【論文発表】「月経・更年期症状による経済的負担:就労世代女性におけるアブセンティーズムとプレゼンティーズムによる生産性損失」が学術誌 Reproductive Health に掲載(2026年5月30日)
日付:2026年6月16日
タグ: 女性の健康
日本医療政策機構(HGPI:Health and Global Policy Institute)女性の健康プロジェクトの調査研究に基づく論文「月経・更年期症状による経済的負担:就労世代女性におけるアブセンティーズムとプレゼンティーズムによる生産性損失(Financial burden of menstrual and menopausal symptoms: productivity loss from absenteeism and presenteeism among working-age women)」が、国際学術誌 Reproductive Health に掲載されました。
本論文は、当機構が女性の健康週間に合わせて2023年3月に公表した調査報告書「社会経済的要因と女性の健康に関する調査提言」の基礎データを用いたものです。全国の25歳から59歳の男女10,000名を対象に2022年9月に実施したインターネット調査のうち、就労中の女性3,046名の回答を分析し、検証済みの労働生産性・活動障害質問票(WPAI)を用いて、月経および更年期に伴う症状による生産性損失(アブセンティーズムおよびプレゼンティーズム)の経済的影響を国レベルで推計しました。
主な結果は以下のとおりです。
- 就労女性の約7.0〜8.8%が、症状を理由とする欠勤または労働時間の短縮を経験していた。
- 月経・更年期に伴う欠勤は、直近3か月で2〜3日の休業および2〜5時間の労働時間短縮に相当していた。
- 79.7%の女性が、月経または更年期の症状が仕事の生産性に影響したと回答した。
- これらの症状による生産性損失に起因する全国レベルの経済的負担は年間約2兆2,963億円(約146.5億ドル)と推計され、その内訳はアブセンティーズムによるものが約3,240億円(約20.7億ドル)、プレゼンティーズムによるものが約1兆9,724億円(約125.9億ドル)であった。
本研究は、就労世代女性の月経・更年期に伴う症状への対応が、ジェンダーに配慮した働きやすい職場環境の整備にとどまらず、大きな経済的効果を生み出しうることを示すものです。女性が社会経済活動に十分に参画できる環境を実現するため、女性のセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスのニーズに応える職場の取り組みが求められます。
本論文は、上記調査の基礎データを用い、責任著者である岡本翔平氏(筑波大学 准教授)を中心とする研究チームによって取りまとめられました。当機構からは鈴木秀(HGPI アソシエイト)、坂元晴香(HGPI シニアマネージャー)が共著者として参加しました。
掲載された論文「Kasahara S, Goto R, Suzuki S, Sakamoto H, Okamoto S. Financial burden of menstrual and menopausal symptoms: productivity loss from absenteeism and presenteeism among working-age women. Reproductive Health (2026).」は、こちらからご覧いただけます。(英語のみ)
本論文の基礎となった調査報告書「社会経済的要因と女性の健康に関する調査提言」は、こちらからご覧いただけます。
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