【論文発表】「プラネタリーヘルスフレームワークの観点から日本の保健医療システムの持続可能性を再考する」が国際学術誌 Health Systems & Reformに掲載(2023年11月21日)
日付:2023年11月24日
タグ: プラネタリーヘルス
「プラネタリーヘルスフレームワークの観点から日本の保健医療システムの持続可能性を再考する(Rethinking Japan’s Health System Sustainability Under the Planetary Health Framework)」が国際学術誌 Health Systems & Reformに掲載されました。
本論文は、日本医療政策機構のプラネタリーヘルスプロジェクトによる取り組みをもとに執筆されています。当機構から主著者としてアドジャンクトフェロー 島袋彰、共著者としてプログラムスペシャリスト 南谷健太、そして副事務局長 菅原丈二 が参加しました。
ポイント:
- 20世紀以降の人口爆発と社会経済活動の増加といった人為的な活動が地球環境に大きな影響を与えており、地球環境の変化が人間の健康に悪影響を及ぼす可能性があることが警告されている
- プラネタリーヘルスフレームワークは、人間の活動が地球の自然システムに与える相互作用的な影響を、人間と地球上のすべての生命に焦点を当てて多面的に研究する学際的な分野であり、化石燃料から発生する温室効果ガス排出を原因とする気候変動について世界中の人間の健康に既に負の影響を及ぼしていることが報告されている
- 世界の動向に関して、世界保健機関(WHO: World Health Organization)による「気候変動と健康に関する変革的行動のためのアライアンス(ATACH: Alliance for Transformative Action on Climate and Health)などの気候変動に強く持続可能なヘルスシステムの構築に向けた動きが加速しており、プラネタリーヘルス・アライアンス(PHA: Planetary Health Alliance)など非政府団体等の活動もみられる。国際的な議論でも気候変動と健康は重要なトピックとなっている
- 一方、日本政府は気候変動と健康に関する政策に対して消極的な姿勢を示しており、プラネタリーヘルスの視点が不足している。気候変動と健康の分野において、持続可能な保健医療システムの構築する取り組みは限定的である
- 日本の保健医療システムの持続可能性を確保するためには、プラネタリーヘルスの原則に照らし、省庁間の協力、連携や投資、予防サービスや適切なケアモデルの奨励などの大規模な変更が必要となるが、そのような政策の実施には政府や関連組織のリーダーシップが不可欠であり、国際的な協力と調整も重要である
論文(英文)はこちら
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