活動報告 調査・提言

「第2回がん患者大集会」がん関係者アンケート調査結果

「第2回がん患者大集会」がん関係者アンケート調査結果
この度、全国のがん患者と家族を対象とした「がん関係者アンケート(2005年版)」を解析いたしました(有効回答数1,836人)。

調査結果は、2006 年3 月19 日の第二回がん患者大集会の基調講演の中で、調査責任者である当機構副代表理事の近藤正晃ジェームスが発表いたしました。

本調査の目的は、がん患者や家族が真に求めているがん医療について、客観的なデータを収集し、広く社会と共有し、政策議論を活発化させ、患者の声が反映される医療の実現に貢献することにあります。

1 がん患者・家族の9 割が、がん患者の声は医療政策に届いていないと感じており、7 割が現在のがん医療に不満を持っている

• 「がん患者の声は、現在、医療政策に反映されていると思うか」という問いに対して、がん患者・家族の27%が「まったく反映されていない」、そして63%が「反映されていない」と感じている。

• 「総合的にみて日本のがん医療の水準に満足していますか」という問いに対して、28%が「不満」、43%が「どちらかといえば不満」と感じている。

2 がん患者・家族が最も不満を感じているのは、「保険制度のあり方」と「患者向けの情報の欠如」である

• 日本のがん医療について不満は、多かった順に、「治療薬承認」(92%)、「総合的相談」(78%)、「質の情報開示」(76%)、「費用水準」(70%)、心のケア(70%)、治療法の情報開示(57%)であった。

• 以上を大きく括ると、「治療薬承認」(92%)と「費用水準」(70%)は「保険制度のあり方」の課題であり、「総合的相談」(78%)と「質の情報開示」(76%)は「患者向けの情報の欠如」の課題であり、これら二つの課題が最も重要な課題であるといえる。

3 がん患者・家族の100%が、がん情報を統合して提供する機関を望んでいる。最も重視している情報は「専門医の有無」と「医師・病院ごとの疾病別の治療成績」である。

• 「がん医療に関する信頼できる情報を統合して提供する機関は必要ですか」という問いに対して、93%が「ぜひ必要」、7%が「どちらかというと必要」と、がん患者・家族の100%がそうした機関を望んでいる。

• 「これまでの診療経験から総合的にみて、患者・家族にとってどのような情報が必要だ(不足している)と思いますか」という問いに対して、上位3項目は、「専門医の有無」(78%)、「医師ごとの疾病別の治療成績」(64%)、「病院の疾病別の治療成績」(58%)であった。

4 がん患声を医療政策に反映させるためには、より積極的な「情報提供」、「政策提言」、「患者の連合による発言力強化」が必要だと患者・家族は感じている。

• 「がん患者の声を政策に反映させるために、がん患者がより積極的に行うべきことは何だとお考えですか」という問いに対して、がん患者・家族の68%が「ニーズ情報の提供」、64%が「がん患者・患者団体による政策提言」、58%が「連合による発言力強化」をあげている。

申込締切日:2006-03-18

開催日:2006-03-19


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