【活動報告】AMRに関する国連ハイレベル会合に向けたマルチステークホルダーヒアリング(2024年5月15日)
日付:2024年6月17日
タグ: AMR
日本医療政策機構は、AMRに関する国連総会ハイレベル会合に向けたマルチステークホルダーヒアリングにおいて、公式に認可・招待された参加者としてステートメントを提出しました。
マルチステークホルダーヒアリングは2024年9月開催の国連総会ハイレベル会合に向けた準備会合の1つとして、国連総会事務総長が主催しています。同ヒアリングは四機関連携(Quadripartite)として知られる、世界保健機関(WHO:World Health Organization)、国際連合食糧農業機関(FAO: Food and Agriculture Organization)、国際連合環境計画(UNEP:United Nations Environment Programme)及び国際獣疫事務局(WOAH:World Organisation for Animal Health)と、関連機関による支援のもと、2023年から2024年にかけて実施された第78回国連総会で採択された決議78/269に基づいて開催されました。
ステートメントのポイント
- AMRは医療システムの構造的な課題であり、疾病横断的な課題でもある。特定の疾病対策に比重が置かれた垂直的な国際パートナーシップの活動にもAMR対策の視点を統合し、AMR対策に人的・金銭的な資源を配分する必要がある。
- 国際社会は気候変動対策やESG投資の動きから学び、民間金融機関をAMR対策のパートナーとして認識し、連携する必要がある。
- AMRはヒト・動物・環境にまたがる領域横断的な課題でもあり、科学的な議論に基づくワンヘルスアプローチが重要である。「Health in All Policies(すべての政策に健康の視点を)」と同様、「AMR in All Policies」の発想に基づいた領域・部門横断的な取り組みが期待される。
- 特に、領域・部門横断的なAMR対策を推進するうえで、国際社会、地域、国家、コミュニティの役割だけではなく、地方自治体の役割を特定する必要がある。
- 抗菌薬の適正使用及びアクセスとの調和を念頭においたうえで、プッシュ型インセンティブ及びプル型インセンティブの導入を通じて抗菌薬の研究開発を促進する必要がある。また、抗菌薬の適正使用は検査の果たす役割が大きい。検査・診断支援の促進は2023年の第76回世界保健総会で採択された決議WHA76.5「検査・診断支援キャパシティの強化に関する決議(Strengthening diagnostics capacity)」との関連を考慮する必要がある。
- AMRを含む感染症領域の人材育成及びキャパシティビルディングを急ぐ必要がある。感染症の創薬研究者、感染症専門医、感染症医薬品や検査機器・試薬を扱う企業の減退や頭脳流出は国際社会の喫緊の課題である。
(写真:英国抗菌化学療法学会(British Society for Antimicrobial Chemotherapy))
調査・提言ランキング
- 【開催報告・論点整理】AI診断支援プロジェクト 専門家会合「AIによる診断支援時代を見据えた産官学民のそれぞれの役割」(2026年5月25日)
- 【政策提言】血液疾患領域における政策提言―患者・当事者中心の医療エコシステムの構築に向けて―(2026年4月13日)
- 【政策提言】認知症プロジェクト「認知症の人をケアする家族等を取り巻く認知症施策のこれから」(2026年4月27日)
- 【調査報告】がんに関する全国調査-がん対策基本法成立から20年を迎えて-(2026年4月28日)
- 【調査報告】2026年 日本の医療に関する世論調査(2026年2月13日)
- 【政策提言】持続可能な保健医療システムへの道筋-社会的合意が期待される三つの視点-(2026年1月22日)
- 【調査報告】「働く女性の健康増進に関する調査2018(最終報告)」
- 【調査報告】医療機関の省エネ・温室効果ガス排出削減事例集― 施設更新(新築・建て替え)に伴う実践事例 ―(2026年3月16日)
- 【調査報告】メンタルヘルスに関する世論調査(2022年8月12日)
- 【調査報告】2025年 日本の医療に関する世論調査(2025年3月17日)



