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【開催報告】HGPIセミナー特別編「薬剤耐性(AMR)時代におけるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ」(2022年8月18日)

【開催報告】HGPIセミナー特別編「薬剤耐性(AMR)時代におけるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ」(2022年8月18日)

今回のHGPIセミナーでは、2名のスピーカーをお迎えして、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC: Universal Health Coverage)、グローバル・ヘルス・セキュリティ、そして薬剤耐性(AMR: Antimicrobial Resistance)との関連について議論していただきました。

このウェビナーは、日本医療政策機構(HGPI: Health and Global Policy Institute)、AMRアライアンス・ジャパン、アジア欧州財団(ASEF: Asia-Europe Foundation)の共催で開催しました。

<講演のポイント>

  • AMRは2019年だけでも世界で約127万人の直接的な死因となり、推定495万人の死亡に関連する。UHC確立の度合いや保健医療システムの成熟度に依らず、あらゆる国がAMRの影響を受けるため、世界が協調してAMR対策を進める必要がある
  • COVID-19パンデミックは健康安全保障と公平性の維持確立のために、弾力的な保健医療システムとUHCがいかに重要であるかを明らかにした。健康安全保障の確立に向けた国際協調の在り方に関する議論にAMR対策の視点も組み込むべきである
  • AMR対策は国際協調が重要である。ただし、ある特定の国で機能する制度が他国においても最善であるとは限らない。好事例を共有しながらも、各国の保健医療システムを尊重した制度設計を進めるべきである
  • AMR対策としてプル型インセンティブを導入する際は、インセンティブ機能と適正使用(スチュワードシップ)との両立を目指すべきである
  • 2015年5月の世界保健総会におけるグローバル・アクション・プランの採択後、2016年に日本でも数値目標が設定された独自の5か年計画のAMR対策アクションプランが策定され、関係閣僚会議やワンヘルス動向調査において達成状況等の評価が毎年行われている。2023年3月までに次期AMR対策アクションプランに向けた改訂作業を実施する
  • 2023年G7広島サミットでもAMRが主要アジェンダとして議論される期待が高い

 

森川 徹氏 開会の挨拶 1

AMRは全ての人にとって脅威である。最近の研究によると、AMRは2019年だけでも世界で約127万人の直接的な死因となり、推定495万人の死亡に関連するとされている。また、5歳未満の5人に1人の子どもたちはAMRによって命を落とす。2019年にはHIV/AIDSが86万人、マラリアが64万人の死亡をもたらしていることから、他の疾病と比較してもAMRが世界にとって極めて大きな公衆衛生上の脅威といえる。世界保健機関(WHO: World Health Organization)の報告によるとCOVID-19は、その感染拡大以来、過去2年間で650万人の死者を出している。AMRはCOVID-19に匹敵するパンデミック状態にあり、早急な対策が必要である。

アジア欧州財団公衆衛生ネットワーク(ASEF PHN: Asia-Europe Foundation Public Health Network)では、2018年にネットワーク設立の10周年記念として日本外務省と共催イベントを実施した。イベントでは、UHCとAMRの関連性が強調されると共に、AMRが原因で保健医療システムの持続可能性が揺らいでいるとの指摘がなされた。世界の多くの国において、保健医療システムは有効かつ安価な抗菌薬が容易に入手できることを前提に構築されている。しかし、AMRの蔓延はもはや抗菌薬の有効性を担保できなくなることを意味している。

実際に欧州連合域内におけるAMRのコストは、医療費支出と生産性損失の合計で年間15億ユーロと推定されている。今後、抗菌薬の適正使用(スチュワードシップ)が推進されなければ、UHCによって抗生物質へのアクセスが増加し、AMRのリスクをさらに高める可能性があることが確認されている。また、AMR対策を講じなければ、AMRによる死亡者数は2050年までにがんを上回る年間1000万人に上り、さらに、GDPが3.8%減少すると言われている。

AMR対策には国際協調が必要である。既にUHCと健康安全保障の確立に向けた国際協調の在り方について議論が始まっているが、COVID-19パンデミックの教訓に基づき、AMR対策の視点も議論に組み込まれるべきである。

 

木本 理子氏 開会の挨拶 2

COVID-19パンデミックは、健康安全保障と公平性の維持確立のために、弾力的な保健医療システムとUHCがいかに重要であるかを浮き彫りにした。

そこで、2023年2月にアジア欧州財団(ASEF : Asia Europe Foundation)では、UHC in an Era of AMR and Pandemics(AMRとパンデミックの時代におけるUHC)と題して、2018年に開催されたイベントのフォローアップイベントを開催予定である。本イベントは、4つのテーマで構成される予定である。

テーマの1つ目は「UHCとAMR」である。2018年に開催されたイベントを踏まえ、効果的なAMR対策に必要な医療保健システムの改善点について、AMRと医療保健システム双方の専門家と共にさらに踏み込んだ議論を展開していく。2つ目は「抗菌薬の研究開発と商業化」である。持続可能な抗菌薬の研究開発を支援する医療保険システムの在り方を議論する。議論の準備としてASEF PHNでは、2022年9月にワシントンD.C.にて開催される世界AMR会議において、パネルセッションおよびラウンドテーブルを実施予定である。3つ目は「UHCとAMRと GHS」である。パンデミック対策の一環として、UHCに根ざしたAMR対策を進める重要性について議論する。現在交渉中のいわゆるパンデミック条約にはAMRへの予防・備えおよび対応を含むべきである。AMRの緩和は持続可能なUHCの構築に役立ち、持続可能なUHCは将来のパンデミックへの備えになると考えられる。したがって、医療保健システムを通じたAMR対策への投資は、国の安全保障と世界の健康保障への投資と同義であるといえる。4つ目は「国際協力とセクター間協力の役割」である。持続可能で安全な未来のためには、各国が自国の保健システムにオーナーシップを持ちながらも、さらなる国際協調が求められる。ASEFはこのイベントを通して、AMR対策に効果的な国際協力を促しながら、持続可能なUHCの構築を支援し、より良いグローバルヘルスと健康安全保障の実現に繋げたいと考えている。

 

Nick Crabb氏「イギリスにおける保健医療システムとAMRサブスクリプションモデル」

 AMRの臨床的背景とAMR対策の必要性 抗菌薬市場における市場の失敗

AMRは、私たちが今世紀に直面する最も差し迫った世界的課題の1つである。英国では抗菌薬の使用量を減らしているにもかかわらず、2013年から2017年にかけてヒトの薬剤耐性血流感染症が35%増加した。

ある病原体に効果がある抗菌薬が複数存在する場合や既存のもの以外にも開発が進んでいるケースは稀で、優先病原体を対象とする抗菌薬に関しては尚更稀である。優先的に標的とすべき病原体に対して有効な抗菌薬は、適正使用(スチュワードシップ)の観点からその使用が厳格に制限される必要がある。しかし、薬剤耐性菌感染症のアウトブレイク等が発生せず、抗菌薬の使用量(販売量)が抑制的な期間が続くと、売上は最小限に留まってしまう。そもそも、アウトブレイクの頻度に関わらず、適正使用の観点から抗菌薬の使用量(販売量)が一定程度に到達し、収益の見込みがたつまでには特許期間を超える長い年月を必要とするおそれがあり、事業として投資が回収しづらい。抗菌薬市場は構造上、市場の失敗に陥っているといえる。

新規抗菌薬は、既存の抗菌薬に代替する選択肢として使用されることで、「循環型」の適正使用の一環として既存の抗菌薬を温存させることもできるため、本来であれば大きな価値を有している。しかし、ジェネリックを含む既存の抗菌薬と比較すると、相対的に高価であるため、使用が回避される傾向にあり、新規抗菌薬の開発はますます魅力が低減してしまい、市場の失敗から抜け出しづらい状況にある。


サブスクリプションモデルの試行的導入に至るまでの流れ

抗菌薬市場の抱える課題に対処するため、英国では2015年に官民によるAMRワーキンググループを発足させ、さらに保険償還と抗菌薬の評価に焦点を当てたサブグループを設置した。議論の結果、プル型インセンティブとして、サブスクリプションという革新的な支払いモデルを導入する原則は早期の段階で大筋合意に達した。

しかし、抗菌薬の価値を評価するにあたり、その全体像の把握が困難であったため、2017年にイギリス保健省(DHSC: Department of Health and Social Care)の経済評価政策研究ユニット(EEPRU: Policy Research Unit in Economic Methods of Evaluation in Health & Social Care Interventions )に抗菌薬の評価手法の検討を委託し、2018年にEEPRUから報告書「医療経済モデリングと専門家の意見に基づいた実用的な評価の枠組みの範囲」(英語のみ)が発表された。その後2019年には「AMRに関する英国5カ年国家行動計画」(英語のみ)が策定され、抗菌薬の公衆衛生上の価値を予測する新しいモデル(サブスクリプションモデル)の試行的導入が確約された。

サブスクリプションモデルの試行的導入に向けて、2019年にはステークホルダーとの対話、商業・評価フレームワークの検討、さらには契約形態の設計を進めた。その後、2020年に入札を実施し、価値評価及び支払いの対象となる2つの抗菌薬を選定した。2022年4月にはそれぞれの抗菌薬に対する評価を終え、同年7月1日からサブスクリプションモデルの試行的導入を開始した。試行的導入の開始をもって、企業への払い戻し(償還)に際して、英国国民保健サービス(NHS: National Health Service)に対する価値を基準とした、革新的な支払いモデルの開発と試行を実現したといえる。大きな目的を一つ達成することができた。

しかし、試行的導入のもう一つの大きな目的は、インセンティブ機能と適正使用(スチュワードシップ)との両立である。抗菌薬の価値に対する支払いが、企業が抗菌薬の研究開発や上市を促進するプル型インセンティブとして機能しながらも、企業が適正使用の範疇を越えて抗菌薬を過剰に使用(販売)しないように設計が必要であった。そのため、試行的導入の段階から責任ある適正使用に関するハイレベル指針を作成し、企業等に提供した。例えばセフタジジム・アビバクタムの場合は、微生物学または感染症の専門家の助言に従い、臨床医は代替治療法がほとんどない場合にのみ投与する必要がある。そのため指針でも、セフタジジム・アビバクタムは微生物学的な感受性試験または遺伝子検査により、感受性が確認された場合、あるいは感受性を持つと予想される感染症で緊急に治療が必要な場合に限り使用するよう明記している。


サブスクリプションモデルの試行的導入の成果と今後の展望

試行的導入の成否は3つの視点から捉えられる。第一は、医療技術評価(HTA: Health Technology Assessment)のフレームワークに基づいて導きだした価値評価に対して、合意形成ができたかどうかである。第二に、適正使用(スチュワードシップ)に資する支払いモデルの枠組みを形成できたかどうかである。そして、第三は、英国以外の国々でも抗菌薬に対するプル型インセンティブ制度を導入し、企業の投資拡大を刺激する仕組みを検討することであった。

 どれも一定程度の成果を残すことができたが、その背景にはAMRが臨床上も公衆衛生上も喫緊の課題として世界で共有されており、抗菌薬に対するプル型インセンティブ導入の要性が広く理解されていた点が挙げられる。また、DHSCと政治のリーダーシップが非常に高いレベルで発揮されたことも見逃せない。強力なリーダーシップのみならず、イギリス国立医療技術評価機構(NICE: National Institute for Health and Care Excellence)、NHS等の複数の省庁が効果的に連携できた点も大きいだろう。

 今後は、プル型インセンティブのグローバルな導入が肝要と考えている。英国が導入したサブスクリプションモデルの原則は広く適用可能だが、医療経済学に基づく抗菌薬の定量的評価は非常に複雑である。そのため、定期的に医療経済学に基づく定量的評価を実践することが、必ずしも最善とは限らないと留意する必要がある。英国では試行的導入の経験を活かして、抗菌薬の評価に関するフレームワークの改善と簡略化を進めている。

 

日下 英司氏「AMRのナショナルアクションプランとアジア太平洋協力」

AMRに関する国際社会の動向

2015年5月の世界保健総会では、「薬剤耐性(AMR)に関するグローバル・アクション・プラン」が採択され、加盟国に対する2年以内の自国の行動計画の策定が求められた。

その翌月のドイツ先進国7カ国首脳会議(G7)エルマウサミットでは、薬剤耐性が主要課題の1つとして扱われ、世界保健機関(WHO)のグローバル・アクション・プランの策定を歓迎するとともに、ワンヘルス・アプローチの強化と新薬等の研究開発の必要性について議論された。翌2016 年には、日本でG7伊勢志摩サミットが開催され、国際保健のためのG7伊勢志摩ビジョンでは、AMRの対応強化と研究開発の推進が挙げられた。その後もG7では、保健大臣会合だけでなく首脳会合や財務大臣会合等でも、AMRは主要な議題の1つとして議論が続けられている。


AMR
のナショナルアクションプラン(NAP: National Action Plan on Antimicrobial Resistance

国際的にAMR対策の重要性が高まるなかで、我が国においても2016年4月、関係閣僚会議においてAMR対策アクションプランが制定され、2016年から2020年の5年間で行うべき取り組みが策定された。

日本のアクションプランは、「普及啓発・教育」「動向調査・監視」「感染予防・管理」「抗微生物剤の適正使用」「研究開発・創薬」「国際協力」という6つの柱で構成され、それぞれの分野について、目標と目標を実現するための戦略・取り組みが設定されている。

アクションプランでは、数値目標が設定されている。具体的には策定から5年後の2020年に、ヒトに関しては、肺炎球菌、大腸菌等の細菌に対する薬剤耐性を0.2~25%以下に維持または低下させること、抗菌薬使用量を2013年の水準の3分の2に減少させることなどが設定されている。一方で、動物に関しては、大腸菌の3剤の薬剤耐性について、G7各国と同水準とする等の指標が設定されている。

具体的な施策として、「継続的な動向調査・監視」については、2017年よりワンヘルス動向調査を毎年実施している。この動向調査は適切に施策を進めるための重要な戦略と位置づけられている。「抗微生物剤の適正使用」については、「抗微生物薬適正使用の手引き」およびそのダイジェスト版を作成し、臨床現場での普及に努めている。「研究開発・創薬」の一例としては、タイ・ミャンマーで収集したカルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE: Carbapenem Resistant Enterobacteriaceae)株の全ゲノム解析結果を世界各国のゲノムデータと比較し、耐性菌のグローバルな伝播状況を解析するとともに、CREの新規カルバペネム耐性増強メカニズムを新たに複数解明した。国際協力では、AMRワンヘルス東京会議の開催や同会議における研究開発ワーキンググループを担当し、アジア・太平洋諸国の有識者らとAMRの発生状況や研究動向について情報共有し、取り組むべき課題についての意見交換を行った。また、厚生労働省では令和2年度よりグローバル抗菌薬研究開発パートナーシップ(GARDP: Global Antibiotic Research and Development Partnership)へ資金を拠出し、抗菌薬の研究開発に対する支援を行っている。


アジア太平洋地域での協働

国際協力、特にアジア太平洋地域におけるAMR対策の取り組みとしてAMRワンヘルス東京会議がある。AMRワンヘルス東京会議は、2016年4月に開催され「AMRに関するアジア太平洋ワンヘルス・イニシアチブ(ASPIRE: Asia-Pacific One Health Initiative on AMR)」の創設を宣言した、アジアAMR東京閣僚会議を引き継ぐ会議体である。ASPIREでは、アジア太平洋地域おいて、AMRが及ぼす課題を共同で同定し、取り組むことを目的としている。ASPIREの主要な活動領域は、サーベイランスシステムと検査機関ネットワーク、医療マネジメント、抗微生物剤のアクセスと規制、研究開発の4項目である。

2022年2月のAMRワンヘルス東京会議では、この4項目についてワーキンググループを設置し、日本はサーベイランスシステムと検査機関ネットワーク、医療マネジメントの2項目で議長を務めることとなった。今後は、アジアにおける耐性菌サーベイランスシステム(ASIARS-Net: Asian Antimicrobial Resistance Network)の構築、医療関連感染のリスク評価に関するガイダンス作成、日本の「抗微生物薬適正使用の手引き」の多言語化、アジア各国でのゲノムサーベランスの実施を通じて、アジア太平洋地域のAMR対策に貢献していく。


AMR
対策のこれから

日本のAMR対策アクションプランの達成状況および指標は、関係閣僚会議において毎年評価が行われ、ワンヘルス動向調査年次報告により数値目標が評価されている。大腸菌のカルバペネム耐性率等の指標は改善傾向にある一方、さらなる努力が必要な指標も未だ多いため、国際動向を踏まえた継続的な対応が必要であると考えている。

次期AMR対策アクションプランは、上記の評価結果も考慮に入れ、今年度末までの見込みで策定を進めている。国際連携及び産官学連携を通じた、ヒト、動物、環境のAMRリスクを横断的に評価できる研究体制の推進についても検討していく。

AMR対策においては、国際協力が不可欠である。今年のドイツのG7保健大臣会合においても、AMRは3つの主要議題のうちの1つに取り上げられた。2022年8月現在、厚生労働省では来年のG7開催に向けて、保健分野における主要議題を検討している段階である。サイレントパンデミックと称されるAMRが将来、公衆衛生上の重大な危機を引き起こすことのないよう対策に全力を尽くすことが重要である。引き続き、アジア太平洋地域を含む世界各国に対して日本の経験を共有しながら、世界のAMR対策に貢献していきたい。

 

■黒川 閉会の挨拶

感染症のパンデミックは100年に一度発生しているが、今回のCOVID-19では、今までにないほどの驚異的な早さでワクチンが開発された。この迅速なワクチン開発は、過去の膨大な情報が蓄積されていたからこそ可能であった。AMRもサイレントパンデミックと言われているが、Sally Davies氏が指摘しているように、抗菌薬の適正使用を推進することで、将来的にはその被害を低減できるはずである。今後も当機構を通じて今まで蓄積されてきた有用な情報を広げていくことが重要と考えている。

 

質疑応答では活発な議論がなされました。UHC推進と並行してAMR対策を進めるためには、AMR対策を講じない場合に及ぶ国民への影響を提示し、AMR対策への投資の必要性を伝える重要性が確認されました。また、日本のAMR対策の課題として大腸菌におけるフルオロキノロン系耐性率の上昇や新規抗菌薬に対するプル型インセンティブ導入が挙げられると共に、AMRに対する関心はG7各国も非常に高く、2023年のG7広島サミットにおいてもAMRが1つのアジェンダとして取り上げられる期待は極めて大きいとの認識が共有されました。

 

【開催概要】

  • 日時:2022年8月18日(木)18:00-19:30(東京)/17:00-18:30(シンガポール)/10:00-11:30(ロンドン)
  • 形式:Zoomウェビナー
  • 参加費:無料
  • 使用言語:英語(日本語の同時通訳あり)
  • 主催:日本医療政策機構、AMRアライアンス・ジャパン、アジア欧州財団

 

【プログラム】(日本時間・敬称略)

18:00-18:05 開会趣旨説明

  • 河野 結(日本医療政策機構 マネージャー)

18:05-18:10 開会の挨拶

  • 森川 (アジア欧州財団 事務局長)

18:10-18:20 開会の挨拶

  • 木本 理子(アジア欧州財団 ガバナンス&持続可能な開発部 国際公衆衛生担当マネージャー

    18:20-18:40 基調講演(1):イギリスにおける保健医療システムとAMRサブスクリプション・モデル

    • Nick Crabb(英国国立医療技術評価機構 プログラムダイレクター

    18:40-19:00 基調講演(2):AMRのナショナル・アクション・プランとアジア太平洋協力

    • 日下 英司(厚生労働省 大臣官房 国際保健福祉交渉官)

    19:00–19:25 質問応答

    19:25–19:30 閉会の挨拶

    • 黒川 清(日本医療政策機構 代表理事)

     


    【プロフィール】

    森川 徹(アジア欧州財団 事務局長)
    東京大学法学部卒。数十年にわたる経験と専門知識を持つ外交官。在イラン日本国大使館公使兼副館長、在フランス日本国大使館公使参事官を歴任し、さまざまな文化交流事業を担当。また、メディアや地域経済協力の分野でも活躍し、民間企業を含むさまざまな組織とプロジェクトのためのパートナーシップを開拓・強化した経験を持つ。2020年8月アジア欧州財団(ASEF: Asia-Europe Foundation)の第8代事務局長に就任。日本語、フランス語、英語に堪能。結婚しており、2人の子どもがいる。


    日下 英司(厚生労働省 大臣官房 国際保健福祉交渉官)
    1994年九州大学医学部卒。同年九州大学医学部第二外科入局。2000年九州大学大学院医学研究科卒業。2001年九州大学医学部助手。同年より厚生労働省入省。新潟県福祉保健部副部長、厚生労働省国際食品室長、在ニューヨーク国連代表部参事官、厚生労働省国際協力室長、外務省国際保健政策室長、国立国際医療研究センター国際医療協力局長、厚生労働省健康局結核感染症課長、防衛省人事教育局衛生官などを歴任。現在、長崎大学客員教授(2018年-)を兼任。

    Nick Crabb(英国国立医療技術評価機構 プログラムディレクター)
    英国国立医療技術評価機構以前には、化学、製薬業界や研究所において勤務し、分析化学、プロセス技術、業務管理に関する20年以上の経験を有する。2010年、英国国立医療技術評価機構にアソシエイトディレクターとして就任し、診断評価プログラムの立ち上げと管理を担当。2014年には現在の職務に就き、英国国立医療技術評価機構による科学的助言、科学政策・研究プログラム、医療技術評価機関の欧州連合ネットワーク(EUnetHTA: European Network for Health Technology Assessment)への働きかけについて監督している。臨床、公衆衛生、ソーシャルケアに関するガイダンスの作成に関わる技術や介入評価について科学的・政策的に幅広く関心を持つ。遺伝子・細胞治療を含む再生医療等製品など、新製品の利用可能性に起因するHTA(HTA: Health Technology Assessment)にかかる課題の検討や、抗菌薬の評価に関する手法について研究を実施。英国再生医療専門家グループの評価委員会の共同議長を務め、2016年に報告された再生医療の評価プロジェクトについて英国国立医療技術評価機構の取り組みを主導した。

    黒川 清(日本医療政策機構 代表理事)
    東京大学医学部卒。1969年渡米、1979年UCLA内科教授。1983年帰国後、東京大学内科教授、東海大学医学部長、日本学術会議会長、内閣府総合科学技術会議議員(2003-2007年)、内閣特別顧問(2006-2008年)、世界保健機関(WHO: World Health Organization)コミッショナー(2005-2009年)などを歴任。国会による福島原発事故調査委員会委員長(2011年12月-2012年7月)、公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金のChair and Representative Director(2013年1月‐2018年6月)、内閣官房健康・医療戦略室健康・医療戦略参与(2013年10月‐2019年3月)。現在、マサチューセッツ工科大学客員研究員、世界認知症協議会(WDC: World Dementia Council)メンバー、ハーバード公衆衛生大学院John B. Little(JBL)Center for Radiation Sciences 国際アドバイザリーボードメンバー、政策研究大学院大学・東京大学名誉教授。東海大学特別栄誉教授。

    木本 理子アジア欧州財団 ガバナンス&持続可能な開発部 国際公衆衛生担当マネージャー
    2016年アジア欧州財団(ASEF: Asia-Europe Foundation)に参画。ASEF公衆衛生ネットワークの構想策定から実施までを担当。南米でNGOやボランティアの現場経験を積み、現地の保健省や国連難民高等弁務官事務所(UNHCR: The Office of the United Nations High Commissioner for Refugees)等の国際機関と協力し、公衆衛生上のさまざまな問題に取り組んできた。アメリカ大陸の他、アフリカでも病院経営のプロジェクト・スーパーバイザーとして勤務。ドミニカ共和国の地方にあるハイチ・バテイ村等、母国以外の国で生活してきたため、異なる文化や生活様式に適応する能力が高い。オーストラリアン・カトリック大学で看護学の学士号を取得し、看護師の資格を持ち、数年の臨床経験がある。その後、クイーンズランド大学で国際公衆衛生学修士号(MIPH)を取得。当時、メキシコで研究を行い、その後、専門誌に論文を掲載。

    河野 結(日本医療政策機構 マネージャー)
    シドニー大学大学院医療政策学修士課程修了。修了後、日本医療政策機構に参画。薬剤耐性(AMR: Antimicrobial Resistance)やワクチン・予防接種に関する事業を中心に担当。担当事業等を取り巻く国内外の政策課題の調査分析や各種会合の企画運営に従事。広報・アウトリーチ活動やアドボカシー活動等にも取り組む。

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