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【開催報告】HGPI-GHP共同講義「プラネタリーヘルス:未来を再構築し、世界を修復する」(2025年2月4日)

【開催報告】HGPI-GHP共同講義「プラネタリーヘルス:未来を再構築し、世界を修復する」(2025年2月4日)

日本医療政策機構(HGPI)は、東京大学大学院医学系研究科 国際保健政策学教室(GHP)と共同で、シンガポール国立大学デューク-NUS医科大学のシンヘルス デューク-NUSグローバルヘルス研究所(SDGHI: SingHealth Duke-NUS Global Health Institute)でグローバルおよびプラネタリーヘルスの准教授のレンゾ・ギント氏を登壇者として迎え、「プラネタリー・ヘルス:未来を再設計し、世界を回復する」と題した講義を開催しました。この講義は、アジア医学生連絡協議会 日本支部(AMSA Japan)や国際医学生連盟 日本(IFMSA-Japan)などの学生団体からも支援を受けました。

2025年2月4日、東京大学本郷キャンパスで開催された本講義には、さまざまな分野の学生、研究者、専門家ら約50名が参加しました。プラネタリーヘルスの第一人者であるギント氏は、地球環境と健康の課題に対処するには、学際的なアプローチが不可欠であり、早急な対応が求められると強調しました。

ギント氏は講義の中で、地球の健康について包括的に概説し、人間の健康と環境の持続可能性の相互関連性を強調しました。また、気候変動、生物多様性の喪失、汚染などの地球規模の課題について議論し、革新的な解決策を推進する国際的な取り組みを紹介しました。ギント氏は参加者に対して、従来の健康や医療分野にとらわれず、多様なキャリアの可能性を検討するよう促し、より健康的で持続可能な世界を構築するためには、部門間の連携が重要であると提唱しました。

Q&Aセッションでは、地球の健康や環境問題への取り組みにおける個人とコミュニティの役割についての議論が繰り広げられました。参加者は、気候不安症や、環境への懸念が高まる中で若いリーダーがモチベーションを維持すればよいかといった質問が寄せられました。議論では行動の変化についても焦点が当てられ、個人や社会が環境に配慮し、持続可能なライフスタイルを取り入れることを促進する方法についても話し合われました。

このイベントはネットワーキングセッションで締めくくられ、参加者はギント氏や他の参加者と直接交流し、若者のリーダーシップ、地球の健康に関する地域の取り組み、この分野でのキャリア パスなどについてさらに議論を深めました。この対話を通じて、多部門協力の重要性が強調され、参加者は将来のキャリアにおいて学際的なアプローチを検討することの意義を考える機会を得ました。

このイベントは、地球の健康に関する有意義な対話を促進し、参加者がそれぞれの分野で行動を起こし、地球の健康と持続可能性に貢献する新たな方法を模索するきっかけとなりました。

 

【開催概要】

  • 日時:2025年2月4日(火)16:00-18:00
  • 形式:対面
  • 会場:東京大学、本郷キャンパス(東京都文京区本郷7-3-1)
  • 言語:英語(同時通訳なし)
  • 参加費:無料
  • 主催:日本医療政策機構(HGPI)、東京⼤学⼤学院医学系研究科 国際保健政策学教室
  • 協力
    アジア医学生連絡協議会日本支部(AMSA Japan: Asian Medical Students Association Japan)
    国際医学生連盟 日本(IFMSA-Japan: International Federation of Medical Students’ Associations Japan)

 

【プログラム】(敬称略)

16:00-16:05 開会の挨拶
菅原 丈二(日本医療政策機構 副事務局長)
16:05-17:00 基調講演
レンゾ・ギント(シンガポール国立大学デューク-NUS 医科大学 シンヘルス デューク-NUS グローバルヘルス研究所 グローバル・プラネタリーヘルス准教授)
17:00-17:25 Q&A セッション
17:25-17:30 閉会の挨拶
橋爪 真弘(東京大学大学院 医学系研究科 国際保健政策学 教授)
17:30-18:00 ネットワーキング

 


◼︎登壇者プロフィール

レンゾ・ギント(シンガポール国立大学デューク-NUS 医科大学 シンヘルス デューク-NUS グローバルヘルス研究所 グローバル・プラネタリーヘルス准教授)

レンゾ・ギント(Renzo R. Guinto)医師(MD, DrPH)は、シンガポール国立大学デューク-NUS医科大学のシンヘルス デューク-NUSグローバルヘルス研究所(SDGHI: SingHealth Duke-NUS Global Health Institute)でグローバルおよびプラネタリーヘルスの准教授を務めている。フィリピン出身のギント氏は、プラネタリーヘルスという新たな分野の世界的な先駆者であり、主要な提唱者の一人である。彼は、気候変動に強靭で環境的に持続可能な医療システム、気候変動が精神健康に与える影響、気候変動と移住および健康の関係など、多岐にわたる課題に取り組んでいる。「プラクアカデミック(Pracademic)」として学術と政策の架け橋を担う彼は、フィリピン気候変動委員会、世界保健機関(WHO: World Health Organization)の気候変動と健康に関する倫理諮問グループ、ランセット委員会などで重要な助言役を果たしてきた。また、アジア太平洋地域および世界規模でプラネタリーヘルスを推進するため、教育や研究の革新を先導し、委員会やネットワーク、機関の設立に携わってきた。さらに、ヘルスシステムグローバル(Health Systems Global)の「気候変動に強靭で持続可能な医療システム」分科会の議長や、フィリピン医師会の環境保健・生態学委員会の議長を務め、「プラネタリーヘルス・フィリピンズ(Planetary Health Philippines)」を主導するなど、数々の役職を歴任している。その功績により、2019年にはオバマ・アジア太平洋リーダー、2022年にはフィリピンの「傑出した若者」(TOYM: The Outstanding Young Men)に選ばれた。

 

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