【調査報告】グローバルヘルスに関する世論調査(2022年8月22日)
日本医療政策機構はグローバルヘルスに関する世論調査の結果を発表しました。
今回の世論調査は日本の全人口(年齢、性別、地域)を代表する1,000人を対象として、2022年3月に実施しました。
調査では、日本が保健分野において国際的に貢献すべきかどうかに関する意識を尋ね、40.3%が「そう思う」と回答しました。(図1)
また、国際貢献の手段として、政府開発援助(ODA: Official Development Assistance)の国民一人当たりの負担額について尋ねた質問では、他の経済協力開発機構(OECD: Organisation for Economic Co-operation and Development)加盟国の負担額と比較しても20.9%が「増やすべき」と回答しました(図2-1)。拠出額を増やすべきと考えている方は、国際貢献すべきと考えている割合が高いこともわかりました(図2-2)。
ODA拠出額を増やすべきと回答した方にいくら払うべきか許容額を問う設問では、10,000〜20,000円未満が最も多かったものの、金額の上昇に伴う減少などの傾向は見られませんでした(図3)。
ODAの中で保健分野に占める割合についても、総額と同様に20.2%が「現在の拠出額を維持すべき」もしくは「増やすべき」と回答しました。(図4)
次に、日本の保健分野における国際貢献について分野別に貢献の優先度を「低い」「どちらとも言えない」「高い」として意識を尋ねました。
結果としては「安全な水へのアクセスの改善」がもっとも優先順位が高く、半数以上の方々が優先順位を高いと回答しました。続いて、「子どもの健康(ワクチンを含む)」「飢餓と栄養不良の撲滅」が続きました。
「家族計画とリプロダクティブ・ヘルス・サービスへのアクセスの改善」に関する優先度は相対的に低いという結果となったものの、優先順位が「低い」と考える人の割合は大きく変わらず、「どちらでもない」と考える中間層の多さが目立ちました(図5)。
世界保健機関(WHO: World Health Organization)による2030年までに取り組むべき喫緊の国際的な健康課題について重要だと思う課題から3つを選択する形式で意識を尋ねました。「感染症の拡大を阻止する」「感染症の流行に備える」といった新型コロナウイルス感染症の影響を反映していると考えられる回答の順位が高いものの、同じ感染症にもかかわらず薬剤耐性(AMR: Antimicrobial Resistance)菌への対策については認識が低いことがわかりました。
当機構では、グローバルヘルスや女性の健康、薬剤耐性対策などに関する様々な活動を行っています 。プロジェクトの詳細については、下記をご覧ください。
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