【活動報告】「気候変動から地域社会を守るための5つの政策提言」策定対話に当機構が参画(2026年4月9日)
日付:2026年5月1日
タグ: プラネタリーヘルス
日本医療政策機構(HGPI: Health and Global Policy Institute)は、ヘルスケア・ウィザウト・ハーム(HCWH: Health Care Without Harm)が主催した「知識から行動への対話(Knowledge-to-Action Dialogue)」に参加し、2026年4月9日に発表された政策提言文書「気候変動から地域社会を守るための5つの政策提言(Five recommendations to protect communities from a changing climate)」の策定に貢献しました。
当機構は2025年11月にHCWH東南アジアと覚書(MOU)を締結し、グローバル・グリーン・アンド・ヘルシー・ホスピタルズ(GGHH: Global Green Healthy Hospitals)ネットワークの提携団体(アフィリエイト)として、日本における気候変動と健康の統合的な取り組みを推進しています。今回の対話には、副事務局長の菅原丈二が参加し、この国際的なパートナーシップを通じて政策提言の形成に日本の視点を提供しました。
【対話の背景と概要】
本提言は、2025年版「ランセット・カウントダウン 健康と気候変動に関する報告書」の5つの主要指標に基づき策定されました。世界21の組織から30名の医療・保健専門家が参加した対話では、気候変動がもはや遠い環境問題ではなく現在進行形の「健康危機」であるという認識のもと、各国・地域政府が取るべき具体的な政策行動について議論が重ねられました。
■5つの政策提言
本提言では、以下の5つの優先政策行動が示されています:
- 気候・健康脆弱性評価の義務化と資金確保
分野横断的な連携のもと、国および地方レベルで定期的な脆弱性・適応評価を法的に義務付け、専任担当者の配置と安定的な財源を確保する。
- 実践的・多主体的な緊急時対応体制の構築
熱波・洪水・山火事などの気候関連健康危機に備え、早期警戒システム、病院のレジリエンス、サージキャパシティ計画を強化し、高次政策から現場で機能する実践的な対応へと移行する。
- 専門職教育における気候・健康教育の制度化
医学・看護・コメディカルの基礎教育および継続教育において、気候変動と健康を必須コンピテンシーとして組み込み、学生をパートナーとしたカリキュラム設計を推進する。
- 保健医療主導のクリーンエア・アドボカシーの強化
地域レベルの研究拡充、国家フォーラムの設置、ストーリーテリングを通じて、化石燃料からの脱却とクリーンエネルギー移行を健康保護の観点から推進する。
- 保健医療セクターの脱炭素化の制度的組み込み
科学的根拠に基づく目標設定、持続可能な調達、廃棄物削減を通じた保健医療システム全体の脱炭素化を、医療経済・規制・品質評価システムに統合する。
日本への示唆
これらの提言は、日本が直面する熱中症死亡者数の増加、大気汚染による疾病負荷、保健医療システムの気候変動への脆弱性といった課題に対して重要な示唆を提供しています。特に「制度化」「経済・財政面での説得力」「文脈に応じたローカライズ」「マルチステークホルダー連携」という横断的原則は、日本の政策文脈においても適用可能な重要な視点です。
報告書の全文はこちらからご覧ください:
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