げることを試み、研究者、実践者、アドボカシーに携わる登壇者から、プラネタリーヘルスをどのように捉え、これからのグローバルヘルスにおいてどのように活用すべきかについての共有いたしました。
菅原からは、「UHCとプラネタリーヘルス」に関する視点について発表をし、ミレニアム開発目標(MDGs: Millennium Development Goals)から持続可能な開発目標(SDGs: Sustainable Development Goals)へと移行する国際社会において、特定の疾病への対応からヘルスシステムの強化へのアプローチの重要性が増していることに焦点を当てつつ、目標間におけるトレードオフの関係やコベネフィットの重要性について全体像を共有しました。また、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC: Universal Health Coverage)がこれらの考え方の基盤であり、同時に気候変動、生物多様性の喪失、環境汚染などの地球規模の課題が悪化している現状に対した進化が求められていることも指摘しました。そして、最後に、具体的な取り組みとして「気候変動と健康に関する変革的行動のためのアライアンス(ATACH: Alliance for Transformative Action on Climate and Health)」や「グローバル・グリーン・ヘルシー・ホスピタルズ(GGHH: Global Green and Healthy Hospitals)」などの事例を紹介しました。
■座長:
吉岡 浩太(長崎大学 プラネタリーヘルス学環)
小澤 真紀(独立行政法人国際協力機構(JICA))
■登壇者:
プラネタリーヘルスの視点はグローバルヘルスに必要なのか?
渡辺 知保(長崎大学 プラネタリーヘルス学環)
UHCとプラネタリーヘルス
菅原 丈二(特定非営利活動法人 日本医療政策機構)
地球と人間をつなぐ食べ方とは
野村 真利香(独立行政法人国際協力機構(JICA)/長崎大学大学院グローバルヘルス研究科/国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所)
カーボンプライシングとプラネタリーヘルス
昔 宣希(長崎大学)
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