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【参加報告】コネクティング・クライメート・マインズ グローバルイベント(2024年3月19日〜21日)

【参加報告】コネクティング・クライメート・マインズ グローバルイベント(2024年3月19日〜21日)

「コネクティング・クライメート・マインズ(CCM: Connecting Climate Minds)」のグローバルイベントがバルバドスで3月19日から21日にかけて開催されました。本イベントは、80カ国以上からの800人以上参加者共同で取り組んできた気候変動がメンタルヘルスに与える影響について、過去一年間進めてきた取り組みの成果の集大成です。イベントでは、7つの地域コミュニティを代表する参加者が一堂に会し、気候変動に起因するあらゆる要因が生活に及ぼした悪影響について、各地域の実体験を聞き、研究や行動計画の議題を共有し、次のステップについて一緒に考える貴重な機会となりました。

日本医療政策機構(HGPI: Health and Global Policy Institute)副事務局長の菅原丈二とプログラムスペシャリストの五十嵐ナーヤ ハーパーは、東アジアおよび南東アジア地域の地域共同招集者(RCC: Regional Co-Convener)として日本の取り組みを紹介するため出席(現地・オンライン)しました。副事務局長の菅原は、プラネタリーヘルスに関するHGPIの現在の活動と、プラネタリーヘルスアドバイザリーボードの今年度の取り組みについて発表し、メンタルヘルスを含むプラネタリーヘルスを推進するためには、多方面のステークホルダーを巻き込むことが重要であり、研究、政策、政治のギャップを埋める必要があると強調しました。

プログラムスペシャリストの五十嵐は、気候変動がメンタルヘルスに与える影響への潜在的な解決策のひとつとして、森林浴をケーススタディとして紹介しました。森林浴の実践は1980年代に日本で始まり、自然の中に身を置き、五感を通して自然とつながることを意味します。森林浴は、気分を整え、全体的なメンタルヘルスを改善することが示されており、特に不安を改善する効果がより大きいことから、森林浴は気候変動に対する不安や気候変動がもたらすその他の感情的影響に対する効果的な治療法となりうることが示唆されています。しかし、気候変動の影響を受ける人々に対する治療としての効果については、さらなる研究が必要です。森林浴に関するケーススタディは、7つの地域の他のケーススタディを含め、グローバル・オンライン・ハブのケーススタディで見ることができます。

イベントで立ち上げられた「グローバル・オンライン・ハブ」は、学習、関係構築、協力のためのオンラインスペースです。また、気候変動とメンタルヘルスに関する研究のためのプラットフォームであり、ツールキット、ケーススタディ、実体験に関するの洞察やストーリーにアクセスすることができます。今後、さらに多くのリソースが提供される予定です。

ハブには、地域アジェンダも含まれています。地域アジェンダは、7つの地域コミュニティにおける研究と行動に関する優先事項が示されており、1.気候危機によるメンタルヘルスの負担を経験している人々のニーズを理解し、対処すること、2.この分野での研究を可能にし、エビデンスを政策や実践における行動につなげること、を目的としています。また、プロジェクトの4つの主要な研究カテゴリーである(1) 影響、リスク、保護要因、(2) 経路とメカニズム、(3) 気候行動のメンタルヘルスへの共同利益、そして、(4) 気候変動の文脈でのメンタルヘルス介入に関する合計30の優先研究テーマが明確にされています。

コネクティング・クライメート・マインズのプロジェクトは気候変動とメンタルヘルスの交差点での現在、そして新たな課題への取り組みを加速させるという共通のビジョンのもと、地域の専門家が分野を超えて協力しています。このプロジェクトで生み出された成果は、今後気候変動とメンタルヘルスの分野に必要な投資を促進しつつ、地域およびグローバルレベルでメンタルヘルスが整合されることを確実にするために不可欠です。

 


■コネクティング・クライメート・マインズについて

コネクティング・クライメート・マインズは、ウェルカム・トラストの資金提供によるグローバルなイニシアチブであり、研究、政策、デザイン、実体験などの専門知識を世界中から集めています。このプロジェクトは気候変動とメンタルヘルスの関連を持つグローバルおよび地域コミュニティの招集者による研究と行動のアジェンダを開発することを目的としております。

コネクティング・クライメート・マインズの活動に関する詳細はこちらを、各地域における実践事例の詳細はこちらをご覧ください。

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