【登壇報告】環境省 令和7年度 第3回「再生可能エネルギー熱『地中熱』に関する懇談会 ―医療施設における地中熱の役割―」(2025年11月26日、東京都中央区)
日付:2025年11月30日
タグ: プラネタリーヘルス
2025年11月26日、環境省が主催する令和7年度 第3回「再生可能エネルギー熱『地中熱』に関する懇談会」が開催され、日本医療政策機構(HGPI)シニアアソシエイトの鈴木秀がパネリストとして登壇しました。本懇談会は「医療施設における地中熱の役割」をテーマに、病院の脱炭素化と経営改善の可能性について議論が行われました。
地中熱とは:足元にあるクリーンなエネルギー
地中熱は、私たちの足元にある再生可能エネルギー熱(再エネ熱)のひとつです。深さ10m程度の地中温度は年間を通じて一定であり、「夏は気温より低く、冬は気温より高い」という特徴があります。この温度差を利用することで効率的な冷暖房が可能となり、省エネルギーや脱炭素、さらにはヒートアイランド現象の緩和にも貢献します。一般的に「地熱」は地球内部の熱を用いた発電を指しますが、「地中熱」は主に太陽エネルギーに由来する地下10~数百メートルの比較的低温(10~20℃)の熱を指し、空調や融雪に用いられます。主な利用方法としては、地中に熱交換パイプを挿入する「クローズドループ」や、地下水の熱を直接利用する「オープンループ」などのヒートポンプシステムがあります。
医療施設における導入の意義と課題
環境省では、2024年度(令和6年度)より本懇談会を開催し、地中熱の普及に向けた検討を行っています。第3回となる今回は、特にエネルギー使用量が大きい「医療施設」に焦点が当てられました。病院において、省エネ性能が高い地中熱システムの導入は、ランニングコストの低減だけでなく、安定した室内環境の提供という観点からも大きな期待が寄せられています。
パネル討論において鈴木は、医療政策の観点から以下のポイントを指摘しました。
- 経営改善と脱炭素の両立:病院経営におけるコスト削減の重要性と、再エネ導入による持続可能な経営モデルの構築
- 療養環境の向上:効率的かつ安定した空調管理が患者の快適性や健康に与える影響
- 導入のハードル:初期投資の負担といった課題に対し、公的支援や具体的な成功事例の共有が不可欠であること
本懇談会の詳細は 令和7年度「再生可能エネルギー熱「地中熱」に関する懇談会」 | 環境省(日本語)をご覧ください。当機構は今後も、健康課題と環境課題が交差するプラネタリーヘルスの視点から、持続可能な医療システムの実現に向けた政策提言活動を続けてまいります。
調査・提言ランキング
- 【政策提言】薬剤耐性(AMR)対策の更なる推進に向けて(2026年7月15日)
- 【政策提言】難聴プロジェクト「ライフコースを通じた切れ目のない難聴対策の実現に向けた政策提言ーすべての人が適切な聴覚ケアにアクセスできる社会の構築を目指してー」(2026年7月30日)
- 【政策提言】共同声明「地球と人の健康を同時に守る~気候危機を健康・経済・成長の『機会』に変える日本型プラネタリーヘルス戦略~」(2026年6月24日)
- 【政策提言】「研究開発への患者・市民参画(PPI)の実効性ある推進に向けて―疾患横断・省庁横断の体制整備に期待する―」(2026年6月30日)
- 【調査報告】CKD 診療における診療科間連携の実態と課題把握のためのヒアリング調査(2026年6月30日)
- 【お知らせ】UHC2030「2027年 国連UHCハイレベル会合に向けたタスクフォース」に参画(2026年7月6日)
- 【政策提言】慢性腎臓病(CKD)の早期発見・早期介入における確かな政策実装に向けて(2026年7月31日)
- 【調査報告】医療機関の省エネ・温室効果ガス排出削減事例集― 施設更新(新築・建て替え)に伴う実践事例 ―(2026年3月16日)
- 【調査報告】2025年 日本の医療に関する世論調査(2025年3月17日)
- 【調査報告】2026年 日本の医療に関する世論調査(2026年2月13日)
注目の投稿
-
2026-07-21
【お知らせ】第2回「黒川清賞」受賞者を発表
-
2026-07-22
【申込受付中】プラネタリーヘルスアカデミー第2期(2026年9月開講)
-
2026-07-31
【政策提言】慢性腎臓病(CKD)の早期発見・早期介入における確かな政策実装に向けて(2026年7月31日)
-
2026-08-05
【申込受付中】(オンライン開催)第4回J-PEPセミナー「日本のPPIの歴史と私のPPI」(2026年9月30日)
-
2026-08-07
【政策提言】循環器病プロジェクト「循環器病の早期発見・早期介入に向けた健診の実効性向上をめざしてー働く世代の健診後の受療行動に関する調査を踏まえー」(2026年8月7日)



