【開催報告】シンポジウム 医療システムの未来プロジェクト「将来に耐えうる保健医療システムの構築~保健医療システムの持続可能性と強靭性を強化する次のステップ~」(2022年5月17日)
日付:2022年5月31日
日本医療政策機構は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19: Coronavirus Disease 2019)の教訓を踏まえ、「保健医療システムの持続可能性と強靭性を強化するための方策」について議論するために、国内外の専門家を集めてシンポジウムを開催しました。
COVID-19は100年に一度と言われる医療危機を引き起こし、世界中の保健医療システムを脅かすとともに、今なお人々の社会経済活動に大きな影響を及ぼしています。日本でも、ガバナンス、医療提供体制、データ利活用など多くの保健医療システムについて課題が浮き彫りとなりました。
しかし、日本はコロナ禍以前より、少子高齢化、保険医療費の高騰、社会的格差等、様々な課題に向き合ってきており、コロナ禍であってもこれらの課題から目を背けることはできません。今回の危機により、日本は今まで築き上げてきた保健医療システム基盤の再考と、今後の方策を早急に議論する時機に直面しています。
このような課題を世界各国も同様に議論しており、それらの課題解決に向けて、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE: London School of Economics)、世界経済フォーラム(WEF: World Economic Forum)、アストラゼネカ、フィリップス、KPMGなどの協働のもと、2020年より「保健医療システムの持続可能性と強靭性のためのパートナーシップ(PHSSR: Partnership for Health System Sustainability and Resilience)」のプロジェクトが始動しました。PHSSRは、より持続可能かつ強靭性の高い医療システムの構築を支援することを目的として、世界各国の保健医療システム、および、COVID-19対応に関する調査と分析をおこなっています。
日本では、慶應義塾大学と当機構によって、未来の保健医療システムの持続可能性と強靭性を強化するために、今までのCOVID-19対応における課題整理、対応の振り返り、そして再び同様の危機が増えていくことが予想される未来に向けての備えについて議論を重ねてきました。
本シンポジウムでは、国内外の保健医療システムの専門家が集まり、COVID-19対応から学んだ教訓を共有するとともに、日本の保健医療システムの持続可能性と強靭性をより強化するために必要な改革について、産官学民の有識者とともに議論を行いました。また、報告書の作成過程で取りまとめた提言書についても公表いたしました。
【開催概要】
■日時:2022年5月17日(火)17:30-19:00
■形式:ハイブリッド形式(オンライン参加(Zoomウェビナー)、東京中継会場)
■会場:東京都千代田区大手町1-9-2 大手町フィナンシャルシティ グランキューブ3階 Global Business Hub Tokyo
■言語:日本語・英語(同時通訳あり)
■参加費:無料
【プログラム】(敬称略・五十音順)
17:30-17:40 趣旨説明
Matt McEnany(日本医療政策機構 シニアマネージャー)
17:40-17:50 開会の辞
武見 敬三(参議院議員/世界保健機関(WHO) ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC) 親善大使)
17:50-18:00 講演1:世界中のCOVID-19対応における共通課題~これまでのPHSSRプロジェクトからの教訓~
Kelly McCain(世界経済フォーラム ヘルスケア・イニシアチブ 代表)
18:00-18:10 講演2:保健医療システム全体に関わるチャレンジ~データ利活用推進の必要性
宮田 裕章(慶應義塾大学 教授)
18:10-19:00 パネルディスカッション
パネリスト
宮田 裕章(慶應義塾大学 教授)
鈴木 康裕(国際医療福祉大学 学長/前厚生労働省医務技監)
澤田 拓子(塩野義製薬株式会社 取締役副社長)
桜井なおみ(キャンサー・ソリューションズ株式会社 代表取締役社長)
モデレーター
乗竹 亮治(日本医療政策機構理事・事務局長/CEO)
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