【政策提言】「患者・当事者と医療者のより良いコミュニケーションの実現に向けた提言 ~医療の供給側と受け手側の双方の力が同等に発揮される「フラットな医療システム」を目指して~」(2020年9月8日)
この度、NCDアライアンス・ジャパン/日本医療政策機構は、政策提言「患者・当事者と医療者のより良いコミュニケーションの実現に向けた提言 ~医療の供給側と受け手側の双方の力が同等に発揮される「フラットな医療システム」を目指して~」を公表しました。
日本医療政策機構では、心疾患、がん、糖尿病、慢性呼吸器疾患、メンタルヘルスなどに代表される非感染性疾患(NCDs: Non-communicable Diseases)対策を推進すべく、NCDsに関連した患者・当事者を含めた産官学民のステークホルダーが集まる協働プラットフォームとしてNCDアライアンス・ジャパンを運営し、政策提言、患者・当事者支援、調査・研究を実施しています。
近年、情報社会の進展や患者の権利意識の高まりを背景に、患者が十分な説明を受けないまま医師の治療方針に従うことが当たり前だった時代から、医療者が多くの情報を患者・当事者に提供した上で、十分なコミュニケーションをとって一緒に決めて行くというシェアードディシジョンモデル(SDM: Shared decision model)が重要視される時代へと変化しています。
一方で、医療における意思決定は、患者・当事者の心理状態や医療者と患者・当事者間の情報の非対称性、治療方針の決定が当人の生命やその後の生活に係わる重大な決断になり得ること等、他領域における意思決定にはない特徴を有しており、患者・当事者と医療者が協働し、それぞれが納得した上で意思決定を行うことは容易ではなく、多くの患者・当事者、医療者が課題意識を持っています。
NCDアライアンス・ジャパンは、今後の日本の医療政策において、医療サービスの供給側と受け手側が協働し、双方が持つ力を最大限に発揮できる「フラットな医療システム」の構築が必要と考えています。本提言では、世論調査、インデプス・インタビューを実施し、臨床場面における患者・当事者と医療者間のコミュニケーションにおける課題と協働を阻害する要因を包括的かつ疾患横断的に整理しました。そのうえで解決に向けた4つの視点と各ステークホルダーによる具体的なアクション例を提示しています。
今後は、本提言書をベースとして、より多くのマルチステークホルダーと意見交換を重ねることで、さらに活動を深化させ、政策の変革を目指してまいります。
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