【開催報告】国連NCDsハイレベル会合に向けたWHOとの連携を通じた市民社会の声明作成・発信(2025年5月2日)
2025年5月2日、ニューヨークの国連本部にて、「非感染性疾患(NCDs)およびメンタルヘルスに関する国連ハイレベル会合(HLM4)」に向けたマルチステークホルダー・ヒアリング(MSH: Multistakeholder Hearing)が開催され、各国政府、国連機関、市民社会、患者・当事者、若者代表、専門家などが登壇・意見交換を行いました。
本ヒアリングは、2025年9月に開催される第4回 国連NCDsハイレベル会合(HLM4: Fourth High Level Meeting)に向けた準備プロセスの一環として、加盟国および加盟国以外の団体がHLM4のアジェンダ設定およびその後、採択される政治宣言に向けて政策提言を行うことを目的に開催されました。
日本医療政策機構(HGPI: Health and Global Policy Institute)は、非感染性疾患(NCDs: Non-Communicable Diseases)に特化した世界保健機関(WHO: World Health Organization)市民社会作業部会(CSWG: Civil Society Working Group)の第3期メンバーとして、NCDおよびメンタルヘルス政策に関する国際的な市民社会ネットワークの一員として活動しています。この作業部会は、WHOが主導する協議体であり、NCDとメンタルヘルスの対策を強化するため、市民社会の提言やアドボカシー活動を通じて国際的な議論に貢献しています。
今回のヒアリングでは、当機構を含むCSWGを代表して約30団体が共同で策定したコンセンサス・ステートメントが発表されました。この声明では、NCD・メンタルヘルス対策を強化するために以下の5つの柱が提案されました:
- ガバナンスの強化:NCD当事者を含むすべての人々の参加と、産業界からの不当な影響を排除する制度づくり
- 保健システムの強化:プライマリ・ヘルスケアを基盤とした統合的な医療提供体制
- 健康を促進する環境の整備:大気汚染や不健康な製品への対応を含む、環境・商業・社会的要因への対策
- 持続可能な資金確保:不健康な製品への課税などによる財源確保とUHCの推進
- データと監視の強化:効果的な政策立案と進捗確認のための情報基盤整備
当機構からは、認知症、メンタルヘルス、腎疾患、肥満症、循環器疾患、がん等のNCDs個別疾患プロジェクトで培われた視点およびプラネタリーヘルスの視点についても盛り込むように提案しました。
声明の詳細は、こちらからご確認ください。(英語のみ)
当機構では、NCDsおよびメンタルヘルスに対する国際的な連携と加盟国のコミットメントをおよびアカウンタビリティを強化すべく、新たな政治宣言の採択を目指すHLM4に向けて、国内外のステークホルダーと連携を進め、貢献してまいります。
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