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【政策提言】「健康長寿時代の介護システムの構築」~現状から浮かび上がる5つの論点と、未来のための3つの視点~(2022年3月31日)

【政策提言】「健康長寿時代の介護システムの構築」~現状から浮かび上がる5つの論点と、未来のための3つの視点~(2022年3月31日)

日本医療政策機構(HGPI)は、超高齢化社会を迎えた日本を支える介護システムの在り方に関する政策提言「健康長寿時代の介護システムの構築」~現状から浮かび上がる5つの論点と、未来のための3つの視点~を公表しました。

社会的入院や家族の介護負担の増加などの高齢化の進展に伴う課題に対し、2000年には公的な介護保険制度がスタートし、そこから20年が経過した今、介護保険制度を中心とした介護システムは私たちの社会にとって欠かせないものとなりました。しかし、平均寿命の延伸に伴って高齢者は依然として増加傾向にあり、増え続ける介護ニーズは医療や年金などと並び、社会保障財政の持続可能性を危ぶむ要因となっています。また、介護保険構想時から四半世紀が経過し、人口構造の変化に加え、核家族化や共働き世帯の増加といった世帯構造の変化や雇用の多様化など、介護システムを取り巻く社会の姿、家族の姿、個人の姿は変化を続けています。こうした変化に対応するため、小手先の制度改正ではない、時代に即した抜本的な変革が求められています。

当機構では、このような認識に基づき、一人ひとりの尊厳が守られ、自らが幸せと感じられる生活を実現するための介護システムを目指して、多角的・学際的な視点から議論するためのタスクフォースを組成しました。本取りまとめでは、これまでのタスクフォースでの議論から抽出された今後の介護システムに関する5つの論点を整理しました。また、多岐にわたる論点から、当機構にて、「健康長寿時代にふさわしい介護システムの実現に向けた3つの視点」を策定しました。

2022年度以降、これらの視点を踏まえて具体的な改革案についても議論を深めてまいります。

 

■現状から浮かび上がる 5 つの論点

1. 個人、家族、社会の変化に対応しながら、一人ひとりの尊厳を尊重できる体制の構築
2. ケアの社会的な位置づけとケアや介護の専門性、質の評価体制の確立
3. ケアや介護の社会的価値を高め、多様なステークホルダーが関わりやすい環境の整備
4. 本人の生活を支える介護の均てん化に向けた、システムおよび介護提供体制の強化
5. 財政基盤の強化に向けた、支え合いの機運の醸成


■未来のための3つの視点

1. 社会に内在する格差に対応し、一人ひとりの尊厳を大切に
2. 必要な人に介護が行き届くよう、限られたリソースの効果的・効率的な活用を
3. 支え合いの機運が醸成される社会づくりを

 


■2021年度に開催した関連イベント

2021年8月12日 認知症政策プロジェクト「健康長寿時代の介護システムの構築に向けた『介護』の再定義」第1回タスクフォース会合
2021年10月1日 認知症政策プロジェクト「健康長寿時代の介護システムの構築に向けた『介護』の再定義」第2回タスクフォース会合
2021年12月20日 認知症政策プロジェクト 専門家会合「介護保険制度創設から20年を経て考える「健康長寿社会に求められる介護システム」の在り方」
2022年3月3日 認知症政策プロジェクト「健康長寿時代の介護システムの構築」第3回タスクフォース会合

 

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