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【講演】「リンクワーカーが拓く、日本の未来・福井の未来」(「若狭・認知症リンクワーカー樹の輪」主催講演会、2019年8月31日、福井県美浜町)

【講演】「リンクワーカーが拓く、日本の未来・福井の未来」(「若狭・認知症リンクワーカー樹の輪」主催講演会、2019年8月31日、福井県美浜町)

2019年8月31日、日本医療政策機構シニアアソシエイトの栗田 駿一郎が、福井県美浜町にて「リンクワーカーが拓く、日本の未来・福井の未来」と題し、講演を行いました。

本講演会は、地域で民間リンクワーカーの普及を目指す市民の会「若狭・認知症リンクワーカー樹の輪(きのわ)」が主催する年に一度の地域の医療介護関係者、行政、住民を対象とした講演会として開催されました。

リンクワーカーとは、英国スコットランドで実施されている認知症の診断後支援制度(PDS: Post Diagnosis Support)を提供するスタッフの名称です。認知症と診断された後、認知症の本人や家族は、その後の生活をどのようにして組み立てていくかをはじめ、様々な課題に直面します。日本でも診断後から、医療・介護サービスにつながるまでの期間を「空白期間」と呼ぶなど、その課題は世界共通です。スコットランドの診断後支援制度(PDS)は、こうした課題を解決するために有効な制度として注目されており、当機構では認知症支援NGOであるAlzheimer Scotlandと連携し、相互に訪問、意見交換を重ね、調査研究事業などを行ってまいりました。

 

今回の講演では、まず昨今の認知症政策の動向について解説し、政策決定過程において認知症の人や家族の声を届けることの重要性をお伝えしました。そして、認知症の人や家族、その介護者の権利が尊重されることを重要視しているスコットランドの認知症政策の歴史とその背景についてお話しました。彼らの権利を尊重するうえで、最も重視しているのが「自分のことを自ら決定する権利(自己決定権)」です。認知症になっても、自分のことを自分で決定できるように、スコットランドでは議会が「認知症の人とその介護者のための権利憲章」を定めたほか、診断後支援制度(PDS)としてリンクワーカーが一定期間自己決定の支援を行っています。

最後に栗田は、民間発のリンクワーカーを目指す会場の方々に、リンクワーカーとして、認知症の方や家族を単に支援するのではなく、「伴走者」として自立に向けて寄り添ってあげる意識を持つことが重要だとお話しました。そしてこれまでの調査研究などから、単にスコットランドの制度を「輸入」するのではなく、今の地域に存在する地域資源を正しく把握し、既存の専門職や制度との組み合わせを上手く考えながら進めていくべきであるとお伝えしました。

終了後は、地域の具体的な事例も交えながら、実際にリンクワーカーを普及させるための方向性、地域として大切にしたい理念などについて、具体的な意見交換が行われました。

また本講演会には、公益社団法人認知症の人と家族の会・鈴木 森夫代表理事も参加され、市民社会の強化の必要性や、リンクワーカーに倣った制度の狭間への支援の重要性について、お言葉を頂戴し、締めくくって頂きました。

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