【講演報告】「気候変動の影響に対する保健・公衆衛生システムの強靭性向上:日英間の学び」(JSPS-AMS政策ワークショップ、2024年10月16日~17日、イギリス・ロンドン)
日付:2024年11月7日
タグ: プラネタリーヘルス
日本医療政策機構副事務局長の菅原丈二が、2024年10月16日から17日まで英国医学アカデミー(AMS: Academy of Medical Sciences)と日本学術振興会(JSPS: Japan Society for the Promotion of Science)がロンドンで開催した国際政策ワークショップ「気候変動の影響に対する保健・公衆衛生システムの強靭性向上:日英間の学び」に参加しました。
近年の環境災害により、特に社会的に脆弱なコミュニティに不均衡な影響が及ぶなど、我が国の保健システムの脆弱性が露呈しました。気候変動の深刻化に伴い、このような災害の頻度と規模はさらに増大し、既存の保健医療インフラにさらなる負担をかけることが予想されます。こうした課題への強靭性(レジリエンス)を構築するため、本ワークショップは、日本と英国の多様な分野の専門家間の知識と好事例の共有を促進し、これらの問題に関する国際協力を推進することを目的として開催されました。
本ワークショップには、日本と英国の学術界、研究機関、政策立案機関などからの専門家が参加し、両国の現行の保健医療システムの現状について議論し、より強靭な保健・公衆衛生システムの構築に資する具体的な事例を検討しました。また、地球規模の健康の文脈において健康格差を縮小しつつ、この分野における重要な知識ギャップ、優先事項、課題について議論を交えました。
菅原は、日本における保健・公衆衛生システムの課題と機会について講演しました。また、日本の医療政策の変遷を紹介し、政府と市民社会組織の連携を強化することで、新たな課題に対応していくことの重要性を強調しました。特に、多様なステークホルダーの関与が、政策の深化と理解、そして影響評価の両方に重要な役割を果たすことが強調されました。
ワークショップは、参加者間の合意形成により終了し、今後の協力に向けた共通理解と戦略をとりまとめました。当機構は、多様なステークホルダーとエビデンスに基づくアプローチを通じて、気候変動とその人間の健康と保健医療システムへの影響による課題に取り組むことに引き続き取り組んでまいります。
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