【開催報告】グローバルヘルス・エデュケーション・プログラム(G-HEP)2021-2022 グローバルヘルス・アカデミー第3回講義「コロナ禍における健康な高齢化とコミュニティヘルス」(2021年4月7日)
日付:2021年4月16日
タグ: グローバルヘルス
グローバルヘルス若手人材育成のためのグローバルヘルス・エデュケーション・プログラム(G-HEP: Global Health Education Program)の第3回講義を開催し、順天堂大学のMyo Nyein Aung准教授をお招きしました。Myo氏は主に健康増進、高齢者の長期ケア、及び非感染性疾患・感染性疾患の予防を研究対象としています。今回は、「コロナ禍における健康な高齢化とコミュニティヘルス」をテーマに講義を実施しました。
アジア諸国においてかつてないほどの勢いで高齢化が進んでいます。その中でも日本における高齢者人口の割合は世界で最も高く、タイでも高齢者人口が年々増加しています。両国にとって健康な高齢化を促進するための革新的な解決策を講じることは最重要課題です。
Myo氏は、タイと日本で実施した「健康な高齢化のためのコミュニティ・イニシアチブ」に関する研究紹介しました。まず、前半では「タイにおける高齢者のための家族ベースの長期ケアを強化する地域統合型中間ケア(CIIC)サービスモデル」 について話がありました。タイでは、高齢者の介護に関して家族による長期ケアが一般的でした。しかし、世帯の小規模化や非感染性疾患の増加といった社会変化に伴い、家族による介護を維持することができなくなっています。高齢者のケアを提供するために、CIICという新しいサービスモデルが必要とされています。
後半では、「COVID-19大流行中の高齢者のための持続可能な健康増進: 東京からの教訓 」について話がありました。日本はすでに高齢化に関して長年の経験を持っており、国や地方自治体は高齢者にとってよりインクルーシブな社会を築くための努力をしてきました。高齢者の健康増進と、高齢者が地域社会で積極的な役割を果たせるようにすることにフォーカスしています。ただ、COVID-19の流行により、高齢者のための様々なサービスが停止しました。そのため、本講義では高齢者が安全に健康増進活動を継続し、最適な健康状態を維持するための方法について共有がありました。
東南アジアでは、多くの国が家族を中心として文化を共有しているため、日本とタイの事例は、これから同様のモデルを導入しようとしている国で導入される可能性があります。
次の講義(ヘルステクノロジー)は2021年5月12日に開催します。
■プログラム(講義):
第1回 タイのヘルスシステムとCOVID-19(終了)
第2回 日本のヘルスシステムとCOVID-19(終了)
第3回 コミュニティヘルス(終了)
第4回 ヘルステクノロジー
第5回 グローバルヘルス
第6回 移民のヘルス
第7回 量的質的研究手法
第8回 政策提言とアドボカシー
グローバルヘルス・エデュケーション・プログラム(G-HEP: Global Health Education Program)は、日本医療政策機構とタイ・マヒドン大学公衆衛生学部の共同プログラムです。
■マヒドン大学について
マヒドン大学は、タイにおける医学教育を牽引する大学であり、公衆衛生学について国内で初めて専門的に取り組み始めた学術機関です。
ビジョン:
2021年までにヘルスリテラシーに精通した専門家をASEAN諸国に輩出し、各国の人々の健康を促進する
ミッション:
1. ヘルスリテラシーに精通した専門家になることにより、成果に基づく公衆衛生教育を提供する
2. 公衆衛生教育、統合的かつ革新的な研究、健康と長寿および人類の発展を促進し、優れた意思決定に基づく専門的な学術に基づく知見を提供するリーダーを育成する
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