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【申込終了】(オンライン開催)「健康な地球へ向けて:国家保健医療システムにおける気候変動の緩和・適応と公衆衛生の統合戦略」(2024年1月19日)

【申込終了】(オンライン開催)「健康な地球へ向けて:国家保健医療システムにおける気候変動の緩和・適応と公衆衛生の統合戦略」(2024年1月19日)

気候変動が激化するにつれて、地球全体における健康への影響がますます顕著になってきています。2023年7月、国連事務総長であるAntónio Guterresは、2023年7月の気候観測データが「様々な指標における記録を塗り替える可能性がある」とし、「地球全体が沸騰する時代が到来した」と警鐘を鳴らしました。事実、世界気象機関(WMO: World Meteorological Organization)は、7月の最初の3週間が「我々の記録において最も暑い3週間だった」とコメントしています。このような気候変動の激甚化、特に過去最高の海水温度と10年ごとの温暖化の傾向は加速度を増しており、各国政府は気候変動と健康に関する包括的な対応に迫られています。また、今回の国連気候変動枠組み条約(UNFCCC: United Nations Framework Convention on Climate Change)による第28回締約国会議(COP28)では、歴史上初めての健康の日(Health Day)が12月3日に開催され、イギリス、フランス、そして日本を含む143カ国による署名のもとで「COP28 気候・健康宣言」が採択されました。

このような状況の下、既にいくつかの国々は、保健・医療・介護システムをより広範な国家の気候行動戦略に統合しています。イギリス(イングランド)の「Greener NHS」やフランスの「Feuille de route Planification écologique du système de santé」は、先駆的な戦略だと考えられます。これらの取り組みは、持続可能性に配慮した施設、廃棄物管理、革新的なヘルスケアモデルなど、保健医療や介護などの部門のカーボンフットプリントを削減するための野心的な目標を概説しています。

2050年までにカーボンニュートラルを目指す日本は、急速な高齢化により保健・医療・介護サービスへの需要が高まる中で、気候行動計画から人々の健康を除外する余地はありません。上述した野心的な目標を設定している各国の取組みから学び、日本は「GX実現に向けた基本方針」に市民の健康の視点を盛り込むことが求められています。本会合では、日本社会に対して保健医療システム、施設からの温室効果ガスの排出を削減し、研究開発から製造、サービス提供に至るまでのサプライチェーンを最適化し、持続可能なモデルを統合するための枠組みを学び、今後の議論のきっかけが生まれることを期待しています。この変革に関する議論をさらに進め、日本のロードマップを提供するために、各国の専門家からの好事例や教訓を学びたいと思います。

日本医療政策機構のプラネタリーヘルスプロジェクトでは、国連事務総長が「灼熱の年を燃え上がる野心の年に変える」と提案したように、日本がそのカーボンニュートラルと保健・医療・介護などにおける目標を整理し、省庁の壁を越えた包括的な指針の作成を目指しています。また、2023年9月21日には日本政府も外交課題として掲げているユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC: Universal Health Coverage)について新たな政治宣言が取りまとめられました。公的な医療制度に気候危機の視点を組み込むことにより、企業、自治体、地域コミュニティ、保健・医療・介護機関の努力を統合し、持続可能で強靭なヘルスシステムの議論を推し進めることで、我が国が新しい気候行動の時代を切り開く先導者となることが期待されています。

 

【開催概要】

  • 日時:2024年1月19日(金)18:30-19:55
  • 形式:オンライン(Zoom ウェビナー)
  • 参加費:無料
  • 言語:日本語・英語(同時通訳あり)
  • 主催:日本医療政策機構
  • 共催:在日フランス大使館、駐日英国大使館、国立大学法人 政策研究大学院大学 グローバルヘルス・イノベーション政策プログラム

 

【プログラム】(敬称略)

18:30-18:35 趣旨説明

菅原 丈二(日本医療政策機構 副事務局長)

18:35-18:40 開会の辞

濵地 雅一(厚生労働副大臣)

18:40-19:05 基調講演1 イギリスの事例 「ネット・ゼロ」国民保健サービスの実現

Sarah Ouanhnon(イギリス NHSイングランド グリーナーNHS ネット・ゼロ・デリバリーおよびパートナーシップ部門 ヘッド)

19:05-19:30 基調講演2 フランスの事例 医療システムのエコロジカルプランニングのロードマップ

Hélène Gilquin(フランス保健省プロジェクト・マネージャー)

19:30-19:50 コメント・質疑応答

19:50-19:55 閉会の辞

黒川 (日本医療政策機構 代表理事)

 


■プロフィール:

Sarah Ouanhnon(イギリス NHSイングランド グリーナーNHS ネット・ゼロ・デリバリーおよびパートナーシップ部門 ヘッド)

Ouanhnonは、これまで、一次医療、急性期医療、地域ケアの各段階における、ケアの提供を最適化するためのさまざまな大規模変革プログラムに従事し、率いてきた。一定規模の人口集団の健康管理における専門知識を生かし、さまざまな状況下におけるより統合されたヘルスケアのサービス設計を支援してきた。過去10年間、イギリスおよびフランスの医療システムにおいて、ヘルスケア提供体制、製薬業界、コンサルティングなどのさまざまな組織に従事した経験を有する。気候変動が人口集団に対して及ぼす健康影響およびその脅威に対処し、増大する健康格差に取り組むため、2021年1月にグリーナーNHSプログラムに参画。サプライチェーンと医薬品におけるNHSのネット・ゼロ・コミットメントの実施をリードしている。また、近年は、高品質で低炭素の呼吸器ケアに関するNHSの方針の実施、NHSネット・ゼロ・サプライヤーロードマップの開発と実施(今後10年間のNHSサプライヤーに対する要件を概説)、世界保健機関(WHO)および他の医療システムとの協力による、世界的な医療サプライチェーンの脱炭素化などにも従事している。

Hélène Gilquin(フランス保健省プロジェクト・マネージャー)

Gilquinは、政治学専門学校であるパリ政治学院(シアンス=ポ(Sciences-Po))を卒業し、政府関係の修士号を取得した。彼女は5年前にフランス保健省に入省した。2022年11月以降、彼女は医療システムの省庁間エコロジカルトランジション計画を担当している。彼女が所属する病院部門は、2023年に保健大臣が発表した様々なコミットメントの推進と展開を担当しており、その中には医療部門の温室効果ガス排出量を毎年5%削減するという目標も含まれている。フランスの医療部門は、国全体の温室効果ガス排出量の8%以上を占めている。

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