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【講演報告】「気候変動および感染症対応におけるイノベーション」(ADB-ADBI政策対話、2024年7月17日、東京)

【講演報告】「気候変動および感染症対応におけるイノベーション」(ADB-ADBI政策対話、2024年7月17日、東京)

日本医療政策機構 副事務局長の菅原丈二が、2024年7月17日にアジア開発銀行(ADB)およびアジア開発銀行研究所(ADBI)が主催した「気候変動適応への投資:マラリアと結核に対する革新的な気候変動誘発感染症対策」をテーマにした政策対話におけるパネルディスカッション「感染症に対する保健医療システムの強化と資金調達」に登壇しました。イベントには、長崎大学、グローバルファンド、Malaria No More Japan、Stop TB Partnershipなどのパートナーが協力し、健康と気候変動の専門家やフィリピン、インド、ソロモン諸島などの政府関係者が集まりました。

本イベントは、気候変動が健康に与える影響、特に結核やマラリアなどの感染症の広がりに焦点を当てました。さらに、これらの課題に対処するための革新的な技術とデータ解析ツールを紹介することを目的として開催されました。


政策対話では、気候変動が結核やマラリアなどの感染症の拡大にどのように影響を与えるかを解説し、経済的、社会的、保健医療システムへの影響についても言及されました。また、結核診断技術の最新の進展と、診断上の課題および解決策について探求しました。マラリアの流行状況、検出方法、治療アプローチに関する現状と課題についても議論され、気候変動がもたらす健康課題に対する革新的な技術とデータ解析ツールの役割が強調されました。

菅原はパネルディスカッションにおいて、結核とマラリアを含む感染症は、その宿主の行動が変わる形で気候変動の影響を受けるだけでなく、保健医療システムが、気候変動によって変化する医療需要に適応する必要性を指摘しました。また、アジア太平洋地域においては、急激に進行する高齢化や非感染性疾患への対処と並行して気候変動へも対応が求められるため、その変革的な取り組みは決して容易ではないと示唆しました。一方で、気候変動対策と同時に進めることによって、これまでの保健医療分野を中心とした資金だけでなく、新たなパートナーとの新しい切り口の取り組みにもつながる可能性があり、それをブレークスルーとして活用することが期待されると強調しました。

政策対話の成果をもとに、ADBやADBIなどを中心に気候変動が感染症に与える影響についての政策提言や、技術革新を活用した結核およびマラリア対応のためのイノベーションプレイブックが作成される予定です。当機構では、今後も引き続き、気候変動と健康に関する課題解決に向けた取り組みを推進してまいります。

詳細はこちら(英語のみ)をご覧ください。

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