【開催報告】HGPI協力ウェビナー Lancet Countdown 2023 Japan プレゼンテーション「子どもの健康問題としての気候変動セミナー ランセット最新報告が警鐘を鳴らす健康を守るためのコミットメントとは」(2023年12月14日)
日付:2023年12月28日
タグ: プラネタリーヘルス
日本医療政策機構は、2023年12月14日(木)に開催されたウェビナーLancet Countdown 2023 Japan プレゼンテーション「子どもの健康問題としての気候変動セミナー ランセット最新報告が警鐘を鳴らす健康を守るためのコミットメントとは」に協力しました。
気候変動の影響が世界各地で⾒られる中、その範囲は異常気象にとどまらず、⼈々の健康と命の問題にまで拡⼤しています。今年、世界は過去10万年で最も⾼い気温を観測し、⽇本でも各地で最⾼気温30℃以上の真夏⽇が過去最⻑を記録、35℃以上の猛暑⽇も過去最多を更新しました。世界的医学誌『ランセット(The Lancet)』が主宰する気候変動と健康に関する国際共同研究事業である「ランセット・カウントダウン(Lancet Countdown)」は、「⼗分な気候変動対策が取られない場合、過去50年の公衆衛⽣の進歩を後戻りさせることになる」と警鐘を鳴らしています。
本イベントは、2023年11⽉30⽇開催の国連気候変動枠組条約の第28回締約国会議(COP28)に先駆けて同⽉15⽇に発表された、「ランセット・カウントダウン 健康と気候変動に関する2023年報告書」に付随するもので、ランセット・カウントダウンとしては初めての⽇本イベントとなりました。
基調講演では、気候変動と保健医療分野の第一人者から、最新の報告書の内容を踏まえた、日本の気候変動による健康被害や公衆衛生への影響についての最新の知見や状況ついてのお話があり、パネルディスカッションでは、「こどもの健康への影響」をテーマに様々な専門家の視点からの知見を得ることのできる貴重な機会となりました。
また、ランセット・カウントダウン2023年報告書では、日本における主要な調査結果として以下についても警鐘を鳴らしており、温室効果ガス排出削減の努力を追求することの緊急性を強調しています。
- 暑さと健康に関する傾向は特に懸念すべきであり、高温にさらされる人口が世界平均を上回って増加している。
- 都市人口の大幅な増加や気候条件により、媒介性感染症、食品媒介性感染症、水媒介性感染症など、多くの感染症に対する脆弱性が高まっている。
- 栄養価の高い植物性食品の摂取不足は、温室効果ガス排出の原因となり、健康と幸福を損なっている。
- 大気汚染は地域住民の健康に影響を及ぼしており、クリーンエネルギーへの移行によって回避することのできる疾病や死亡の負担が大きくなっている。
この記事の詳細については、こちらをご覧ください。(英語のみ)
【開催概要】
- 日時:2023年12月14日(木)10:00-12:20
- 共同主催:国⽴⼤学法⼈ 東京医科⻭科⼤学、国⽴⼤学法⼈ ⻑崎⼤学
- 後援:ランセット・カウントダウン
- 協力:日本医療政策機構、⼀般社団法⼈みどりのドクターズ
- 形式:ハイブリッド
- 会場:野村コンファレンスプラザ⽇本橋(5F 受付 ⼤ホール b)*報道関係者のみ
- 言語:日本語・英語(同時通訳あり)
- 参加費:無料
【プログラム】(敬称略・五十音順)
開会挨拶
渡辺 知保(⻑崎⼤学 プラネタリーヘルス学環⻑ 教授)
第⼀部: 基調講演
ランセット・カウントダウン 健康と気候変動に関する2023年報告書
「健康と気候変動に関するランセット・カウントダウン2023年報告書
不可逆的な危害に直面する世界で急務な、健康を中心とした対応の必要性」
Ollie Jay(シドニー⼤学 熱と健康 教授)
「我が国における気候変動と健康」
橋⽖ 真弘(東京⼤学⼤学院 医学系研究科 国際保健政策学 教授)
第⼆部:パネルディスカッション
「ランセット最新報告が警鐘を鳴らす⼦供たちの健康を守るためのコミットメントとは」
パネリスト:
今⽥ 由紀⼦(東京⼤学 ⼤気海洋研究所 准教授)
佐々⽊ 隆史(⼀般社団法⼈ みどりのドクターズ 代表理事)
橋⽖ 真弘(東京⼤学⼤学院 医学系研究科 国際保健政策学 教授)
藤原 武男(東京医科⻭科⼤学 国際健康推進医学分野 教授)
渡辺 知保(⻑崎⼤学 プラネタリーヘルス学環⻑ 教授)
モデレーター:
菅原 丈⼆(⽇本医療政策機構 副事務局⻑)
閉会挨拶
藤原 武男(東京医科⻭科⼤学 国際健康推進医学分野 教授)
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