【開催報告】第1回「優れた医療へのアクセスを維持して無駄を削減するための取り組み」専門家ラウンドテーブル(2020年6月2日)
日付:2020年6月5日
日本医療政策機構は人生100年時代を迎える我が国の社会保障について議論するため、連続専門家ラウンドテーブル・ディスカッションを開催いたします。第1回では「優れた医療へのアクセスを維持して無駄を削減するための取り組み」について議論を行いました。
日本が1961年に国民皆保険制度を確立してユニバーサル・ヘルス・カバレッジを達成して以来、日本の医療保険制度は、世界トップクラスの長寿社会を支えてきました。さらなる人口の高齢化と継続する少子化は、「人生100年時代」における全世代型の社会保障制度を構築し、同時に医療イノベーションを促進して健康長寿社会を実現するための日本の取り組みを諸外国に示すことができる大きな機会となります。
当機構は2019年度に、多分野の専門家の方々を集結したタスクフォースで「医療システムにおける無駄の削減」「医療システムの改革にかかる費用は未来への投資」「疾病の回復だけではない健康寿命の延伸」という3つのコンセプトを共有し議論を重ねました。その議論をとりまとめた「日本の医療システム改革のためのグランド・コンセプト(ドラフト)」に沿って、ラウンドテーブル・ディスカッションを行い、第1回では効果的な医療のさらなる効率化のために無駄を削減する取り組みについて、議論を行いました。
本ディスカッションは、オンラインにてタスクフォースメンバーの方々とその他の有識者の方々にご参加いただき、医療技術評価(Health Technology Assessment)の実施の拡大や、多様なValueの捉え方、ミクロな医療財政の調整を支えるマクロ経済スライドを用いた医療費の調整などを中心に活発なディスカッションとなりました。
なお、本会議はコロナウィルス対策を鑑み、オンラインにて開催いたしました。
■概要
趣旨説明
マット マカナ二(日本医療政策機構 シニアマネージャー)
講演「支出の効率性を高める取り組み」
鎌江 伊三夫(東京大学公共政策大学院 特任教授)
講演「Value Based Medicineの考え方と手法」
五十嵐 中(横浜市立大学 医学群(健康社会医学ユニット)准教授/東京大学大学院 薬学系研究科 医薬政策学 客員准教授/日本医療政策機構 フェロー)
講演「医療システムを支える財源や支払いメカニズム」
小黒 一正(法政大学 経済学部 教授)
タスクフォース・ディスカッション
タスクフォース・メンバー(五十音順):
市川 衛(日本放送協会(NHK) 制作局第6制作ユニット新領域開発 チーフ・ディレクター)
梅津 光生(早稲田大学 医療レギュラトリーサイエンス研究所 所長)
齋藤 直一(ヤンセンファーマ株式会社 ポリシーインテリジェンス部 部長)
桜井 なおみ(キャンサー・ソリューションズ株式会社 代表取締役社長)
清水 央子(東京大学大学院薬学系研究科 ITヘルスケア社会連携講座 特任准教授)
長瀬 敏雄(ギリアド・サイエンシズ株式会社 執行役員 ガバメント・アフェアーズ シニアディレクター)
中村 洋(慶應義塾大学大学院 経営管理研究科 教授)
オブザーバー:
西川 和見(経済産業省 ヘルスケア産業課長)
八幡 道典(財務省 主計局 主計官)
モデレーター:
菅原 丈二(日本医療政策機構 シニアアソシエイト)
■2019年度に開催した関連イベント(開催日順)
2019年10月16日 第1回「医療システムの持続可能性とイノベーションの両立」タスクフォース会合:支出の効率性を高める取り組み
2019年11月5日 専門家フォーラム 社会保障を問い直す:これからの公的医療サービスの給付と負担の在り方~マルチステークホルダーが目指す国民皆保険制度~
2019年11月18日 第2回「医療システムの持続可能性とイノベーションの両立」タスクフォース会合:研究開発にかかる経費を効率的に管理するとともに、市場アクセスを改善する取り組み
2019年12月12日 第3回「医療システムの持続可能性とイノベーションの両立」タスクフォース会合:イノベーションのさらなる促進ためのプッシュ型およびプル型インセンティブの開発・普及
2020年01月16日 第4回「医療システムの持続可能性とイノベーションの両立」タスクフォース会合:より良い政策討議のための情報基盤/データ基盤の強化
2020年02月17日 第5回「医療システムの持続可能性とイノベーションの両立」タスクフォース会合:医療システムを支える財源や支払いメカニズム
2020年03月16日 第6回「医療システムの持続可能性とイノベーションの両立」タスクフォース会合:Value Based Medicineの考え方と手法
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