【政策提言】プラネタリーヘルスの視点から考える2023年UHC政治宣言に対する期待(2023年9月8日)
2023年9月21日に国連ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)ハイレベル会合が開催され、それを受けて国連総会(United Nations General Assembly)においてUHC政治宣言(Political Declaration)として2023年10月5日に採択された決議(Resolution)の日本語訳(仮訳)を掲載します。なお、この日本語訳は参考のための仮訳であり、正確には原文をご参照ください。
原文(英語)は、こちらからダウンロードすることが可能です。
(2023年11月22日)
日本医療政策機構 プラネタリーヘルスチームは、提言「プラネタリーヘルスの視点から考える2023年UHC政治宣言に対する期待」を公表しました。
2023年9月に開催される国連総会に合わせて、20日には「パンデミック予防・備え・対応(PPPR: Pandemic Prevention, Preparedness and Response)」、21日は「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC: Universal Health Coverage)」、そして22日には「結核(Tuberculosis)」の3つのハイレベル会合*の開催が予定されており、各国による議論が行われます。
2019年に行われたUHCハイレベル会合では「UHC政治宣言」が採択され、各国政府が国連総会という場においてその重要性を認識し、各国における対策を進める上での重要なマイルストーンとなりました。また、国際機関や国連機関にとっても、国際的な対策を進めてくうえで重要な指針となっています。
日本政府は、これまでもUHCの国際的な推進について外交上の重要な課題とし取り組んできており、2022年5月には「グローバルヘルス戦略」も策定し、UHCはその中心的な議題にもなっています。2023年G7議長国である日本政府がUHCをさらに推進し人類社会の健康を増進させ、国際社会と歩調を合わせながら、「地球環境と健康(プラネタリーヘルス)」に関する国内外の議論をリードしていくことが期待されます。
当機構は2023年「UHC政治宣言(案)」の6つのパラグラフにおける人間(People)の健康を中心とした記載に対して地球(Planetary)の視点も追加する提案や、健康のリスクファクターの記述に気候・環境などの条件の追記などといった修正案を提言しました。
詳細は末尾のPDFをご覧ください。
また、WHOトラッカーによって公開された今回の第77回国連総会 UHC政治宣言(案)である”Rev2: Political Declaration of the High-level Meeting on Universal Health Coverage”についてはこちらをご覧ください。
なお、国立研究開発法人国立国際医療研究センター国際医療協力局による前回の第74回国連総会におけるUHC政治宣言(仮訳)についてはこちらをご覧ください。
■国連総会議長からの書簡-健康関連プロセスについての政治的草案:
9月1日に、国連総会(第77回セッション)の退任する議長が、3つの重要な国連会議に向けた最新の公式声明の草案を発表しました。これらの草案は、さまざまな問題において到達した共通の立場を反映しています。ただし、健康に直接関連しないいくつかの政治的な問題で合意に達することはできませんでした。これからは、国連総会(第78回セッション)の新しい議長が、これらの問題についてさらに交渉を続けるか、草案をそのまま承認のために国連会議に提出するかを決定することになります。
*第78回総会議長による「– パンデミック予防・備え・対応(PPPR: Pandemic Prevention, Preparedness and Response) – プログラムと発言者」書簡が公表された。これによると、日本からは外務大臣が参加を予定している。
*第78回総会議長による「– ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC: Universal Health Coverage) – プログラムと発言者」書簡が公表された。これによると、日本からは総理大臣が参加を予定している。
*第78回総会議長による「– 結核(Tuberculosis) – プログラムと発言者」書簡が公表された。これによると、日本からは厚生労働大臣が参加を予定している。
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