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【開催報告】ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の核心:アジア太平洋地域と日本における「経済的負担なき医療」の実現(2025年12月5日)

【開催報告】ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の核心:アジア太平洋地域と日本における「経済的負担なき医療」の実現(2025年12月5日)

この度、日本医療政策機構(HGPI: Health and Global Policy Institute)は、UHC2030、アジア開発銀行(ADB: Asian Development Bank)、UHC 2030のための市民社会参画メカニズム(CSEM: Civil Society Engagement Mechanism for UHC2030)、グローバルヘルス市民社会ネットワーク(GHネット)と共催で、アジア太平洋地域および日本におけるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC: Universal Health Coverage)、とりわけ医療費の自己負担による経済的困難からの保護(財政的リスク保護)に焦点を当てたラウンドテーブルを開催いたしました。

アジア太平洋地域では、依然として10億人以上が必要な医療サービスにアクセスできず、医療費負担が貧困化の主要な要因となっています。こうした課題を踏まえ、アジア開発銀行は各国の知見を共有する新たな相互学習ネットワークである「UHC実務者・専門家知見共有・リソース・ネットワーク(UHC PEERS: Universal Health Coverage Practitioners, Experts, Exchange and Resource)」の創設を発表しました。本ネットワークは、12月6日のUHCハイレベルフォーラムにて正式に発足した東京のUHCナレッジハブとも連携し、より質の高い政策づくりを後押しすることが期待されています。

本ラウンドテーブルでは、今年の国際UHCデーのテーマ「高額な医療費?もううんざりだ!(Unaffordable health costs? We’re sick of it!)」を踏まえ、国際的な動向と日本国内の課題をつなぎ、高額療養費制度の見直しや脆弱な人々への財政的保護の重要性について多角的な議論が行われました。オーストラリア、イギリス、アメリカ、フィリピン、ギニアビサウなど多様な国・地域から専門家が参加し、国内外の視点を交差させながら、UHC推進に向けた実践的な示唆が共有されました。本イベントは、単なる知識共有にとどまらず、UHCデーやUHCハイレベルフォーラムを契機として、市民社会をはじめとする様々なステークホルダーとともに、国内外双方の議論を深める貴重な機会となりました。


 

【開催概要】

 

■参加者(順不同・敬称略)

パメラ・シプリアーノ(UHC2030 運営委員会 共同議長)
マグダ・ロバロ(UHC2030 運営委員会 共同議長)
エドゥアルド・バンゾン(アジア開発銀行(ADB)人間社会開発セクター部 保健課長)
渡部 明人(アジア開発銀行(ADB)人間社会開発セクター部 保健スペシャリスト)
ジャスティン・クーニン(ACON 会長/元UHC政治アドバイザー/ジョージ国際保健研究所 特別フェロー)
ロバート・イエーツ(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)ヘルス 特任教授)
ワイスワ・ヌカンガ(マネジメント・サイエンシズ・フォー・ヘルス(MSH)/CSEM 事務局)
稲場 雅紀(アフリカ日本協議会 共同代表・国際保健部門ディレクター/グローバルヘルス市民社会ネットワーク(GHネット) 代表/CSEM 諮問委員会 元委員)
米良 彰子(世界の医療団 日本 事務局長/グローバルヘルス市民社会ネットワーク(GHネット)/CSEM 諮問委員会 前委員)
阿真 京子(「子どもと医療」 主宰/日本医療政策機構 フェロー)
河田 純一(慢性骨髄性白血病患者・家族の会「いずみの会」 副代表/東京大学 医科学研究所 公共政策研究分野 特任研究員)
奥瀬 正紀(日本乾癬性疾患協会 代表理事)
前村 聡(日本経済新聞社 編集委員)
菅原 丈二(日本医療政策機構 副事務局長/UHC2030市民社会参画メカニズム(CSEM)諮問委員会 委員)

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